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新月

https://apod.nasa.gov/apod/ap220725.html

スペイン、サンマルティーダンプリエスの早朝の地中海。海の色と朝焼けが抽象画のようで、美しい。

ところで、この写真に月が写っているのがわかるだろうか。
かなり大きく写っている。
空の画面の縦5分の1位の大きさだ。

ヒントはここまでにして、そんな大きな月が、なぜ見えにくいかというと、新月だからだ。

知っての通り、我々が月を見ることができるのは、太陽の光が月に反射しているからだ。
だから、一番良く見えるのは、太陽ー地球ー月の位置にあるとき。

つまり、地球に対して、太陽と正反対の位置に月があるときだ。このときは、満月となって、月全体で太陽の光を反射して明るい。

ところが、太陽ー月ー地球の位置関係になると、だんだん見えにくくなる。一直線にこの位置になると、そう、日食になる。

一直線でなくとも、太陽と月が同じ方向ということは、日中月が空にあることになるので、仮に月の幾分かの反射光があっても、太陽の光の明るに負けて、ほとんど見えない。

新月というのは、ほとんど太陽と同じ位置に、月がある時で、夜明けか、日没後、太陽の光がまだ、地上に届かない時に、地平線上に見える。

ただし、反射面は、月のごく一部(だから三日月状になる)だし、大気中の長い距離(地平線上にあるから)を光が通過してくるので、弱くまた、赤くなる。ちょうど夕日が赤いのと同じだ。

というわけで、この写真のように、朝焼けに溶け込んで、見えにくいのだ。

PS  見つけられなかった人のために、ヒント
画面の中央付近の海に浮かんでいるブイの上方、空の真ん中付近に細い三日月の弧として、写っている。



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