お別れをした年の夏の終頃
ひとめぼれをして買った亜麻色のブラウスは
花弁を思わせる丸衿に翳りを落とすレース
上質なlinière 着ては丁寧に洗う毎
意識から逃れて憂いでは湿り気を帯びますます良い着心地となった
それから幾度か季節も移ろって
わたしの強ばった鎖骨その劣等感もろもろを隠すように
うまくやわく わたしに沿いとげ続けた

だのに跳ねたソースの染みを作ったのは
重ねた失敗 疲れた夜のせいだった
鉛のような身体を引き摺って虚ろな眼で
篭にそのまま投げ入れてベッドに潜り込んだ

諦めたら、そこで汚れた
諦めたら、それで汚れた
諦めたら、それは汚れた
諦めたから、
ただひとつの汚点か、
そうか、汚点か、信じればよかったか、


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