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てんとう虫、落車

私は、ロードバイクに乗るとき画像のようなヘルメットを着用している。
そこで、わがヨメ・ハン皇帝は、私のことをてんとう虫と呼ばれる。

日曜日は、いい天気だった。
当然、ロードバイクに乗ることにした。

今回は、前から決めていたバランスと細かい操作の練習をすることにした。
具体的には、近くの産業展示館・野球場の駐車場で、白線の上を外れないように走る練習だ。


今日は模様し物があったので、施設から一番遠い、車の少ない駐車場で練習した。

ここは、縦100m、横120m位ある。
この白線の上をゆっくり走る。
大体白線の上という感じではなく、白線から絶対はみ出さないという意気込みで練習する。

なかなかうまくいかない。
ちょっと気を緩めると白線から、はみ出す。
いや、気を緩めなくても、はみ出す。

無理に白線に戻ろうとするとバランスを崩しそうになる。
とにかく、思い通りに自転車を操れない。
実に歯痒い。

正直楽しくない。
やめたくなる。
しかし、トレーニングの基本原理、不得意なこと、嫌なことを避けていては、それは絶対得意なことにも、好きなことにもならない。

やるしかない。
とにかく10周を1セットとして、取り組んだ。
1セット終わると、一服ないしはトイレ休憩。

そうしないと、気力が続かない。

余談だが、ロードバイクに乗っているとトイレの問題があると気づいた。
寒いせいもあると思うが、トイレが近くなる。
問題が2つあって、1つはそんなに都合よくトイレがあちこちにあるわけではないということ。

普通の道路を走っていれば、コンビニとか何かのお店があって、そこでトイレを借りればいい。
しかし、なるだけ車の通らない道を探して走っていると、当然のことながら、これらの施設がない。つまりトイレがない。

もう1つは、トイレが見つかって、いざ用を足そうとすると、体にピッチリ引っ付いているパンツ・ズボンを引き下ろさなければならない。

つまり、ほぼ半ケツ状態になる。
女性のように、個室で用を足すのなら問題ないが、衆人環視の下、半ケツ状態になるのは、多少・・・だ。

1セットやるのに、20〜30分かかった。
3セットほどやったら、飽きてきたので、隣接している公園に出掛けてみた。

家族連れやランニングをしている人とかいる。
自転車で遊んでいる子供もいる。
みんな楽しそうだ。

ああ、こんな穏やかな日曜日の午後、自分は何をやっておるのか、という思いがよぎった。
・・・・・

まあ、自分が選択した道だ、方針転換でもするなら別だが、突き進むしかなかろう。

気を取り直して駐車場に戻ったら、だいぶ日が傾いて来た。
模様し物も終わったのだろう、駐車している車も少なくなっている。

さて、再度白線のトレーニングをやろうかと思ったが、飽きた。そこで、自転車の細かい操作のトレーニングをすることにした。

これは、白線上のトレーニング中に必要性を感じていたものだ。

具体的には、車2台分の白線を基準に8の字スワロームの練習をする。外側の白線の交点を基準にして、交点の内側、外側から回転して中間の白線の交点を通り、反対側の交点の内側、外側を通る軌跡を描くように、自転車を操作する。

車2台分のスペースで、180度回転を2回することになる。

結構難しい。
目標点をオーバーしたり、バランスを崩したりする。
軌跡が安定しない。

白線上の訓練よりイラつく。
もうやめて帰ろう! なんて思ったがムキになってやり続けた。

そうしたら、転倒した(表題をてんとう虫、転倒するとしようかと思ったが、ダジャレぽくってやめた)。
右側に大きくバランスを崩し、足をつく暇もなく右肩あたりからコンクリートの地面に落ちた。

だが、受け身を取った(と思う。)。
自転車のガシャンという音とくるりと回った(はず)頭のヘルメットが地面に当たるガツという音が聞こえた。

受け身でくるりと回転したはずなのに、なぜ?
なんて思ったが、実際ヘルメットがコンクリートに当たっている。

頭を含め、どこも怪我はもちろん、痛みを感じるようなところもない。
いや〜、ヘルメットは大事だわ、と思ったものだ。

それと、同時に、一種の爽快感が湧いてきた。
これ、これ、これだ。
実は、私は転倒する訓練をしたいと前から思ってた。

だってそうだろう。
転倒する(落車する)というのは、自転車の性能、あるいは自転車の操作が、限界を超えたということだ。

この転倒が、どのようなことし、どのような状態になった時に起こるのか、体で体得しておかないと、限界がわからない。

つまりは、自転車を意のままに扱えないということだ。
だから、何度も何度も転倒して、この限界をしっかり体で、それこそ体得する必要があるのだ。

しかし、今回の転倒でヘルメットは必須であることがわかったと同時に、膝のプロテクターより、肘のプロテクターの方が必要ではないかと思った。

理屈の上では、自転車で転ぶ時、体は膝が一番先に地面に着くはずだが、実際は腕・肩が着いた。
足は、空中にあったように思う。(なぜだか、分からない。)

となれば、衝撃を一番受けるのは、腕・頭だ。
だから、膝より肘のプロテクターが要る。

もっともこれは、ロードバイクのように、道路を走る時で、マウンテンバイクのように山の獣道みたいなところを駆け降りる場合は、違うだろう。

転倒して喝が入ったので、スワロームを右回り、左回りと20回ほどやった。

そのうち、ブレーキを細かくかけ続けると案外バランスが取れることに気づいた。よし、これで行け!

とまあ、一応の充実感のもと、暗くなる前に家に帰ることにした。

家に帰ると、桜が夕日に染まり出迎えてくれた。
桜も夕日も見るが、夕日に染まった桜は初めてだ。
桜の色に夕日の色が合わさり、なんともいい感じだ。

ちょっとアングルと変えてみると、また色合いが違う

アップはこんな感じ

桜の向こうに夕陽が沈む

桜の上に金星

暗くなって夜桜






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