2020年 ぎゅん!!した漫画のセリフ10選

あんたはいつになったら漫画とかアニメとか卒業するんだろうねと言われ続けて10年近く、いまだに全く卒業する気配がありません。

昨年は特に生活に余裕が出てきたが故に新刊で電子書籍を大人買いする大人になってしまって、ついでにネットオフのサブスクも契約してしまったから古本も大人買いする大人になってしまって、要は金にいとめをつけずに漫画を買いまくる毎日を過ごしています。

そんなこんなで話題の本はだいたい読んできた身として、自信を持って紹介できる10冊を厳選しました。ぎゅんというのはきゅんではありません、胸が締め付けられる、呼吸困難だ、誰か救急車を、あれ、涙が…というタイプの症状です。

念のためBL漫画は隔離していますが、どれも別にエロ本のようなBLではないので(ちょっとはあるけどね)、普段触れない方も皆様ぜひどうぞ。


一般向け漫画でのおすすめ

①マイブロークンマリコ 平庫ワカ

「せめて一緒に死んでくれってなんで言ってくれなかったんだ…!!!」

話題になっていたので読んだ方も多いと思いますが、圧倒的今年の第一位です。勢いがすごい、こんな激情をそのまま漫画にできる人がいたなんて、という衝撃。これがデビュー作だなんて人生何回目だ。一読してもらう以外に感動の伝え方がないので多くは語らんぞ、絶対後悔しないから読んでくれ!!

②ダブル 野田彩子

「友仁さんがあのとき俺に目をくれた 声を手足を心をみんな俺にくれた ここにいる俺はあなたのものだ」

天才の物語はそれだけでわくわくしますが、天才を形づくるもの、天才への執着についてここまで書かれた漫画は他にないと思う。宝田多加良が遠くへ行く物語なのかと思いきや、友人の鴨嶋友仁がどこまでもついていく物語なのかもしれない。WEBで連載している最新話が今なら単行本3巻につながります、とんでもなくアツいので併せて是非。

③自転車屋さんの高橋くん 松虫あられ

「オレはドラえもんバカにするやつと映画まともに観んやつ大っきれえじゃ!」

個人的な趣味として、実家感のある漫画が好きなんですよね。無愛想なんだけど不器用に優しい小学校の男子みたいな高橋君と、また思春期みたいな繊細さを持つパン子の凸凹な組み合わせがむちゃくちゃいいです。人間の相性って自分の中で子供のまま残っている柔らかい部分がどれだけ認めてもらえるかによって決まるような気がします。このセリフとか最高じゃないですか?

④ハイキュー!! 最終巻 古舘春一

「どうしても「動かなきゃ」って思っちゃうんですよね そいつら見てると」

これまでの名台詞が全て本当に名台詞だったんだなとわかる鮮やかな怒涛の伏線回収!最終回なのに最終回を感じさせない、彼らの物語が続いていくんだと最後の1コマまでわくわくさせられる疾走感がすごい。特にここ数巻は、どんなモブキャラも愛してるんだな古館先生は…!という、書き込み量えぐい圧巻のラストです。なんでこのセリフが??というのは、好きなところが多すぎて選べなかったので、単純に推しのセリフとして(北さんと迷いに迷って)月島くんを選んだにすぎません。

⑤ほしとんで 本田

「あなたが心からいいと思ったものを僕が否定したりバカにすることは絶対ないって約束する」

こんな教授が居てくれる幸せたるや。これを学生時代に一人でも言ってくれていたらどれだけ創作活動が豊かになっただろうと、過去の自分を救う救済の言葉でした。自分が作るもの、好きなものを人に見せるのってすごく勇気のいることだから…。いちばんいいと思った句に必ず票を入れなければいけないという俳句だからこその、すべての創作者に送る賛歌のような漫画です。

⑥顔がこの世に向いてない まの瀬

「人に優しくできる人間は人から優しくされてきた人間だけさ」

世界でいちばん簡単な哲学指南書。常に着地は明後日なんだけど、プロセスが哲学。え、世界って何???ってなる。明るければ別に顔なんて関係ないのに、ブスはなぜ卑屈なんだろうと思ったことのある人は、全三巻だしちょろっと読んでみてほしい。


