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【第二の人生】74の章:五感の『味覚』を鍛える時間が来た

*登場人物*

  • 萬里→主婦でお役目持ってます。ん?五感の最後「味覚」キタ?!

  • H氏(おじじ)→リーマン能力者(本物)通常営業


悪坊主の術が解けたことで
一山超えた気はする。

だけど、これからはまた違う意味で
大変になるんだろうな・・・。
安心どころか不安が募る。

また、何かが来た、
女の人のようだ。

香水の香りがする。

萬里は未だ起きている時に視えるという
意識がないので現状を明確に把握しきれない、
寝る時に対応するつもりで気付いても
スルーして待たせることも多くなった。

元々、
気のせいで過ごしてきた萬里にとっては
身体的に大きなダメージが無い限り
スルーは簡単な事だ。

もし急ぎの用なら待ちきれなくて
H氏のところへ行くだろうし〜、
と身体がもつ限りは毎日こんな繰り返しだ。

この日の晩御飯のおかずが
何だったかは忘れたけど、
覚えているのは何を口にしても苦くてマズイ。

子供らもダーリンも何事も無く
『おいしい!』と食べてるけど、
萬里だけは
『こんなもん食べれるか!!!』
くらいのマズさに感じる、
なんじゃこれは!?

あ!もしかしたら五感の最後
『味覚』が来た?!

状況が把握できない時は
お塩を舐めてみる、
『うん、苦い!』
これはただの味覚障害ではなさそうだ。

ごはんがマズくて食べられないって現象は
ダイエットにはちょうどいいかもしれない、
だけど、このままだと萬里はあらゆる方面から
心身共に弱らせられてしまう気もする。

判断つかない時のH氏!

H氏「若めの女性です。
毒物、薬物を飲まされて亡くなったようです。
最後に口にしたものが後味のように
残ってるみたいで、毒を盛った相手に対し
恨み辛みを抱えてきてます。」

萬里「なるほど、
だからごはんがマズいんだ。
毒の味なのかな?
それとも自分が食べられなかったから
萬里にもそうさせてるのかな?」

H氏「ストレートに毒の味です。
普段食しているものに混入されたのかもしれません。
最期を訴えているので、
この状況を踏まえ対応してみてください。」

萬里「はい・・・。」

最近H氏は、なんだか
萬里の扱いが雑になってきた気がする。

H氏の言う
『安心してください!』は、
ある程度対応できるようになった。

萬里に対してH氏自身が少し安心してるから
出る言葉なのではなかろうか?

まぁ、鹿児島の村さんもそんなだったし、
能力者からはだいたい
こんな扱いされるのが萬里のお決まりパターン。

自分なりにやってみて、
どうしてもダメな時は、また頼むとしよう。

もう、
あなたには肉体がない事、
恨みを捨てれば苦しみから解放される事、
帰るべきところへ帰れば
また肉体を得て生まれ変わる事ができる事、
次に生まれ変わった時にはきっと
幸せになれるということ、
今抱えるマイナスをプラスに変えて
前へ進むよう促した。

『光が見える!』

毒殺され、
この世を彷徨っていた女性は天に還った。

相手の反応はいまいち分からない、
萬里が一方的に話しかけてる感じだけど
最後の光だけは温かくて眩さを感じた。

今ある事を認め、
受け入れて省みる事が
自分を綺麗にするという事も
分かったような気がした。

しかし、
ホントに今ので帰ったんだろうか?
いまいち自信がない。

女性が居なくなったかどうかは
食べてみれば分かる!

『うん、おいしい!』

こうやって食べられる事の幸せを
噛みしめる事ができる。

『生きてるだけで丸儲け』
この言葉が好き。

ごはんはいつも
楽しく美味しく食べたい!
だけど、
この最後の感覚
『味覚』で感じ取る作業は、
この調子でしばらく
鍛えぬかれるのだろう。

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