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心の奥底から好き、と言える音楽に出会った話 ~haruka nakamuraさんの音楽との出逢い~

昨年の年末にharuka nakamuraさんの「twilight」Deluxe Editionを購入して、ふと自分がどうやって出会ったのかを書き出しておこうかなという気持ちになったので。

この記事では、haruka nakamuraさんの音楽と私の出会いについてつらつらと書いてあります。個人的な想いがありすぎて、出会うまでの話が長く、出会ってからにたどり着くまでが長くなったので、見出しをつけました。
ざっと見たい方は、"haruka nakamura" の見出しまで飛んでいただければ読みやすいと思います。

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*みだしあるよ*


音から聴こえる世界、見える情景

ずっと誰かと競争するのが嫌いだった。
ずっと誰かと言い争うのが嫌いだった。
いつも自分だけがライバルで味方だった。

そんな幼少期〜学生時代を過ごしてきた。

そのせいか、親の影響もあるのか、同年代とは好きな音楽が全く合わなかったし、お互いに求めるものも違った。
あれ…そういえば、いつから求めるものが変わったのだっけ。小学生の途中までは周りとうまくやれていたのに。

若いころ、というか学生の頃は、今ほど音楽が多様性を持っていたわけではなかったから、おのずと聴くジャンルも絞られてきてだいたいみんな聴くものも、好きなものも同じだった。
周りの友達が好きなものだから…、親が好きなものを見ていて…、自然とそんな感じだった。
だから、とは言いたくないけれど、好きなものの価値観がズレると周りと合わなくなる。
そんな環境がどこか窮屈になって、年齢が上がるごとに、学年が上がるごとに自然と孤立するようになった。

今の時代だったら少しは違うのかなと思うけれど。

流行りのポップスよりも、少し暗めなポップスを聴き、フォークを聴き、クラシックを聴いた
そんな中で出会ったイージーリスニング、というジャンルは学生時代の自分の心を癒してくれたし、満たしてくれた。

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そこに言葉はなくて、音から聴こえる世界、見える情景があって、ポップスやクラシックとは違う心地よさを感じ、その界隈の音楽に没頭した。
とにかく夢中だった。

そして当時音楽をやっていた、というかピアノを習ったりしていた自分にとっては弾いてみたい音楽になった。

でも、そんな人たちのコンサートに行っても、大概が年配だったり中年の人だったりして自分と同じ年代の人を見つけることは難しくて、誰かとこの思いを共有する術もなく家で一人で聴く時間が多かった。
当時SNSはあまり普及していなくて、まだチャットとかの時代だった。

10年弱くらいの期間は、とにかくそんな音楽を聴いていたと思う。それからいろんなライフステージというか、そういうのを歩んできたのだけれど…。

音楽がまったく聴けなかった期間が2年くらいあった。

自分に問題があったことだけれど、本当に何を聴いても身体が受け付けなくて、お守りのように持っていたポップスの音楽も、好きだったイージーリスニングの音楽も聴くことができなかった。

ある時ふと聴けたのはなんだったか思い出せない。

けれど、自然と聴けるようになった時には世間の音楽模様は変化していて、会いに行けるアイドルが台頭していたり、好きだったアーティストがテレビではあまり見かけなくなっていた。

さすがに音楽を聴かなかった期間が長すぎたのか、音から聴こえる世界も見える情景も薄れていて、というかほとんどなくなっていて、文化としての音楽の視点でしか聴けなくなっていた。
だから、とにかく好きだったイージーリスニングの音楽は音だけになってしまって、それは無味無臭みたいでとても悲しくて聴けなかった

そしていつしか、音楽を取り巻く世界は変わってサブスクリプションと呼ばれる世界が生まれたり、DTMやEDMといったものが流行っていた。

そんな時代の時に、知り合いのところへ行った時に流れていた音楽が気になり、一枚のアルバムを教えてもらった
なんでもその人も知人から教えてもらったらしく、とても気に入ったから探して購入したと話していた。

布でできた装丁だったと思う。
初めての感覚だった。今まで触れたことがないもの。
触った瞬間にそれはどこか壊れしまいそうな感じがして、でも柔らかい暖かさを感じた。
そして流れる音は、淡く綺麗で、一つ一つの音がきらめいていた。

そして帰ってから、そのアーティストの名を調べた。

haruka nakamura

ありがたい時代というか、なんというか。調べてみれば、いろんな情報が載っていた。
でも情報よりも活字よりも、とにかくその音を、音楽を聴いてみたくて、某有名な動画サイトで公式チャンネルがあって聴いてみた。
知人から教えてもらったアルバムは売り切れていたのだけれど。

