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「クラスづくり」の先にある目的地とは?

「職業は教師。仕事は人づくり。」

高校時代の恩師である、先生の言葉。

これまでに2冊の本を出されている先生で、その一冊目、『凡事徹底』の中で紹介されていました。2017年、私が教師になった年に出版され、すぐに予約して買ったのを覚えています。

読んだ当初はあまりピンと来ていなかった言葉ですが、いま改めて読むと気付かされることが多くあります。
今年の探究テーマとして「クラスづくり」「職員室づくり」「体育」を掲げている私ですが、結局行き着くところはこの「人づくり」。

今日の記事では、その「人づくり」について考えていること。具体的には教師としてのビジョンや育てたい子ども像についてお伝えできればと思います。


1.サバイブする日々

教師として6年目となり、(異動を経験したとはいえ)さすがに学校での1年間の生活にも慣れてきました。

ただ、振り返ると初任、2年目の頃は毎日生き延びることで精一杯だったように思います。「明日の授業をどうしようか…」そんなことを毎日考えながら、準備に追われる日々でした。

2年目の夏あたりから、そんな現状に漠然とした不安を抱え、いろんなセミナーに参加するようになり、知識や人とのネットワークがどんどん増えていくことに楽しさを感じていた気がします。

ただ、目の前の現状がすぐに変わるはずもなく、なんだか学んだような気にはなるけれど、本当に子どもたちに還元できているのか、そんな思いを抱くようにもなりました。

2.伴走者(コーチ)との出会い

そんな日々を変えてくれたのは、伴走者との出会いでした。この教師の「伴走」支援については、過去の記事でもまとめていますが、いわゆるコーチングのようなものと考えていただいて大丈夫です。

初回から「人生のビジョン、ミッションとは?」という問いを投げられ、非常に困ったのを覚えています…笑
そんなこと、考えたことないよ。と心の中で強く思っていましたが、問いかけを少しずつ変えながら、自分の考えていることを引き出してくださいました。

かれこれ2年近く、この伴走支援を続けてもらっているのですが、定期的な振り返りやビジョンの見直しをしながらここまで進んできています。
ちょうど次回までの宿題として「教師としてのビジョンの見直し」と「4月の子どもの姿を受けての1年後のゴールイメージ」を考えているところです。

3.教師としてのビジョンとは

これを考える上で、そもそもビジョンとは何か?ということが頭に浮かびます。
検索すると、ビジョン=目指す理想の姿 などと書いてあります。そして、一緒に「ミッション」や「バリュー」といった言葉も出てきます。

私はミッション・バリューと聞いた時に、すぐに頭に浮かんだのが、大学時代にバイトをしていたスターバックスです。
研修の頃から、Our Mission and Valuesと呼ばれる、スターバックスの理念が教え込まれました。

人事考課で唐突に、このOur Mission and Valuesを言えるか確認されたり、目標設定があったり。なので、人事考課はあまり好きな時間ではありませんでしたが…
今考えると、アルバイトでもしっかりと理念に沿って仕事ができることを求められていたんだなと感じます。

改めて、個人のビジョンやミッションについて考えてみると、自分が教師という職業を通して、どんなことを大切にしたいのか、少しずつ浮かび上がってくる感覚がありました。
下のものは、現在見直し中の教師としてのビジョンです。

未来を担う子どもたちが、
その子にとってより良く発達し続けるための土壌を耕し、デザインする

教師として子どもたちの前に立つと、「何とか目の前の子たちをいい方向に変えなければ」という強い思いに駆られてしまうことが多いのですが、子どもたちの力を信じ、発達・変容を支援していきたいという思いを表しているつもりです。

4.育てたい子ども像を考える

「その子にとってのより良い発達」

”その子にとって”とはいえ、なんでもよしということではなく、一定の指針のようなものが必要となってきます。
自分がどのような子を育てたいのか、その願いを明確にすることで、日々の関わり方が変わり、リフレクションにもつながってきます。

私が子どもたちに育みたい力として、一旦言語化したのはこちら。

豊かな人生を送るために、
必要に応じて他者と関わりながら、自らの学びをつくり出そうとする力

豊かさの形は人それぞれ。そして、きっとこれからの時代では、その形がさらに多様になっていくと思います。
そんな世の中で、自分の豊かさ(幸せ)を自分で手繰り寄せられる人になってほしいという願いです。そして、きっとそれは自分がそうありたいという思いが反映されている気がします。

おわりに

教育基本法の第1条にあるように、教育の目的を一言でいうならば、「人格の形成」。

これから「クラスづくり」を探究する上で、「よいクラス」をゴールに置くのではなく、「人づくりのためのクラスづくり」という視点で進めていくのが必要であると感じています。

今回紹介したビジョンなどを常に見直しながら、子どもたちの前に立ち続けたいです。
皆さまから「ここってどういう意味?」などと突っ込んでいただいたり、「私はこんなビジョンだよ」と教えていただいたりすることで、よりブラッシュアップできるはずなので、コメントをいただけると嬉しいです。

今日も最後までお読みいただき、ありがとうございました。

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