「プロゲーマー」の仕事は"勝つこと"だが、本当に求められているものは"戦うこと"なのではないか。
こんにちは、よろずです。
普段はこのnoteで文字を書いています。
最近ふと昔の事を考えていました。
僕は何に憧れて、そして、何故そんなにも憧れを持っていたのかを考えていました。
小さい頃は漫画家、中学生でプロゲーマー、そして色んな憧れを抱いて、高校生になった今僕は、ライターになりたいと考えています。
人によっては、スポーツ選手から医者、そして俳優なんて夢の転移を繰り返してきた人もいるかもしれません。
これらに共通していえることは、「一概に将来の夢と言っても、共通点が全くないものに憧れることがある」という事です。
スポーツ選手は医療に関わる機会が医者の方よりも少ないと思いますし、医者は仕事でボールを蹴りません。
俳優はそのどちらか演じることはあるかもしれませんが。
そうやって考えていくと、どうも「やっていること」に憧れている事は少ないのかもしれません。
僕、僕らは一体その職業の"何に"憧れを持っていたのでしょうか。
憧れの発光源
それはきっと、「環境」でしょう。
DastelBox【-プロゲーマーの部屋- ゲーマー夢の空間を紹介】
僕がプロゲーマーの方の動画の中で最も好きと言っても過言ではない動画です。
普通、生きていれば楽な仕事が無いことぐらい直ぐに気づきます。
じゃあどこに仕事に対する憧れの優劣が付くのかは、きっと、
「どこで仕事をするのか」
「誰と仕事をするのか」
「その仕事が自分にどれほど豊かさをもたらしてくれるのか」
なのだと思います。
2年前に投稿されたプロゲーマーのDastelBox(ダステルボックス)さんによる部屋紹介の動画は、職場とは思えない程のワクワク感に包まれており、再生回数も50万回を超える人気の動画になっています。
それ程までに、
「プロゲーマーという人間がどんな場所で活動して、どんな場所で生活をしていて、そしてどんな生活水準で生きているのか」
というコンテンツに、価値があるのです。
「プロゲーマー」と「esports」という名前が世に広まって来ている今、求められるものは、「ゲームのうまさ」に尽きるのでしょうか。
当然ながら、その道のプロとして活動している訳ですから、腕前、実力、品位等は言わずもがな世に求められます。
しかしながら、どんな仕事をしていようと、どんな素晴らしい功績を讃えられようとも、最も求められるのは、「その人間自身」なのです。
"遠回り"が人の価値を作る
近頃、「Rush Gaming」(ラッシュゲーミング)への熱い思いをぶつけるファンの方々のnoteが流行っています。
Rush Gaming…
https://www.youtube.com/channel/UC3BHJJYYViWQfKKO5vP8PHQ
1つのゲーミングチームに対し、ファンレターの様な形で思いを綴られる様なことはとても珍しい事で、少なくとも僕は見た事がありませんでした。
それ程までにRush Gamingというチーム、選手達はファンの方々に愛されており、色んな人に書くという原動力を与えているのです。
しかしながらRush Gamingの他にも、強いチーム、人気のあるチームは存在しているにも関わらず、何故こんなにもこのチームは周りから「愛される」のでしょうか。
僕は、その答えを
「遠回りのお陰」
と定義したいと思います。
よく、プロゲーマーの人達が自分の専門ではないゲームをしていたり、全く関係ない動画の撮影や活動をしていると、
「そんな事よりも練習しろよ。」
という心無いコメントを貰っている様子をよく見ますが、確かにプロゲーマーの仕事は、自分の専門のゲームを練習し、大会で成績を残す事に尽きますから、言っていることは何も間違っていないと言うのが正直なところです。
Rush Gamingの選手達にも、もしかしたら同じ事が言えるかもしれません。
彼らがプロとして取り組んでいる「Call of Duty」とは関係のないトランプを遊んだり、2時間という長い時間をかけて謎解きに取り組んだりと、一見プロゲーマーとしての務めを果たして居ないかのような活動を、Rush Gamingは「特化」して取り組んでいます。
プロゲーマーという程なのだから、彼らはきっとゲームが大好きだし、時間が許すのであれば使うことが出来る時間全てをゲームに費やしたいでしょう。
でも彼らは、「ゲームをすることがゲームの印象を良くする訳では無い」という事実を真正面から受け止めて理解しているかのように思われます。
だからこそ彼らは自分達の口から自分達を「プロゲーマー」と名乗ることはほぼ無いし、プロゲーマーというネームバリューを使い、自分達を売る事もありません。
WinRed、Luke、Gorou、Vebra、Huntで構成されるRush Gamingは、「彼ら自身」をコンテンツとし戦い、「ゲームで戦う」彼らに価値を作ろうと、トランプをしたり、謎解きをすることによって生まれる「個性」を発信し続けています。
そうすることで、プロゲーマーとして見られる事はほぼ無くなり、誰でもない「個人」としてファンを増やしています。
そんな彼らがゲームで頑張っている姿を見ると、応援したくなる事はとても自然な事だし、例え彼らが10年後、20年後、ゲームの世界を離れた場所に行ってしまったとしても、きっと応援したいと思っているでしょう。
だからこそ、彼らはよりファンの方々に愛されるし、そして、プロゲーマーとして、ゲームだけでなく、ゲームという存在を良しとしない大人達、社会とも戦っているのです。
長々と書き連ねてきましたが、プロゲーマーとは何者か、僕と考えを共有出来ていますでしょうか。
Quintetteというゲームのプロを目指す人を育てるチームの運営として所属させて頂いている僕ですが、やはりどうしても、"ゲームが上手いだけの人"を育てたいとは思わないのです。
ゲームの強さはゲームで戦う者にとってかけがえのない価値だし、1番求めているものである事は僕も良く分かっていますが、肝心な所に戻って言いたいことを言わせていただけるのならば、
"エンターテイメントを見ているもの"として、己の自己欲求よりつまらないものはない。
頑張っている人を応援したいから、その人を見たいのであって、頑張っていない人、何を頑張っているのかわからない人を応援する気持ちには僕はなれません。
ゲームをしたいからゲームをする、そして、その姿を見て欲しいからその様子を生放送として垂れ流す。
勿論それで人気を博している人もいれば、生計を立てられるほどの視聴率を保持している人もいますが、それは万人に通用する話ではありません。
自慰行為ではそこで終わってしまうし、成長も進歩も何もありません。
僕もそうですが、より自分自身の価値を高められればいいなぁと思っています。
それは勉強然り、トランプ然り、謎解き然り、人生を通じて高まっていく事だと思います。
今ある環境でそのまま立ち止まっていても、進展は見られないのではないでしょうか。
プロゲーマーがより、「エンターテイナー」として、そして「人間」として発展していけばいいなぁと、客観視しながら、そう思っています。
皆でトランプしましょう。
さすれば見えてくる事もあるでしょう。
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