そしてまたもありがたい時代というか、ちょうどその頃Spotifyのヘビーユーザーだったこともあって、検索をして聴けるものは片っ端から聴いた。

初めてその音楽に触れた時のことは、とても言葉で表すことなんてできないくらいに衝撃的だった。

いままで聴いてきた音楽のどれとも違う、音たち。
癒し、という言葉では収まらない世界。
昔好きだったイージーリスニングの音楽は、綺麗なメロディ、サウンドから作られていて、癒しだった。
音から聴こえる、見える世界があった。

でもその音は違った。
音からではなくて、聴こえる、見える景色の中に音が鳴っていた
どうかこの感覚が伝わって欲しいと思うのだけれど…。

とにかくそれは衝撃的で、そして同時に打ちのめされた感覚にさえなった。

おこがましい話だけれど、それはむかし自分が音楽をピアノを弾いていた頃に目指していた音の世界にとても近くて、その世界を体現している人がいたのだと知り、なぜ今まで知らなかったのかと後悔した。そして、もっと早くに出会いたかったと思った。
あの頃は、とにかく柔らかい音。シャボン玉のような音色で、それが相手の身体に触れた途端に弾け飛んで奥深くに染み渡るような音を探し求めていた。
そして何より、癒しよりも浄化するような音の世界を探していた。

そう…多分、haruka nakamuraさんの音楽は癒しというよりも、身体の全てを洗い流してくれるような音の世界だと思う。
一言で言えば、浄、というか。
最初にしっかり聴いたのが、PIANO ENSEMBLE の音楽だったから余計にそう思うのかもしれない。

神社の中に入っていくような感覚。
教会の中に入ったような感覚。
静けさの中に、どこか厳かさがあって、静と動が共生しているというか。

たくさん聴いていく中で、インタビュー記事を読むなかで、SNSを見ることでわかったこともある。
全国各地に散らばった音を探し出して、それを拾い集めて、自分の中に吸収し消化して、音を作っていく人なのだと。
Folklore、という言葉が似合う人だなと思う。
音で人をつないでいく、そういう人なのだと思う。

そんな人がつくりあげていく音楽だからかもしれない。
聴いた瞬間に、心と身体が自然と一体になっていく。
心のざわめきもせわしなさも、自然と落ち着いていくのに気がついたら光りが照らすように、生命の炎が灯っている

色あせない音たち

そんな音楽が好きになって、たくさん聴いた。
電車での移動の時間、車に乗っている時間、部屋にいる時間。
いろんな場面で聴いていく中で、その音楽は時と場所によって形を変えるように、身体の中に吸収されていった。

誰かと会った後には、会話を反芻するように。
辛かった時には、身体を優しく包んでくれるように。
悲しいときには、寄り添ってくれるように。
嬉しかった時には、一緒に喜んでくれるように。

いつも聴いている音楽なのに、何回聴いたってそれは色あせることはなかった。むしろ、いつだって新鮮な音として、聴こえていた。

その音楽を知ってから一年を振り返った時に、再生回数はダントツに上位を占めていた。
お気に入り、好き、という気持ちもあるけれど、その音楽が、音が、そこにあることが自然になっていた。

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それだけではなくて、haruka nakamuraさんと関わりのある他のアーティストのこと、素敵な場所、美しい景色を知ることができた。
そうして広がっていく世界があることを知ったし、自分の音や世界を追い求めていくたくさんの人たちがいることを知れた。
心の奥底から本当に好きだ、と言えるくらいに好きな音楽に出会える、ってこんなにも嬉しいことなんだ、と気付かされた。

他に不思議なこともあった。

haruka nakamuraさんを知る少し前に、あるお店の店員さんから教えてもらったCDショップは、そうした音楽家の人たちにゆかりのある場所だった。
その店員さんに教えてもらった時に、もしかしたらharuka nakamuraさんの音楽も聴いていたのかも知れないけれど、その時はまだそれがそうだという認識はなくて、素敵な音楽を取り扱うCDショップだなくらいの認識だった。


実は、この店員さんとの出会い方もとても不思議なものだったのだけれど。その話はまた折に触れて…。


出会うべき時に人は出会わされるのだな、と思う。不思議なほどに。

これからの未来のことはわからないし、もしかしたら好きなものが変わってしまう可能性だってあるのかも知れないけれど。
いままでも、これからも、ずっと聴いていく音楽なのだろうなと思う。
そう思っているし、生活の中で呼吸をするように当たり前のようにその音楽はあると思っている。

だからこれまでも、これからも。

この愛する音楽を長く、大切に、大切にして、自分のなかへ落とし込んでいきたい。
そしてこの音楽とたくさんの想い出をつくっていきたい。

そう思うことができた、初めての人。
その音楽と私の出会いの話。



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