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お金をかけずに期待感をあげていく方法

こんにちは、よさそう®です。

最近、近所にラーメン屋さんが開店しました。開店から少し経ったいまも毎日行列ができて繁盛しています。

このラーメン屋さん、けっして立地がよいわけではありません。正面側は人通りが多いとはいえず、歩道も整備されていません。車の通りはあるものの、いわゆる抜け道なのでビュンビュンと通り過ぎていきます。そして駐車場もありません。
裏側は川沿いの散歩道です。だから人通りは正面よりも多いです。でも、裏側だからお店のキッチンだったり物置だったりしています。

だけど、連日行列ができています。

かくいう私も散歩道を歩いたりジョギングしたりしています。そして思い返すと、気がついたらこのラーメン屋さんの存在を認識していて、気になっていたのです。

なぜだろう?と思い、記憶を紐解いていて気づきました。

その仕掛けは「看板が生まれるまで」にありました。

ステップ1:真っ白な看板を掲げる

散歩道側に並ぶ建物は、普通の住居が多いです。なので住宅街を歩いているような状況です。
そこにある日、ちょうど大人の目線の少し上くらいの高さに真っ白な看板が現れました。
まだ文字は書かれていないか、書いていたけどめくっていない状態です。

この仕掛け、秀逸だと思いました。
なぜなら、住宅街に大きな長方形の真っ白い物体って、存在が際立ちます。つまり歩いている人が「?」と思うきっかけを作れます。
さらに看板=なにかお店ができる、という期待感を生み出せます。
そして、それを家族や知人に話すことでしょう。
それを聞いた家族や知人は、そこを歩くと「ああ、あの人から聞いたお店だ」」とさらに認知が増幅していきます。

まず気になる存在になること、これが1つ目の段階でした。

ステップ2:何屋さんかわかる文字の一部を見せる

それから少しして、「何屋さんになるんだろうなあ」と気になりながら散歩していたら、ある日看板の一部が明らかになりました。
その文字が「ラーメン」でした。

これで、お店がラーメン屋さんだと判明します。
ただそれだけではない仕掛けが施されていて、「ラーメン」の手前にある数個の文字がまだ見えていないのです。

これも気になるポイントづくりですよね。
ラーメン屋さんだとわかったけど、「何ラーメン」かわからない。豚骨なのか、味噌なのか、はたまたつけめんなのか。

こうした再び気になりポイントが作り出されました。

ステップ3:少し時間をおいてから、すべての文字を見せる

それから1週間経つか経たないくらいで、全容があきらかになりました。
このときの私の気持ちは「ああ、このお店はこういうラーメン屋さんなんだ」とすべてが明らかにされて、とてもスッキリしました。

すっきりした結果、「これだけ気になったのだから、ちょっと食べに行ってみたい」と思うのでした。

これ、まんまとしてやられたなあと思うとともに、行動経済学を駆使した高度なマーケティングだと感心するのでした。

大事なことは接触と心に留める時間づくり

人間は出会ってから2週間以内の接触回数が多いほど、対象に親近感が湧くといわれています。
そして、行動経済学でもいわれているサンクコストの考え方から、自分が費やしたリソースを取り戻そうとします。リソースはお金だけでなく時間や行動も含まれます。

この看板は、数週間のうちに見せ方を変えていき、近所の人の気になり度合いをあげ、通るたびに接触し、変化を確認するために「観る」時間を消費させていました。
そして全容があきらかになるころには、「なんだろう?」と思う時間に費やした累積時間から、「1回は行ってみたい」と思ってもらうことにこぎつけられたのだと思います。

さらに、連日満員が続くということは、味もしっかりしたラーメン屋さんなんだと思います。私も行きたいのですが、大繁盛されていてまだ食べてません。。。

よくプロダクトさえよければものは売れる、というお考えの方がいらっしゃいます。だけど買ってほしい人にどの情報やよさが届かなければ売れません。
このラーメン屋さんも立地がよくないので、どんなに美味しくても知ってもらわなければお客さんは来てもらえないと思います。
とはいえ、集客にお金も時間もかけられない。ならば「自分たち以外に働いてもらうなにかを見つけよう」となったのかなと思います。それが「少しずつあきらかになっていく看板」だったのだと思います。

いかがでしたでしょうか?
広告やプロモーションはお金をかけるものと思われているかもしれません。ですがこうした工夫をすることで、お金をかけずに人を集めることができます。
あなたのビジネスでも、お金をかけずに人を集める方法を考えるヒントになれば幸いです。

最後までお読みいただきありがとうございました。
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それでは、また。


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