はる
春、あなたのぬくもりが曖昧になる、すこしの不安と僕の存在も曖昧になった気がして心地がいい、まろやかな風が、匂いが僕たちの棘をまるくする、あたたかいというだけで安心してしまうこと、冬の間だけ末端冷え性なあなたの指先がちゃんと熱をもつ、桜吹雪のなかにみたあなたは神様みたい、春というだけでなにかのスタートラインに立たなければいけない、出逢わなければいけない、新しい僕にならないといけない、この苦しさを花粉症のせいにして、定期券の印字が重なりすぎて僕の心みたい、真新しい制服に身を包んだ学生たちに混じって駅の改札をぬける、今日もはじまる、
作品をまとめて本にしたいです。よろしくお願いします。