BL漫画でのおすすめ

⑦きのう何食べた? 16、17巻 よしながふみ

「だからこうやって一度でも家族全員であなたと顔を合わせておけばね 賢二に何かあった時 お互い賢二の身内としてお葬式の時だって筧さんもあたしたちと一緒に家族として賢二を見送れるって思ったんですよ」

15年も一緒に暮らしているんだ…!という感動が随所にある。男女で契約を結んで結婚していたって、子供が至って中々うまく行かない過程も多い中で15年も…!最初のきっかけはなんだって、続けていくことが愛情なんだなと思うわけで。セリフとして抜き出すのは難しかったんだけど、17巻のシロさんがカボチャを選んでいるところとか、段々何も気にしなくなってきてるところとか、積み重なった時間を感じてとても好きです。

⑧春風のエトランゼ 4巻 紀伊カンナ

「ニートでもいいじゃん!働けないから休んでるだけ!それでいいじゃん!生きてるだけでじゅ~~ぶんじゃん!!!そんなことよりデートに行かなくちゃ!!!」

BLカテゴリではあるものの、最新4巻は特にエッチなシーンもなくほのぼの家族物語です。映画も公開されたし、3年ぶりに新刊も出たし、アツい一年だったな~!
こんなクズ男に実央は任せておけねえ!という気持ちになるけど、これだけふみくんも実央もめちゃくちゃ家族になれてるのはやっぱり駿の天然力によるものなので全部許します。海辺の~+3巻最後が繋がると、上のちょっと笑えるセリフすら泣けてしまうというマジックが起きます。

⑨東京心中 9巻、10巻 トウテムポール

「オレだけが矢野さんと『仕事』に置いていかれたくないんです!」

9巻ラストから10巻序盤の仕事に疲れちゃった人の書き方がうますぎる。仕事に疲れちゃった人を沢山見ていた一年だったので、みんなに矢野さんみたいな人がいるといいなと思って泣けちゃいました(普段はいやだけど)。BL漫画って登場人物以外ほとんどスポットが当たらないことが多いんだけど、同人始まりとは思えないほど骨太なお話でとても良いです。

⑩スメルズライクグリーンスピリット 永井三郎

「…何も考えてなかった 桃源郷… とにかく「桃源郷」へいきたくって…」

名作だとは知りつつも表紙で毛嫌いしてたんだけど、好きな漫画家さんが紹介していたので読んでみたらまあ本当に名作で…。匂いがする漫画っていいですよね。田舎を知っている人にはこの閉塞感がきっと伝わるはず。昨今セクシャルマイノリティを扱う漫画は多いけど、2013年に描かれたからこその絶望感が良いです。とはいえコミカルで普通に面白いし、こんな妙なバランスの漫画があるか??という感じ。特にエッチなシーンもないし、本当に全人類に読んで欲しい。

11 blanc(追記) 中村明日美子

「いや それはも 俺もめっっっっちゃ好きですし」

これを忘れていたなんてわたしはどうかしている、忘れたままにするくらいなら10選というタイトルなのに11選になってしまう方がマシだと思い追記しました。今年は展覧会もあったし、同級生シリーズも一旦ゴールしたし明日美子イヤーでしたね。とにかくいつも通り流れるような曲線が本当に素敵で、綺麗な音楽を聞いているような気持ちになります。圧倒的ひだまり感というか、発光しているような多幸感でいっぱいになるシリーズですが、今作はいつもよりもちょっと辛いです(エロもありますしかなり性急です)。でも、どうしても二人の旅の軌跡を見届けてほしい、あとがきまで読んでほしい、全人類読んで…。


番外編:惜しくも漏れたが名前だけでも覚えてほしい漫画たち

青のフラッグ
わたしは壁になりたい
来世は他人がいい
リエゾン
サトラレ ~嘘つき達の憂鬱~
かげきしょうじょ!!
スキップとローファー
青野君に触りたいから死にたい
青のオーケストラ
暁のヨナ
先輩はおとこのこ

以上!!今年も漫画家の皆さんがすこやな毎日を過ごしてたくさんの名作を生み出せますよう、全力でサポート(課金)していきます。

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