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私の永遠のヒーローについて

忘れられないヒーローが何人かいる。

その代表格、いよっぴについて語りたい。
彼女は小学校時代のクラスメイトだった。

いよちゃんなのでいよっぴ。
(もっとマシなあだ名はなかったんか?)

小学校1年生のころから同じクラスだったいよっぴはクラスの中心人物で、勉強ができてピアノがうまくて、習字では誰より綺麗な字を書いたし、走るのだってダントツで速かった。もちろん泳ぐのも速くてとにかく超人のような小学生だった。

今思い出しても「漫画か?」と思うほどにいよっぴは出来過ぎスペックだった。

いよっぴ武勇伝は本当にたくさんある。

なかでも鮮明に覚えているのは、水泳記録会で先生が前に出て話す代表者を決め忘れていた時に、急に任命されたいよっぴがその役割をアドリブできっちりこなした姿だ。

人前に出て話したり、緊張すると頭が真っ白になってしまったりする私には絶対できっこないようなことをサラリとこなしてしまう彼女は人生における1番最初にできたヒーローだった。

7歳の私にはいよっぴはまごうことなきスーパーヒーローで、話しかけるのすら緊張してムリ!な相手だった。なんかもはやいつも後ろに光が差してるように見えてたもんな。

そしていよっぴの話が思い出話で登場するたびに友人に「ヨルってマジでいよっぴ信者だよね」と言われるのは少しウケる。

でも、恐れ多くて話しかけられないヒーローだったはずのいよっぴは、小学4年生のときにはクラスで1番仲がよく大好きな友達になった。

転機は小学3年生の時。
私といよっぴには共通の友人Mがいて、その子繋がりで徐々にいよっぴとも遊ぶようになっていった。

いよっぴと遊ぶようになったおかげで私の家で誰にも弾かれずに埃かぶっていたピアノもさぞかし嬉しかったことだろう。

うちの家でピアノが活躍する機会なんて、音楽のピアニカのテストの時にちょろっと触った時といよっぴが来た時くらいだったからな…

いよっぴが家に来たらおしゃべりするのも楽しかったけど、チムチムチェリーやエリーゼのためにを弾いてもらうのが私の楽しみの一つでもあった。

私といよっぴとMはみんな同じクラスだったんだが、MはAと行動を共にしていたのでめっちゃ仲良しではあったけど私たちは同じグループではなかった。

また、訳あってAと私は最高に険悪な間柄だったので絶対に一緒に行動するなんてありえなかった。

いよっぴはAとも良好な関係を築いていたので、私を放っといてMとAと行動しても良かったはずだけど、ありがたいことに私とずっと一緒にいてくれた。

いよっぴ、マジでいい子だな・・・
小学生時点で人間が出来すぎている。

色々あって、小学3、4年の時は学校がいやになったり行きたくなかったりすることもあったけど、いよっぴがいてくれたからなんだかんだ休まず学校に行けたし、楽しく生活することができていたのを覚えている。

また、彼女は私をよく助けてくれた。
私が風邪をひいて声が枯れ男子にからかわれた際も、私の代わりに「だから風邪ひいて声枯れてるんだって!!!!!!!!」と怒ってくれたりした。あの時はうっかり惚れそうだった。

小学校5年生になってクラスが離れ、中学では1度も同じクラスにならず自然と距離ができて疎遠になってしまったが、いよっぴのことは今でも大好きだし尊敬しているし、かっこいいなと思っている。

いよっぴのような存在ができてとても嬉しいし、私にとってそういう存在になってくれたことにもとても感謝している。いよっぴはどこかにわざわざ会いに行かなくても会える距離にいてくれたし、テレビや漫画の中だけの遠い存在じゃなくて私のすぐ近くにいるヒーローだった。

大学時代、電車で一度だけばったり会って少し話した彼女は全然変わってなくて、相変わらず素敵な私のヒーローであり友人だった。

中学時代や高校時代、私はやたらと周りの人間に性格や人柄を褒めてもらったんだが、それはいよっぴと一緒に過ごした数年間が絶対に関係していると思う。

「考え方が好き」
「いつもポジティブだよね」
「ヨルの性格、いいよね」

そう言ってもらえたのはいよっぴのおかげだと思うんだ。

あと今の私に偏見があまりなかったり、人の悪口をあまり言わないのも多分彼女の影響がでかい。

いよっぴがその類の話をしているところを一度も見たことがなかったし、あの頃の私はとにかくいよっぴの友達として恥ずかしい行為はしないようにしようと固く心に誓っていた気がする。小学生って素直で健気だね…

全く別の道に進み、今彼女が何をしているのか全くわからんし大人になって思い出すことも少なくなってしまった。

でも、ふとした時に思い出すと「あの頃の私、ほんとうにいよっぴが大好きだったし、今も変わらず大好きな友人だな」と心から思う。

いよっぴ、私と友達になってくれてありがとう。
いつかまたどこかで会えたら、またピアノをひいてくれ。

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