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0円で済むかも、最強のMOS勉強法

第1部        MOS試験の紹介

私はMOS試験が大好きです。

誰に何と言われようと、私のExcelの知識の75%、WordとPowerPointはほぼ100%、MOS試験のおかげでできています。

そのおかげでExcelのムックを監修したり、書籍を執筆したりという活躍に繋がりました。

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また、Excelの魔法使いという異名を名乗れるほどにExcelの世界ではプチ有名人になれたものMOSの試験で勉強したおかげです。

今までも数多くのMOSの講座を監修してきました。

そのような中で、今のMOSの勉強法のデメリットを感じてきました。果たしてMOSの目指しているところにあった勉強に繋がっているのだろうか。

その疑問から、今までとは違う、新たなシンプルな勉強の方法を見つけ出しました。

それを紹介したいと思います。

MOS試験はMicrosoft Office Specialistの略で、ExcelやWordなどのスキル認定する資格です。非常に有名な試験で、就職や転職でも有利に働きます。

実技試験、試験会場によって試験日が決まるため毎日のように試験が開催される随時試験、合否はその場でわかるという特徴があります。

第2部        MOS試験のレベル

どんな資格試験でもそうなのですが、資格試験は、そのことができる能力を持っていることを証明するものです。

MOS試験はWordやExcel、PowerPointが使えるかどうかの試験で、合格することによって、その能力を証明するものであり、資格に合格した以上、使えないということはありえないはずなのです。

しかし、一部では、MOSに合格した人を採用したけど、その人がWordやExcelが使えなかった、という話もよく聞きます。

それはなぜなのでしょうか。

確かにMOSは簡単な資格です。

証明する能力の割に、短期間で学習できるものでもあります。

しかし、手軽だからと言って、資格に合格するだけの丸暗記での勉強をすると、実力が伴わないで合格してしまうことがあります。

はっきり言うと、これは不幸だと思います。

せっかくの勉強の機会を、楽をしたいばかりに、正規の学習方法ではなく、合格のためだけの攻略学習法で勉強しているのは、もったいない以外の何物でもありません。

就職のための勉強にせよ、会社から言われたために勉強しているにせよ、きちんと勉強する、ということを怠ってしまうと、実際に現場でWordやExcelが使えなくなって困るのは目に見えています。

社会の怖いところは、期待されたことができないと信用を失います。信用は失うのはほんの些細なことでも、それを取り戻すのには、なん百倍もの努力が必要になります。そのような回り道こそ、避けるべきなのです。

試験という勉強の機会があったのであれば、しっかり基本から正しく覚えることをしていくのが一番道を外れない楽な道なのです。

裏技攻略法で学習してもできる人はできます。しかしそれははじめから知識があったり、ラッキーなことにパソコンの考え方ができていたりする人です。

もちろん、自信があればそのような勉強法でいいですが、そうかどうか自分自身で判断できなければ、ちゃんと勉強しましょう。

「MOSがなぜ試験としてあるのか」ということは、どこにも書いていないので、私の想像になりますが、少なくとも、「合格だけすれば現場で使えなくてもよい」という試験ではないはずです。

試験を通して、WordやExcelが普通に使える人を増やそうとしているはずです。そのためには、どんなことがわかっていなければいけないのかということを、試験を通して私たちに教えてくれていると思います。

私は、今、日本のビジネスパーソンの中でExcelが使える人は1割しかいないと思っています。それが5割まで上がっただけで、世の中の仕事の仕方が変わると思います。苦しい仕事から、幸せな仕事に変わることができると思っています。

MOSにはそのような役目があると思っています。

この本では、実際のWordやExcelの具体的な機能については触れません。なぜならば。

最強なのは、「WordでもExcelでも、初めて使う機能でも難なく使える人」なのです。

MOSの勉強の最終ゴールはここです。ここを目指した学習のチャンスなのです。

第3部        MOS試験の特徴

資格試験と言えば、マークシートで答えたり、穴埋め問題の抜けたところに答えを書いていったりするようなイメージがあるかもしれません。そういった試験は知識を問う筆記試験です。

それに対し、MOS試験は、実際にWord、Excel、PowerPointを使って、問題で出題される指令通りに操作していく、実技試験です。

理論的にわかっているというよりも、実際に操作ができるのかを問われます。

だから、教科書を丸暗記するようなことではなく、操作の練習が必要になります。

また、採点も人間の採点者が答えと合っているかどうかを採点するのではなく、コンピュータプログラムによって、正しく入力されているのか、正しく設定されているのかを正確に判断します。

