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花の牢獄

さ、あの向こうが君のこれからの場所だよ

誰かがそう言って手を引き私をここに連れてきた
春なのか秋なのか柔らかい緑の芝生が溢れ所狭しと花が咲き乱れている

全て私の足元ぐらいの高さ
色とりどりに輝き光を浴びて微笑んでいる

呆気に取られていると

どうした?綺麗だろ?君は好きにしていいよ
ただし、花を踏んづけたらだめだよ
さ、行ってらっしゃい

あ、待って!
その人は私をこのお花畑に残して去っていった

慌てて追いかけようとしたけど足がもつれて転んだ
いた!
手のひらが擦れて汚れ、膝を擦りむいた

起き上がろうとしたけど足に何かが絡まっているし、手首も何かに縛られてて起き上がれない

あれ?身体も蔓かロープのようなもので縛られてている
いつの間にか右手拳の中何かを掴んでいる
それは、踏まれて潰れた花?
私、さっき花を踏んづけてしまった?
サワサワと微風の音だったのがザワザワ不気味な音を立てていた

首を起こして辺りを見回すと、花が全て影の手?
汚れた手になっていた

顔こそはなくても私を責めているのは分かった
成り立っている和を乱した罪
許してなんて言えないし言ってはいけない圧を感じた

その手の一つ一つの攻撃で罪が償えるなら私はそれに任せる
いや、楽なんだきっと

全ての攻撃が終わるまでその手の怒りが静まるまで意識を失わないようにしよう

ごめんね、ごめんなさい

私は罪を償うためにここに連れてこられた
思い出した
ここに来る前にしてきたこと
今までの罪とこれから来る気が遠くなる程長い時間の苦しみと悲しみ
例え気を失っても目覚めた時も苦しめられる
この花の種になることも肥やしになることもない

それでも私は逃げない
私はもう望まない

私はこのお花畑の一部になった
私の場所

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