痛みを感じるのが厭だから
搾取されているのは私じゃない
私の形をした歪な容れ物なんだと
億万回は云い聞かせた
剥がされている間中

すると どうだろう

斜め上空から人型を眺めることに成功した
暗闇では反射しないはずの
馴染めぬ 糸泉《ライン》 も

小指には心の臓を
薬指には眼球を
本体から僅か6μmの線で絡ませた
そうそう私は傀儡人形よ

「シと名付けた」

惡の限りを尽くそうか
世界との唯一、接点としての
蹂躙した内と外
反転する陰画と陽画

首を横方向へ両断し
円で依って縁で以って
嗚呼、自分を殺したんだな
本体すらも

ふわあぁああ ある種の昂揚症候群
嗚呼、幸せだ
シとは可能性

「シ」

この響きだけが


私・タヒ・詩・どれもが「シ」


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