実際の試験の採点のプログラムはどうなっているのか非公開なのでわからないのですが、コンピュータで採点するということは、回答している手順をひとつひとつ審査することも可能ですので、間違えて入力したからと言って、その入力をDeleteキーで消したら、本来は入力だけで済むものを、入力して削除して入力する操作をした、と判断されます。

人間が保存されたファイルの中身を開いて、目で見て確認するような試験ではこのような操作は審査できませんが、コンピュータで自動的に採点されるということは、このようなところまで採点することができるのです。

これは絶対に操作を間違ってはいけないということになります。

確かに、WordやExcelの操作がうまい人は、間違った操作を訂正するのがうまいというより、そもそも間違わないで操作する人なのです。

実技試験でなおかつプログラムによる自動採点ということは、このように正確な操作が求められます。

MOSが実技試験ということは、実際に操作する画面が目の前にあるのですから、いわばカンニングし放題なのです。できる方法を片端から試していけば、答えに辿りつけます。

ここは非常に大事な考え方なのですが、だから難しいことはないのです。

時間が無限にあれば。

MOSは資格試験なので回答の時間が50分と限られます。その中でいくつもの操作をしていかなければならないのです。

カンニングし放題だからといって、いつまでも調べていれば当然時間はなくなります。最悪、1問目の最初の問題で操作方法がわからないからと言って最後まで50分間調べて、それでもわからなかったら一問も解けていないので0点です。次回受験のためにいろいろな問題の下見をするということですらできません。

つまり、MOS試験は時間内に指令を達成しなければいけないということです。

実際の仕事でも、仕事には締め切りがあって、その締め切りまでの間に終わらせるもの、もしわからないものがあれば、それは課題として積み残しておいて、あとでいっぺんに処理していく、ということをします。それと同じことなのです。

合わせて、先ほども言ったように、間違ってはいけないということもあり、実際のパソコン上でカンニングして試していけるのは、全体の中の数問だけと言えるのです。

第4部        MOS試験に向かう心構え

MOS試験は、制限時間の中で正確に解いていく、ということが重要です。

とても高度な要求に聞こえますか?

しかし、私たちはそうそう時間を守らずに間違って行動をしているでしょうか。

9時に出社するのであれば、時間を逆算して、最寄りの駅から会社方面行の電車に毎日乗ることができます。

このように、日常では時間を守り正しく行動することがほとんどで、よほどではない限り、そうではない行動にはなりません。

確かに、パソコンの操作は一般的な行動とちょっと違う感覚はあるかもしれませんが、もしそうだとしたら、その違う感覚を修正するのも、MOSを勉強する意味なのかもしれません。

できるだけパソコン操作を日常の行動と近づけて、うまく操作できるようになりましょう。

決まりを守るということも重要です。MOSでは問題文の指令通り、またWordやExcelで決められたルールに照らし合わせながら操作するものです。

これは私の主観なのですが、パソコンがうまくない人は、スマホ運転をしてしまう人に多いように思います。

このような決まりを守ることは仕事をするうえでもトラブルなく仕事ができる要素だと思います。

本来のMOSの学習を通して、仕事に必要な規範意識やトラブルにならない仕事法を学ぶことができます。

合格だけではなく、その後を見据えた学習へとつなげることができます。

第5部        MOS試験本番での問題への向かい方

ここでは、MOSの試験の時にどういったことに気を付けなければいけないか、真の攻略法ともいえることを考えていきましょう。

試験の時にこの行動ができれば大丈夫です。

試験は問題文とその問題を解くためのファイルが画面上に表示されています。

まず、問題を読みましょう。

この問題の読み方もポイントです。

「どこに」「何をするのか」「その条件は」

この3つを読み取らなければなりません。

「どこに」は選択すべきところです。

「何をするのか」は実際の設定する機能です。

「その条件」は設定するときやその前に気を付けるべき点です。

これをしっかり読み、理解しましょう。

そのとき、問題文だけを見てしまうと、何をしたらいいか全く理解できません。

実際のファイルの内容を見て、どこに何をしてほしいと言っているのか理解します。

次に、実際に操作する前に、操作の手順を頭で考えます

手順だけではなく、その問題が終わったときにどんな風になればいいのかもイメージします。

そして操作します。

操作する場合、用紙の設定や表示の設定の一部以外では、選択することが必要です。選択はクリック、またはドラッグ操作で行います。慎重に選択しましょう。

機能の操作はクリック、ドラッグ、ダブルクリック、キー入力、すべて慎重に行います。

マウスを動かすときは動かす、動かさないときはしっかり止める、しっかり止めてからマウスのボタンをクリックする。

キーは長押しにならないように一瞬だけ押す。違うキーを押さない。

こういったことは、普段のパソコン操作でも、できているつもりになる場合がとても多いです。意識して一回一回の操作をメリハリ付けることが重要です。

長年パソコンを使っていても、操作間違いの多い人がいます。そのような人は、マウスの持ち方が間違っていたり、クリックする力が強すぎてクリックすると同時にマウスが動いてしまっていたりという人もいます。普段の練習で、意識していきましょう。

