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"叱れない大人" と "叱られない子ども"

体力の二極化

おはようございます、吉岡悠人です。

昨今話題の子どもの「体力の二極化」。
"運動が出来る子ども" と "運動が出来ない子ども" の差が大きくなっている事は、皆さんご存じかと思います。

原因としてよく挙げられているものは、以下の通りです。

原因として、いわゆる三間(スポーツや外遊びの時間・空間・仲間)の減少や習い事で水泳やサッカーなどをする子供とそうでない子供の存在、スクリーンタイム(ゲームやスマホ)の増加などが考えられている。

教育新聞(2022-07-25)【子供の運動への二極化…….】より引用

私もこれらの事が原因だと思います。
しかし、これらの原因だけではないとも考えています。

その他の原因として、私が挙げたいのは
「"叱れない大人" と "叱られない子ども"」です。

いったいどういう事なのか、、
是非、ご一読いただければ幸いです。

イチローさんも警鐘を鳴らす

今回、一緒に読んでいただきたい記事はこちらです。

詳細が知りたい方は、添付のリンクからご覧ください。私からは、大枠の部分だけお話します。

自分達で厳しくするしかない

イチローさんは、以下の様なお話をしています。

今の時代、指導する側が厳しくできなくなって。(中略)
ある時代まではね、遊んでいても勝手に監督・コーチが厳しいから全然できないやつがあるところまでは上がってこられた。やんなきゃしょうがなくなるからね。でも、今は全然できない子は上げてもられないから。上がってこられなくなっちゃう。それ自分でやらなきゃ。

スポニチアネックス(2023/11/6)【イチロー氏「指導する側が厳しくできない」時代の流れ「酷だけど・・・自分たちで厳しくするしか」】より引用

つまり、一昔前までは自堕落さや怠け癖を叱って引っ張ってくれる「厳しい大人(先輩)」の存在がいたから、それなりのレベルまで持ってこれた。しかし、若者は遊びたい年頃なのだから、自分でそうした欲望を厳しく律する事が出来ない若者には酷だという話です。

放置される子ども

近年問題として大きくなっているハラスメントや体罰。
これらを、今の子ども達が受けない事は大変喜ばしい事です。

修行の様な、軍隊の様な厳しい指導はもうあり得ない。
過度な指導は子ども達を苦しめ、最悪の場合は自殺に追い込みます。そんな指導は私も反対です。

しかし、これらが指導者の悪い所の抑制だけでなく、良い所も抑制してしまっているのが酷なのです。

一見、優しさをまとった指導法ですが自分を律する事が出来ない子どもは放置されている事と表裏一体だからなんです。

間違った優しさ

これは部活動だけでなく、社会的な問題にもなっており一般企業でもよくある話です。

上司が部下に指導しようにも、ハラスメントとして告発される。または、指導したら部下の心が折れて仕事を辞める。ただでさえ少子高齢化で人手が足りない状況なのに、これではうかつに踏み込めません。

だから、当たり障りのない優しい指導や教育を行う。
これは「本当の優しさ」なのでしょうか?

自己責任の時代

学校や職場では叱られる事がないから、表面的には「優しく」扱われて快適な日々を送れるかも知れません。しかし、自分で律する事が出来る人との差は大きくなるばかり。
その差に気づいた時には、もう遅い。

そして、そういった人(自分で律する事が出来ない人)は決まってこう言うんです。
「誰も教えてくれなかったからだ」「教えてくれなかった上司(先生・コーチ)が悪い」って。

しかし、どれだけ人のせいにしても結局は自分がちゃんとしてこなかった自分の責任。今はそんな時代です。

二極化になるべくしてなる

こうなってくると、どうなるか、、、
勘の良い人なら気づくはずです。

「自分を律する事が出来る人」「叱られても心が折れない人」指導者や上司はこの様な人に注力します。会社でも、この様な人を採用します。そして、色んな事をたくさん教えます。

反対に、「少し叱ったら心が折れる人」「すぐに逃げ出す人」指導者や上司はこの様な人を敬遠します。
この人のためを思えば、教えてあげた方が良い。言ってあげた方が良いと頭では分かっています。しかし、それで辞められたら困る。だから何も言えない。何も教えられない。

