👜突然バックパッカーになったハナシ02👜

私はその頃も非常に嫉妬深くて、東南アジアにはどんな誘惑があるのか、調べてみた。
正しくは調べれば調べるほど、男にとっちゃ誘惑しかない国だった。
東南アジアの風俗事情。コヨーテ、フリーランサー、ゴーゴー嬢。日本人で東南アジアにドップリハマってしまった男たちのブログを読み漁った。
おいおい、こうはしてられないじゃないか。
早く出発せねば。
このあたりはただの純情な恋愛からくる感情だが、間違いなくこの時点でY田よりも東南アジアの風俗事情、待ち合わせ場所、相場に詳しくなってしまった。
私は気になるとまるでその世界の人間かのように知識を詰め込む性質がある。
そして、その妖しげなバンコクの夜の世界を私も体験してみたいとすら思った(男として)。
なぜか?バンコクの女性は手足が長くて美人が多い。いや、そんな事はどうでもいい。
そんな事を考えながら、日本ではすっかり寒くなってきた。インスタントのしるこの蓋を開けポットの熱湯を注ぐと懐かしい匂いがした。
飼っていた猫のNicoは気持ち良さそうにベッドで寝ている。
普段通りの風景と、これから始まる未知の大冒険がちぐはぐでフワフワした気持ちで過ごす日々だった。

そんな悶々とした日々を乗り越え、徐々に出発の日は迫ってきた。当時は国外通話が今ほど容易くない時代だったので、Y田からはたまにメールが届く程度だった。Y田はきっとenjoyしているのだ。
絶対にそれ以上楽しく大冒険してやる、と心に決めた、晩飯がしるこの夜だった。

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