見出し画像

8年ぶりのただいま

「24時間では足りない。」

僕はこの言葉の本当の意味を理解し始めているところだ。

昔は24時間で十分だった。むしろ時間という概念に縛られている感覚なんてほぼ皆無に近かった。

そんな時間の感覚を最近は一段と気にするようになった。

「24時間じゃ足りない。できればあと2時間ぐらい増えてほしい。」

こんな風に思うようになったのは、少しばかり大人に近づいたからか。

それとも、それなりにやるべきことが増え、「気がつけばもう夕方やんけ!?」的なセリフが口から出そうなぐらいの日常を送ってるからか。

いや、後者は当てはまらない気がする。とにかくそんな感覚で生きている。時間の流れは速いようで遅い。


「トキメキメモリアル4」というゲームを最近プレイし始めた。

トキメキメモリアル(以下 トキメモ)というゲームを知らない人に分かりやすくいうと、恋愛シミュレーションゲームだ。

高校を舞台にし、主人公であるプレイヤーは女の子達と親密度を高めながらデートに誘ったりどこかへ出かけたりし、最終的には彼女になるまでのプロセスを数ある選択肢の中からプレイヤーは選ばなくてはならない。

トキメモはこれといった操作はなく、基本的には選択肢を選び、画面が進められる。高校を舞台にしているため、体育祭、文化祭、テストなどのイベントがリアルに再現されている。

しかもこのトキメモ4はPSPである。PSPでこのクオリティ...すごい。

なぜトキメモを始めたのか?

理由は簡単。安くなったからです。

そもそも過去に恋愛ゲームを僕はやったことがない。

トキメモ4が当時発売された時、トキメモのファンである僕の友達が猛プッシュしていたことを覚えている。

そのことをつい最近思い出し、アマゾンでトキメモを検索してみると、かなり安くなっていたため、ついに人生初の恋愛ゲームとやらを買う経緯に至ったのだ。

僕はトキメモのパッケージを開け、カセットを取り出しPSPに入れる。

幸いにもPSPはまだ動く。

電源を入れると画面には懐かしい絵が浮かび上がる。

画質が荒い映像。時折聞こえてくる「シャアーーー」というゲームが起動している音。

最後に遊んだのはいつだろうか?

メモリーに入っているゲームのセーブデータ内の日付を見てみると「2013年」と書いてある。

2013年...

軽いカルチャーショックを受けそうになったが、当時の僕は中学1年生だと思う。

懐かしいと思う感情よりもどこか悲しい気持ちになってきた。

大掃除をしていたら棚から落ちてきた写真を見て「あっ、これ..」と少しばかり年老いた気分になる感じに近い気が...

いや、近くない。全然近くない。

なんというか、あの頃の僕に「ただいま」と言ってる気がしたのだ。

できることなら当時の僕に色々と話がしたい。

楽しいことから暗いことまで。僕になら正直に話せる気がする。めちゃくちゃな文法でも語彙力がなくても。

そんな風にして話がしたい。

という夢。

夢オチにしては少し雑すぎる気がするが...

でも気持ちはそんな感じなのだ。そしてトキメモを始める。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?