見出し画像

【リアル半沢直樹】映画『ダーク・ウォーターズ』は巨大企業と戦う一人の弁護士。

こんにちはロカキヤです。

今回は「ダークウォーターズ」という映画を紹介します。

まずは結論から。
ダーク・ウォーターズ」はリアル版半沢直樹(職業:弁護士)。
半沢直樹といえば、イジワルな上司や嫌がらせをしてくるライバルにやりかえして最終的に半沢直樹の勝利で完結する勧善懲悪のストーリー。
「倍返しだ!」で有名ですね。
なんだかんだあるけど最後に正義は勝つ!
スカッとするストーリーで人気の作品でドラマで有名になりました。

そしてダークウォーターズは巨悪に立ち向かう個人という構図は半沢直樹そのものです。
しかし、この作品は「最後に正義は勝つ!」で終わりません。
スカッとしたいからとエンタメ性を期待して見る作品ではありません。
リアル路線で水汚染で問題になっているPFASについてどのような経緯で発覚して現状どうなっているのかを知るための作品として非常にわかりやすく描かれています。
しかも登場人物と会社は全て実名です。
このことから社会性の高さがわかる映画でした。
単純に映画として見ても面白かったです。

どんな人におすすめ?


・PFAS(有機フッ素化合物)について簡単に知りたい人。
・ドキュメンタリー作品として楽しみたい人
・巨悪と奮闘する個人を見て勇気をもらいたい人

どんな話なの?(あらすじ)


舞台は1996年アメリカウエストバージニア州。
農場主のアール・テナントの訴えで弁護士のロバート・ビロットが大企業との法廷バトルを繰り広げる物語。

ある日テナントの飼っている雌牛がみるみる痩せ細り、雌牛の仔牛も生後数日で死んでしまいます。
テナントは独自に原因を究明しようと調査をすると、どうも飲み水が怪しいと考える。
雌牛に与えていた川の水に工業排水が垂れ流されていることを発見。
証拠となる映像や写真を用意してビロット弁護士に相談するところから始まります

このとき、川に排水されていたのが「PFAS(ピーファス)」という化学物質。
この物質を巡って大企業とビロット弁護士の闘いが法廷の内と外で繰り広げられます。

そもそもPFASって何?

この先の文章を軽く読んでわけわからん!という人は、
「PFASって便利なものだけど、体に入ると長く居座ってガンの原因にもなる化学物質なんだってね。ヤバいね。」
でOK。レビューまでさーっと行っちゃってください!

有機フッ素化合物(PFAS)は、フッ素原子が炭素鎖に結合した化学物質の総称です。

ほとんどが人工的につくられたもので、4300種類以上(!?)あるんです。

その中でも最近話題になっているのは下記2物質。

  • PFOS(パーフルオロオクタンスルホン酸)

  • PFOA(パーフルオロオクタン酸)

どちらの物質も現在は、製造・輸入・使用が禁止されています。

例えば、下記のような製品に使われていました。

  • 食品パッケージ・・・耐油、防水加工されたパッケージ製品

  • 水成膜泡消火剤・・・空港、屋内駐車場、給油所の消化用薬剤

  • フッ素加工された製品・・・鍋やフライパン等

もっと詳しいのはこちら↓
>>【リスクあり?】厳しくなったPFAS(有機フッ素化合物)規制値。除去できるおすすめの浄水器を徹底解説。

PFASのリスクとは

PFASは自然界ではほとんど分解されず、環境や生物に長期間残存するため、「永遠の化学物質」とも呼ばれます。

PFASは飲料水や農作物の摂取で我々の身体に入り込みます。

PFASの中でもPFOA、PFOSで発がん性の可能性があることがわかっています。

>>PFOA(パーフルオロオクタン酸)及びPFOS(パーフルオロオクタンスルホン酸)に対する国際がん研究機関(IARC)の評価結果に関するQ&A


映画の感想


ビロット(主人公)は企業側の環境関連の弁護で食べている。
どちらかというと企業側の人間。
でも、テナント(農場主)との出会いで立場を顧みず大企業に立ち向かっていく姿は胸にくるものがありました。
最初はテナントのことを邪険に思っていたが真実を知る毎に使命感に駆られて行動する姿に感動。
他に仕事もあるし自分の立場が悪くなる案件なのに信念を貫き通して活動することは中々出来ることじゃありません。

2023年3月にはアメリカでPFAS規制が厳しくなる記事が出ています。
これを受けて日本でも様々な地域でPFASが検出されて少しづつ問題が明るみになっている。
日本も対岸の火事ではなく実際にPFAS問題は関係があります。
私達の飲み水、作物や家畜からの間接的な摂取も気をつけなければいけません。
飲み水はPFAS除去可能な浄水器を利用して自己防衛出来るので大切な人も守るために導入をしてもいいのではないかと考えます。
>>【リスクあり?】厳しくなったPFAS(有機フッ素化合物)規制値。除去できるおすすめの浄水器を徹底解説。

もっと詳しく知りたい人は原作本「毒の水」

映画を見て、今回の問題をもっと詳しく知りたいと思った方に朗報です。
映画「ダーク・ウォーターズ」の原作本があります。
「毒の水」という本が2023年4月に出ています。

僕も読みましたが非常にう読み応えのある内容でした。
映画では時間の問題で省略されている細かな部分も詳細に描かれているので興味を持った方にはおすすめです。

基本的なことを知りたい人はこちらの本がおすすめ↓



この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?