【第二の人生】47の章:はじめての術具『形代』
*登場人物*
萬里→主婦です。お役目受け入れ修行中ですが、今死にかけています、目も開けられない程ツライっす。サクヤさんちのお布団の上で格闘中。
H氏(おじじ)→リーマン能力者(本物)今超絶体調の悪い萬里の対応をしてくれてます。何をどうしているのか謎。
H氏は萬里の身体のあちこちに
指でなぞって文字を
たくさん書いている。
そして、
何かを萬里の身体に当てた。
萬里はもう
目すら開ける事の出来ない状態。
H氏「今何が視えていますか?」
萬里「水面を水の中から見てます、
青い空と橋と木が視えます。」
H氏「年齢や性別は分かりますか?」
萬里「現代の
小学生くらいの男の子です。」
H氏「わかりました。」
一旦萬里から離れ、
また戻ってくる。
H氏「他に何か視えますか?」
萬里「京都みたいな町並みで
現代ではない空気感、
20~30代くらいの着物の女性
お腹を大事に抱えてる。」
H氏「はい、わかりました。」
また萬里から離れた。
H氏「まだ何か感じ取れますか?」
萬里「なんでしょう、
よくわからないんですが複数の黒い人達
臭いがひどい吐きそうです。」
H氏「それで最後ですね。
もう少し頑張って下さいよ。」
萬里「もう!
早くどうにかして下さい!」
H氏はしばらく考えながら
静かに事を進めている。
H氏「ん~、うまく入らないなぁ。
私じゃダメか~、萬里ちゃん!
心の中で彼らに
話しかけてあげて下さい。」
萬里「え?なんて言えば?」
H氏「安心できる場所に
連れてってあげるので、
この形代(かたしろ)に入りなさいと。」
あ~、もう!
何のことかわからんっ!
と思いつつも、
萬里は心の中で彼らに懇願した。
『お願いだから、形代に入ってください。
安心できる場所へ行って、
また生まれ変わってください!』
なぜか、
つらつら〜っと
たくさんの言葉が出てくる
感情的に
『きついから早く出てけ!』とは
思わずに居れた。
とにかく皆帰るべき場所へ
帰してあげたいと思った。
この世に残るには
それなりの理由があり、
それなりの覚悟を持っている者もいる。
もしかしたら、死んだことに
気づいてないかもしれない。
そこまでの現状を把握する力は
まだ萬里には無く、
とにかくこの状況を打破したい一心。
それでも相手の立場になって、
何か抱える想いを無碍にすることなく
思い遣ることができたと思う。
だから通じたのか?
尋常じゃない身体のだるさから
解放された。
萬里は普段
視えている自覚はない。
だけど、今回はなぜか全てを
把握できていた。
熱のせいで
あの世に近いところにいたのか?
実際視えていたのか?
感じ取っていただけなのか?
また、色々と疑問は湧いて出る。
それに、言われるがままに
言葉にしたけど
『形代(かたしろ)』って何?
(´・ω・`)
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