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【第二の人生】67の章:虎と戯れる

*登場人物*

  • 萬里→主婦ですが、お役目を持っています。自分の本来の相棒を知り、イヤイヤだったお役目に少し安心感が出ました。

  • H氏(おじじ)→リーマン能力者(本物)萬里にお役目を突きつけた張本人。時に嬉しい真実を見つけてくれることがあります。


H氏「はい、1800年前の中国が
萬里ちゃん活動の始まりですが、
現世に生まれるまで
実は間で2回転生してるんです。

その時も、
同じように力はあったのですが
上手く使いこなせず中途半端な状況で
一生を終えてしまいました。
死んでからもずっと護衛なので
その都度、
一緒に転生してきた虎なんですが、
存在に気付く事なく
本来の姿になって共に活動をすることが
これまで出来ていませんでした。
今の萬里ちゃんは3度目の正直です、
在るべき姿で瀧虎が現れ
完璧な護衛がつきました。
そして、萬里ちゃんは
3人分の役目を背負っています、
他にもたくさんやることがあります、
この『瀧虎』と二人三脚で
これからやっていく事になりますね。」

なんかここまで話を聞くと、
護衛が付いた、その分役目は3倍
1つ良い事があると3つ大変な事が課せられる
みたいな・・・。

『最初にそんな話聞いてない・・・。』
とすぐに思ったが、
もう引き返すことが出来ないのは確実。

ならば瀧虎と一緒に
タッグを組んでやっていくしかない!
と意気込んだものの、
なにせ見えない虎・・・。

どう接して
どう扱っていけばいいんだろ・・・。

とにかく瀧虎の存在を意識しつつ
これからの供養対応をやってみよう。

それから、数日経った頃の夜
布団に入ると目の前に虎の顔面が!!!
ち、近い、近すぎる!
全貌が見えない
耳の間の頭しか見えない、
その虎の縞模様が片方だけ不揃いで
鹿の角のようで稲妻のような柄ってのだけ見える。

やはり只者ではない雰囲気。
今までテレビや動物園で見た虎とは
全く別物のような気がした
でも優しさも感じる。

それから数日、
夜お布団に入ると少しづつ
姿を見せてくれるようになってきた。

よく動物園やテレビで観る
ベンガルトラとは種類が違う。
毛の生え方体つき、野性的で
猟犬のように獲物を追えるようになのか?
少しあばらが浮き出ていて俊敏だ。
走るときの毛の色は銀色に輝く。

『はぁ~実際に触りたい・・・。』

リアルに肉眼で見たわけではないし
触れたことも無い
だけど、
萬里は瀧虎が大好きになった。

目を瞑れば
いつでも会えるといいのにな~、
そう考えてばかり
あの頭を見たっきり
映像としては出てこない、
だから本当に傍に居るかどうか
実感が湧かない。

瀧虎が現れてからというもの
布団に入るといつもより静かに
眠れそうな気になるから不思議。

ある晩、ウトウトし始めた時、
自分の呼吸とは違うリズムで
何かが背中に当たる感触に気付いた。

娘は反対側に寝ている、
布団が膨らんだりへこんだりしてる、
そして体温を感じる
死人ならこんな温かさは無い。

あまりにもリアルな感触が忘れられず
次の日H氏に連絡、

H氏「あ~、萬里ちゃん、
いつも瀧虎の腹枕で寝てますもんね~。
哺乳類特有の呼吸をリアルに感じたんですよ。」

萬里「まじですか?!嬉しい~!!
虎のお腹で寝てるなんて嬉しすぎる!!!
見えればもっと幸せなのに・・・。」

しかし敏感になってる
『触覚』が無ければ
瀧虎を肌で感じる事はおそらくなかったろうな。

この時だけは、
「敏感な触覚ありがとぉ!」と思った!

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