尹雄大

物書き。

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最近の記事

魂の暗い夜

 どうして生まれてきたのか?という問いは、生まれて来なかったから芽生えないだろう。そして、この問いは、喜びよりは苦しみの中で花開くことが多い。しかも大輪の禍々しい花を咲かせる。  40歳という不惑の年を迎えてから青春ノイローゼ、アイデン&ティティの旅、要するに何度目かの思春期を迎え、毎朝苦しくて仕方なくて号泣して目覚めるという時期を数年過ごした。魂の暗い夜だ。  生きていても仕方ないという思いが募って、横断歩道で信号待ちしていると不意に号泣とか。情緒が不安定すぎた。希死念

    • 講座「言葉の呪縛とセルフケア」(東京)

       2024年秋の「身体と言葉の関わりを知る」講座は「言葉の呪縛とセルフケア」といった、これまでとはだいぶ違った観点でやっていきます。  自分を罰し、否定し、呪う言葉はもう十分すぎるくらい口にしてきたし、耳にしてきたと思います。  本当にそれが言いたいことなのか。何をどう感じているのか。これまでの講座でも、自分から出てくる言葉との関わりを身体で体得するという内容で行ってきました。  本当に感じていることや思っていることを口にする。そして、相手の言葉を受け取るには、感情や記憶が

      • 痛み

        いつもどこかしら身体のどこかが痛い。そのことに気づいたのは32歳くらいだ。整体に通い始めて過緊張が解け始めると同時に痛みが身体を覆うようになった。 痛みは細かい亀裂を走らせる。無数の線を引く。痛みをなくすことがいいのだと思っていた頃は、身体の動かし方を工夫することで痛みを消そうとした。それは間違っていた。 痛みは身体から滑らかさを奪う。あちらとこちらが繋がらない。その裂け目を覗き込む。ひびの入った感覚をなぞる。そのときあちらとこちらの間に立つことができる。表面の裂け目は、

        • 言葉の呪縛とセルフケア(大阪)

           2024年秋の講座は、大阪から始めます。  今回は「言葉の呪縛とセルフケア」といった、これまでとはだいぶ違った観点でやっていきます。  自分を罰し、否定し、呪う言葉はもう十分すぎるくらい口にしてきたし、耳にしてきたと思います。そうではない言葉との関わりを身体を通してやろうとしたら、セルフケアに行きつきました。  生きていればどうしたって傷つきます。痛いです。強がるのでもなく、無視するのでもなく、まず傷に丁寧に触れてみる。それがいたわりであり、癒すことなのかもしれません。

        魂の暗い夜

          更新

          そしておしゃべりは続く。 第7回目「心を開く|人と人の間を行き来する「心」のこと」

          痛みに思いを馳せる

          イリナ・グリゴレさんとの往復書簡、更新です。 https://daiwa-log.com/magazine/yun_irina/life21

          痛みに思いを馳せる

          生まれて生きて殺す死ぬ

           夢の中で人を刀で突き殺した。相手に対する特別な思い入れはない。憎しみはまるでない。ただそのとき、そこで互いに敵同士として出会ったから殺したまでのこと。  刺して刀から伝わって来たのは、相手の命が果てるときの震えで、それが言いようのない罪責感としてこちらに浸透して来そうになったが、鍔元でそれをとどめた。入り込まれてしまうことは、感傷を意味する。  殺された人の「ここで果ててしまうこと」への無念さが、重さとして私にのしかかり、罪責として感じられてしまうのは、真っ当なのかもしれ

          生まれて生きて殺す死ぬ

          8月12日、身体と言葉の関わりを知る一日(東京)

           緊張を解くのに苦労している人はたくさんいると思います。 そのせいでうまく話せない。うまくコミュニケーションできない人もいるでしょう。(僕もそうでした)  コミュニケーション能力が大事だと言われるだけに、そういう悩みを抱えている人は多いはず。  今回の講座は緊張を一方的に「悪い」と決めつけるのではなく、それとうまくコミュニケーションをとり、活用していく手がかりを見つける内容にしたいと思います。  自分の思いの速度と言葉で言いたいことに寄り添う。そのためには自分とのコミュニケ

          8月12日、身体と言葉の関わりを知る一日(東京)

          「品位ある挫折感と内省的な純粋さ」

          都知事選の結果にショックを受けている人がそれなりにいる。 投票日の二日前くらいにthreadsにこう書いた。 冷笑ではない。 ただ、これまでアンチレイシズム運動等々に関わったりする中で、運動のなりゆきと結果を眺めたりするうちに身についた肌感でそう思った。 というより、マイノリティを生きていれば、形勢を大きく変えることが予め望めない状況で暮らすということなのだ、という断念とだからこその諦めなさが自然と備わっている。 敗れることが当たり前。でも、ファイテイングポーズは取り続

          「品位ある挫折感と内省的な純粋さ」

          米沢で小関勲さんとトークイベントやります

          ヒモトレの小関勲さんと米沢でイベントやります。 【聞くこと、話すことの背景にあるもの】 〜身体のなかにある言葉の通り道〜

          米沢で小関勲さんとトークイベントやります

          インタビューセッション 7月の予定

          インタビューセッションとは、 その人の話を“その人の話”として聞くこと 【2024年7月】 東京:7、10、13、15、19、21、26、27日 希望される方は日時を指定の上、ご連絡ください。 オンラインは随時受け付けています ★申込方法 nonsavoir@gmail.com宛に氏名、希望日時、連絡先を明記の上、お送りください。不明なことがありましたら、その旨も表記ください。

          インタビューセッション 7月の予定

          沖縄では不思議なことがたくさんあった

          沖縄では不思議なことがたくさんあった(韓国語翻訳家・ライター 斎藤真理子) http://cpri.jp/2501/

          沖縄では不思議なことがたくさんあった

          イリナ・グリゴレさんからの手紙

          往復書簡、更新しました。 https://daiwa-log.com/magazine/yun_irina/life18/

          イリナ・グリゴレさんからの手紙

          オンライン講座「身体と言葉の関わりを知る−よき聞き手になるために」

          6月22日講座1 「共感へのこだわりこそがコミュニケーションを阻害する」 <講座の内容> ・共感に注力することは、理解の道のりではない。 ・共感することで相手の話を奪ってはいないか? ・理解に困り「じゃあどうすればいい?」と考え、正解を探すことが落とし穴。 ・なぜ問題を解決しない限り、「自分は何もできない」と思ってしまうのか? 日時:6月22日、7月6日、7月20日、8月3日、8月17日 時間:開場12:45/講座13:00〜14:30(質疑応答含む) 料金:4,000

          オンライン講座「身体と言葉の関わりを知る−よき聞き手になるために」

          そしておしゃべりはつづく

          Session#01 公開しました。 "Session#01 その人の、原風景を見る| 聞くこと、許すこと" https://podcasters.spotify.com/pod/show/sotkasugai https://www.youtube.com/playlist?list=PLNmbwH4PpdrjAdGuvFEf-huV85Mk4cAf- https://music.amazon.co.jp/podcasts/50926593-3880-4778-94

          そしておしゃべりはつづく

          mammo.tvのバックナンバーの一部

          かつてインタビュアーを務めていたmammo.tvについて、今でも時折「読んでました」と言われることがある。編集部とはアーカイブを残す約束だったけれど反故にされてしまい、わずかに読めるものがネット上にあったので、ここに残しておく。 https://web.archive.org/web/20110205204606/http://www.mammo.tv/interview/archives/no281.html hhttps://web.archive.org/web/2

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