また、パソコン医対して決定する操作をした後というのはとても重要です。

決定の操作は、入力であればEnter、リボンのボタンであればクリック、ダイアログボックスならOKボタンをクリックする操作です。

この確定操作の後に、予想外のことが起きていないかを目で確認します。

問題の最後に、想定していた内容と同じになっているか、なっていなければ、なっていない方が正しいのかを判断し、次の問題に移動します。

問題文は操作する機能の名前がそのまま書いてあるわけではありません。だから、操作の内容が思い浮かばないときがあります。よく考えてみて、まったくわからないのであれば、その問題はいつまで考えても何を言っているのかわからないことが多いです。問題文がわからないときはなるべきはやく次の問題に進みましょう。解いていない問題は、最後まで一通り回答した後にまとめて回答することができます。どこがわからなかったのか、マークを付けることができるので、そのマークを頼りに再度回答ができます。

問題文は理解できたけど、どこにその機能があるかわからないときは対処法があります。

まずは範囲選択をします。

次にその範囲選択した部分を右クリックしてみましょう。そうすると、そこでできること一覧表をメニュー形式で表示できます。この中をじっくり確認していき、そこだと思ったところをクリックしてみましょう。

右クリックしてもわからない場合は、リボンを確認します。リボンは、ホームから左から右に見ていって、ホームの中も左から右に一つずつボタンの上に、クリックせずにマウスを合わせれば、機能名が表示されるので、これで探っていきます。

それでもわからない場合、Altキーを押したままQのキーを押し、機能名を入力すると、タイトルバーにその機能一覧表が表示されるので、それをクリックします。

ただ、特に最後の方法に関しては、採点基準がわからないため、正解になるかどうかはわかりません。

また、このような解き方をしていて、思った操作ではない場合もあります。その時には1段階「元に戻す」操作を行っても元には戻るのですが、これも間違った操作の一つと数えられてしまうことも考えられます。

MOSの試験の問題には「リセット」というボタンがあり、このボタンをクリックすると、それまでの操作は一切なかった状態にして、その問題の最初から回答することができます。

この機能があるので、なんどもやり方をカンニングするかのように試しながら正解に辿り着くことも可能です。しかし、リセット機能は残り時間は戻ってきませんので、やりすぎには注意しましょう。

これらの試す方法も、なかなか正解に辿り付けない場合は、一度次の問題へ飛ばした方がよいです。

もし残り時間がなくて、でも一回戻りたい、というときは「元に戻す」、時間に余裕があるときは「リセット」ボタンというように使い分けましょう。

回答時間は早ければ早い方がよいです。50分の試験ですが、15分で終われるのなら最高です。時間いっぱい使うと考えると時間内に終わらなくなってしまうので注意しましょう。

問題文のところに残り時間と残りの問題数が表示されています。常に確認しましょう。

問題は1問1問の解き終わりごとに確実に出来上がりを確認し、一回、大丈夫だった問題は後で見直すことはしないようにしましょう。あとで見直すということは、間違っていたら最初からやり直すことになり、せっかく正解を回答していている部分もゼロからもう一度回答することになります。その時に間違った回答をしてしまうことは避けたいです。

第6部        MOS試験の0円勉強法

MOS試験の勉強法で最も大事なことは、参考書や問題集で対策することではありません。試験の出題内容を知ることです。

出題される範囲はMOSの公式サイトに掲載されているPDFファイルに記載されています。

出題範囲だけではなく、MOSの公式サイトは有利になる情報の宝庫ですので、隅から隅まで熟読することをお勧めします。

  • MOS公式サイト

https://mos.odyssey-com.co.jp/index.html

受験する科目のPDFファイルをダウンロードし、基本はその中に書いてあることから出題されます。

ただ、この資料は改定があったり、もともと英語の資料を直訳していたりすることもあり、中にはそれ以外のものが含まれる場合もあるかもしれません。すべてを把握しておけば、合格には影響はないと思います。

この出題範囲の機能はどこから呼び出すのか、Excelの関数であればどんな引数があってどんな操作をするものなのか、これはネット検索すれば情報は出てきますが、すべてが正しいとは限りません。その中で最も正しい情報は、マイクロソフトの公式のサポートページです。

