学力は何で決まるのか

学力について行動遺伝学や脳科学の研究者の本や論文を読んでみたが、何が関係して学力が高くなるのかは結論は出ていないように思える。
頭の良さに関する研究は昔から議論されており、
遺伝子なのか環境なのかという論争が100年前から続いている。
勉強量は十分条件ではない。というのも、短時間の勉強量で東大や医学部に受かったり、長時間かけて浪人を何年も重ねても合格には程遠い人がいるから。
自分としては結論が出ていないこの議論に対しては、こう解釈できないかと仮説を立てた。
遺伝と環境が相互作用して学力が決まる。
そもそも全ての生命体は遺伝情報の塊でそれに従って生きている。
高校生レベルの遺伝の勉強をすれば大腸菌の例でもわかる通り、遺伝子の発現には環境が必要であることはよくわかると思う。
多くの論文や研究者は遺伝の割合が多いと主張するが、その理論には統計的な欠陥があることなどを示唆している研究者もいる。
また、環境が脳神経に影響を与えることも報告されているし、生まれた時点での環境が大事であるという主張もある。
ここからは自論であり、研究段階であるこの議論を終わらせるためのものではなくあくまで現時点での現象や統計を基にこうなっているのではないかと推論した。
それが、人は生まれた時点である程度の学力のベースラインが形成されており、最大出力もこの時点でほぼ決まっている。そして、生まれて育った取り巻く全ての環境下でその遺伝子をうまく発現できるかどうかが決まる。すなわち、遺伝的に定まった最大の学力を発揮できるかは環境で決まっているというものである。
ただしここでいう環境の良さというのは自分の遺伝子の発現をうまく引き出せるかという意味でのものであり、一般的にいう家がお金持ちなどの環境の良さではない。
実際、全く勉強せずにテストで点数をとるのはどんな人間でも不可能だが、勉強しなければならない時間が少ないものもいれば長いものもいる。学力を伸ばそうと思ってもどこまで伸びるかは先天的に最大限伸ばせる部分が決まっているとして、遺伝子と環境に恵まれた人間がよりハイレベルな大学などに行けるのではないか。ちなみに単純な統計ではあるが高学歴の親を持つ子はもちろんそうでない子に比べて学力は高い。これは傾向があると思って絶対的にそうではないからあまり気にしなくてもいい。しかし、高学歴の親はやはりそれなりになっただけあって勉強が得意になる方法を知っているのでそれを子に伝授しやすいので当然の結果言えばそうだが、子供の素質や性格面がかかっているのも事実。親の学歴が高くても必ずしも子供も高学歴になるとは限らないからだ。
勉強のやり方
勉強のやり方に関する情報はかなり多くある。だが、実際に合格した人一人一人の勉強のやり方はやはり違う。英単語を暗記しろという人もいれば、それはほどほどにして長文をやれという人もいるし、暗記ノートは意味ないという人もいれば、東大理3合格者で暗記ノートを作ってる人もいる。繰り返し教科書を読んでも意味ないという人もいれば、ひたすら繰り返すことが大事だと主張する人もいて、勉強方法はやはりまちまちだった。従って、必ず合格する方法はないし、成績を上げる勉強方法の完全なものは今のところないと言える。自分に合ったものを独自に見つけるしかない。
まとめ
あくまで個人的な意見であり、今後の研究論文を期待するばかりだが、今のところの結論としてはやはり
遺伝と環境の相互作用で学力は決まる
というものであると思う。
今まで進学校ではない高校で3学年まで学年の下から数えたほうが早かった人が一浪して勉強方法を改善して東大に受かる例もあれば、極めて高い進学校で二浪しても東大に受からない、何浪しても医学部に受からない人はいる。
つまり、その人の勉強の素質があるかないかで決まっているとしか言いようがない。
前者の具体例では明らかに発想力の差が勉強方法を改善させたと思う。これも遺伝の影響や環境の影響で閃いたと考えた方が妥当だ。発想力や知恵には明確な差があるのだ。
ある医師の本にトンビがタカを生むはあり得ない。遺伝子には振れ幅があってその範囲の中に収まるという話もあった。この話を鵜呑みにするわけではないが、個人レベルの遺伝的な学力の最大値は決まっていて、それを環境でどこまで引き出せるかが重要なのだと思う。
ポケモンをやっている人は理解しやすいかもしれない。
学力は性格や習慣が影響する割合も大きいと思う。この2つの因子も遺伝と環境の相互作用で決まると思う。
中野信子先生は努力不要で努力は自分の手の届く範囲を知るために行うとおっしゃっていた。
努力して人と比べるよりも以前の自分と比べて成長したかをよく重視するべきに思う。
自分にできたから他の人もできるわけではないし、他の人ができてるから自分もできるというわけではない。

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