その結果、当然差が広がる。
つまり、二極化になるべくしてなっているんです。

自分を律するしかない

確実に言える事は、「厳しい大人(先輩)」がいなくなった事で子どもが心に傷を負う事も、身体的に痛い思いもする事もなくなりました。これは本当に素晴らしい事です。

しかしその反面、これまで保証されていた「一定のラインまで引き上げる」事が無くなりました。
完全な自己責任の時代です。

「自分を律する事が出来る人」は、正直あまりいません。
しかし、自分を律する事が出来ないと、助けてもらえない。
自己責任として片付けられる。

今の時代、自分を律するしかないんです。

無責任が故の優しさ

皆、優しい大人は大好きですよね。

その優しさの原因はなんだか分かりますか?
責任を取らなくても良いからですよ。

あなたがどうなろうと知った事ではないんです。
なぜなら、自己責任の時代だから。

あなたが成長しないのはあなたの責任であって、今は指導者や先輩の責任ではないんです。
無責任だからこそ、優しくなれるんです。

今の時代、そんな大人(先輩)に出会えるのは奇跡ですね。もし、あなたがそんな大人(先輩)に出会えたのなら、大切にしてみてはいかがでしょうか。

一人二役

イチローさんがおっしゃっていた様に、
今の時代は「快適」であると同時に「酷」です。

これまでは、「プレイヤーの自分」の事だけを考えておけばよくて、「管理、指導する」のは指導者や管理者でした。
しかし今は、自分が両方しなければならない。

まさに、一人二役ですね。

こんな簡単な時代はない

さて、ここからはキングコング西野亮廣のお話を紹介します。詳細はこちらをご覧ください。

今の時代は二極化が進み、完全な自己責任の時代だと十分に理解は出来たかと思います。

社会で生き残っていく上で本当に必要な事を教えてもらえずに、勘違いしたまま使えない大人になるのは可哀想だと思います。

その反面、生き残るのが簡単だと思いませんか?
つまり「優秀で叱ってくれる上司」を選べばいいだけです。

「叱られたら凹む人」ばかりなのだから、叱られる事を受け入れれば自分だけが成長できる。
これまでは、叱られるのが当たり前で突き抜けるのが難しかったけど、今は違う。

量をこなすだけで勝てる時代になってしまったという事です。

SNSで人気なのは、「逃げたらいい」という様な耳馴染みの良い言葉です。こういったものに大量の「いいね」が付く時代。こういったものが人気になればなるほど、「叱られる事を受け入れられる人」「量をこなせる人」が突き抜けられる。

なんて簡単な時代なんだ。

20代は採用しない

私は、西野さんの記事に書かれている事が今でも強く頭に残っています。

先日、僕の友人が会社を1つ立ち上げたのですが、これが面白くて「20代は採用しない」という設計なんです。
「叱られ慣れていない子に叱るコストが無駄」という。
一番若い子で30歳とからしいのですが、そこから30年平気で働けるので、「だったら、叱られ慣れている30歳を雇って、叱られ慣れていない20代に任せるような仕事は外注すればいいじゃん」と言っていました。

CHIMNEY TOWN(2023/11/22)西野亮廣【『叱ってもらえないZ世代』が羨ましい】より引用

こんな時代が来ているのかと、驚愕です。
会社は育児施設ではないですもんね。

今すぐに私も、自分を見直おす必要があると思いました。

社会の現実

さて、続いてもキングコング西野亮廣さんの記事からです。是非、ご覧ください。

西野亮廣さんは正直過ぎるが故に、アンチが多い事はご存知かと思います。正直過ぎるが故に、とても心に響く。その反面、深く傷付く事もある。

そんな西野亮廣さんの厳しいお言葉を紹介します。

「上司に叱られた時に拗ねたら終わりで、ヘソを曲げたら終わりです。あなたがしなければいけないのは、「大至急改善すること」だからです。勘違いしてはいけません。
上司はあなたのパパやママではなく、ビジネスパートナーです。
ビジネスパートナーは、互いに価値を提供し続けることができないと一緒にいることはできません。
日本は老人大国だから20代が『若者』として子供扱いされますが、20代は『成人』であり、ビジネスパートナーでの呼び名は『若者』ではなく『プロ』です。
ここでは、20代であろうと40代であろうと同じリングに立たされ、そしてシンプルに弱いヤツ(へそを曲げて勉強しないヤツ)が荷物をまとめて田舎に帰らされます。
大学を卒業するまで『暗記すること』ごときを勉強と呼んできてしまった生ぬるい人生を大急ぎで後悔した方がいいし、『叱られ耐性』を身につけらない時代に生まれたことを本気で嘆いた方がいい。
『拗ねる人間』や『へそを曲げる人間』はチームに必要なくて、『遅い人間』もチームには必要ありません。
さらにいうと、『価値を生めない人間』もチームに必要ない。
努力したかどうかは、ここでは一切関係ありません。
常にたずねられているのは『結果』です。
そしてセカンドチャンスはありません。これが鬼の棲家の法律で、ここでは毎日たくさんの首が切られています。ここは人間の緩い道徳を持ち込んでいい場所ではありません」

CHIMNEY TOWN(2023/11/4)西野亮廣【「叱られない世代」の若者を叱ってみた結果…】より引用

厳しいけど、これが社会の現実ですよね。

叱られたい若者もいる

西野亮廣さんに送られた若者からのメール。
これが今の時代の「酷さ」を表していると思いました。

「僕らが『叱られない時代』に生まれた不幸にはもう気づいています。その結果、僕らは間違ったことに時間をつかってしまい、その結果、叱られることで基礎の型を身につけた今の30代や40代の方々の背中がどんどん離れていっている気がしてなりません。間違いの指摘すらも『パワハラだ!』と名づけてしまう一部の人間のせいで、結果、ワリを食らっているのは僕らです。少なくとも僕は、間違っていることに対しては、『間違っている』と言って欲しいです。今回の記事が若手社員全員で共有できたことに感謝します」

CHIMNEY TOWN(2023/11/4)西野亮廣【「叱られない世代」の若者を叱ってみた結果…】より引用

まとめ

さて、これまでを踏まえてあなたはどう生きますか?

今のあなたに必要なのは、"優しい大人"ですか?
それとも、"厳しい大人"ですか?

なかなか難しい選択だと思います。

言い忘れていましたが、「感情に身を任せて罵詈雑言を浴びさせる人」と「あなたを想って叱る人」を同じにはしないでくださいね。

迷っているのであれば、こちらの記事を読んでみてから結論を出してみてください。

今回もご一読いただき、ありがとうございました。

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