  • マイクロソフト|サポート

https://support.microsoft.com/ja-jp

ここで「Excelの並べ替え」のように入力して検索します。

それを出題範囲のPDFファイルに書いてあることをすべておさらいします。

ここまでで、機能的には網羅できます。

ここで第一段階の試験対策は終わりです。

ここまでは公開されている情報を使っての勉強なので、お金はかかりません。

勘が良ければこの時点で対策は終わりです。

もしこの時点で受験し、合格すればかかったお金は受験料のみです。

もし不合格だったとしても、まずは模擬試験のつもりで受験してみるというのも悪い選択肢ではありません。

合格を確実にするには試験対策として、それぞれの勉強した機能を使って課題を解決していく練習をする必要があります。

そのためには問題が必要です、

無料で問題を公開している方もいます。

私も、MOSにぴったり合った問題ではありませんが、問題をいくつか無料で公開しています。

  • Excel初心者向け・練習ドリル

https://www.yosato.net/?page_id=6589

  • Excel力試し問題

https://www.yosato.net/?page_id=4453

  • Word力試し問題

https://www.yosato.net/?page_id=4551

検索してみるといろいろ出てくるでしょう。

市販の模擬試験問題集はかなり優秀です。ご自身の受験するバージョンで受験する科目のものを用意してください。

市販の問題集がかなり優秀で、繰り返し回答して模擬試験の点数が90%になったら申し込みましょう、という基準もありますが、何度も繰り返えせば問題を暗記してしまい、解答方法もわかってしまうので、丸暗記での合格基準に届くということが可能になっています。この方法で問題に慣れるということはできます。

しかし、この方法では、前にお話ししたように、実際に仕事で課題があったときに対処できる応用力が身に付きません。

繰り返しになりますが、わからないことでも探る方法さえわかっていれば、始めて操作することでも操作できるのですから、パソコン操作に丸暗記は、あまり意味がないと考えています。

このような問題集の回答時間を早めて正解率を上げる練習も、悪いわけではないので、もし市販の模擬問題集で練習するのなら、その練習に合わせてぜひやっていただきたいことが3つあります。

逆にどんなことをすれば不正解になるのかという、正解と不正解の間を見極めてほしいのです。これをひとつひとつの操作で実験することで、試す、というパソコンにとってはなくてはならないスキルを手に入れられます。

実際に試験の問題ファイルがあるのでそれを問題とは考えずに仕事として捉えることも重要です。そのような模擬問題は実際の仕事でよく使われている文書をベースに作られているはずだからです。これは実際の試験の時に余裕があれば試験の本番で出題されるファイルでもそういう目で見ていただきたいです。これによって仕事での応用もできるようになります。

最後に、出題された操作の近くにある機能も、合わせて覚えてほしいのです。貼り付けの方法などはいくつも方法があります。その違いについてどんな違いなのかをしっかりと区別できるようにしてください。そのような周辺知識は出題範囲に明記されていなくても含まれていることが多いです。

試験対策としては、私も通信講座でMOS講座を担当していますので、よかったらご受講してみてください。

資格のキャリカレ|MOS Word & Excel W合格指導講座

https://www.c-c-j.com/course/status/mos/

第7部        MOS試験の受験の前に

試験の合格のためにはできるだけのことはやっておいたほうが良いです。

実際に試験を受験する前日までやっておくことは、試験当日に会場でスムーズに受験できるようにしておくことです。

準備をしていないと、データの登録などのパソコン操作が必要になり、試験をする前から疲れてしまうかもしれません。ほとんどの人が準備を終わらせてきているので、自分一人だけパソコン操作があると、周りの人を待たせてしまうために、よけいなプレッシャーがかかるということもあります。

具体的にすることは、自身の受験者情報を登録することです。

受験者情報は、Certiport社のサイトで登録します。

  • Certiport|受験者登録

https://www.certiport.com/portal/pages/registration.aspx?defaultlang=JPN&langgroup=2&country=109&dist=y&flash=false&Register=1

ここで登録した情報は、2回目の受験や、他のMOSの科目の受験すべてで使うことができます。

登録したら、Certiport社のサイトに、登録した受験者IDとパスワードでログインできるか確かめ、試験会場にその受験者IDとパスワードを記録したものを持参するか、暗記していきます。

試験前に必ず入力するものですので間違いなく入力できるようにしておきます。

もし入力内容を誤って覚えていると、その場で登録しなおしになるので、気を付けましょう。

第8部        合格証

MOSの試験を受験し終わるとすぐに結果を通知する用紙が渡されるか閲覧できる状態になります。

この紙は合格証ではありません。この紙は点数と間違った箇所をチェックすることができる採点表です。企業に提出しても正式な合格証ではないので、証明にはなりません。

合格証は、Certiport社のサイトにログインし、その中でダウンロードできるPDFファイルで、Microsoft社のCEOのサインがある横向きのものです。これを印刷し、提出先に提出します。


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