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人はなぜ歩けなくなるのか…ひざ痛


ひざ痛が酷くなって、歩けなくなる場合は、体はどうなっているのだろうか。

ひざ痛が起きている時の膝関節の状態はというと、こんな状態になっている。


図1

大腿骨(腰から膝までの骨)と脛骨(膝から足首までの骨)が擦れ合って痛みが生じている。
見るからに痛そうだ。

本来、骨には神経も血管もないので、例え骨が擦れ合っても痛みは生じない。
痛みが生じるのは、骨を包んでいる骨膜が傷つくからです。

骨膜には、神経も血管も通っている。
だから、これが傷つくと痛みが出てくるのです。

ところで、正常な膝が痛まないのは、この大腿骨と脛骨の間に軟骨があって直接接触していないからです。
軟骨に蓋種類あって、一つは、骨の表面にある、関節軟骨(硝子軟骨)、もう一つは骨と骨の間にある半月板という繊維軟骨です。


図2

軟骨は、骨という字があるが、9割近くが水でできています。
いわば水枕みたいなものです。
なおかつ、軟骨には神経も血管もない。

だから、大腿骨と脛骨は、この水枕をクッションにしていて、互いに衝撃が直接伝わらないようになっている。
だから、骨=骨膜は傷つかないので、痛みが生じないのです。

膝にかかる重量は、歩くときは体重の5倍、走るときは8倍の重量がかかるという。体重60Kgの人だと、それぞれ、300kg、400Kgを膝で受け止めることになる。
その衝撃を受けるところが、水9割でできている軟骨で、尚且つそこは神経も血管もないので痛みを感じない。
全くうまくできているものだと思う。

ところが、この軟骨がすり減る。
そうすると、骨と骨が直接接触して、骨膜が傷つく。
この状態を医学用語で微小骨折という。

整形外科でいう、「骨折」とは、骨の硬い殻である骨皮質に連続性がなくなった状態をいう。
つまり、そこで切れたり、割れた状態。
微小骨折は骨の表面だけの不連続性であるため、骨の軸がずれたりしておらず、歩行は可能だが、骨皮質に骨膜があり、ここに知覚神経があるため痛みが生じる。

ではなぜ軟骨がすり減るのだろうか。
それは、使いすぎたからです。

と言っても、軟骨は実は再生する。
使ってすり減っても再生します。

軟骨はすり減る一方で再生しないと書かれていることがあるが、それは間違い。軟骨は、再生するのだそうです。

したがって本来、普通に生活している分には、問題は生じない。しかし、再生する以上にすり減るようなことになると問題にが生じてくる。

では、どのような時に、問題になるのか。
それは、ズバリO脚。
X脚の場合もあるが、9割5分は、O脚だという。

O脚だと、どうなるかというと、図1の通り、膝の内側だけを使うので、この部分の軟骨が集中的に磨耗する。
そこで、軟骨の再生が間に合わなくなり、骨同士が接触して、骨膜が傷つく。そして、痛みが生じてくるという流れになる。

なるほど、ひざの痛みが出てくる原因がわかった。
となれば、対処方法もわかる。

O脚でなくすればいい。
そのためには、膝を内側に入れるようにして歩けばいい。
つまり内股になるように歩けばいいのです。

これは、簡単だ。
試しに、直立して膝を内側や外側に動かすようにしてみればいい。意外と簡単に動くのがわかると思う。

あとは、意識してこれを続ければいい。
そうすれば、膝は痛くならない。

もっともO脚になっているには、それなりの原因がある。
膝を内側に入れるようにするには、膝の内側の筋肉、内転筋を使わなければならない。

この内転筋が弱っていると、ひざを内側に向け続けることができない。
従って、この内転筋を鍛えないと一時的に膝を内側に傾けても長時間この姿勢でいることはできないのです。

だから、内転筋を鍛える必要がある。

なお、この記事は、別記事「これは、おすすめ。 即読もう!」で紹介した本「100年足腰」を元に書いています。



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