尹雄大

物書き。

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最近の記事

今夜雨は冷たい

 流れてくる噂はどれもみんな本当のことかもしれない  おまえはたちの悪い女で  死んでいって良かった奴かもしれない  けれどどんな噂より  けれどおまえのどんなつくり笑いより、私は  笑わずにはいられない淋しさだけは真実だったと思う

    • 悪は存在しない

      昨日、濱口竜介監督の最新作「悪は存在しない」を観た。 冒頭から美しいシーンでそのつながりだけに浸るだけでも十分だったが、ストーリーの展開はそこに安住することを許してくれなかった。 もう一度観ようと思う。何が心に食い込んだのかもう少しわかりたい。 濱口さんと対談したのは、もう7年前だった。 https://nonsavoir.com/pre00/pre07_01_00

      • 自身を励ますことについて

        昨日、東京での「身体で言葉に触れてみるーよき聞き手になるために」が最終回を迎えた。 なぜ話を聴くことが結果として誰かを励ますことになるのか。 「聴」には「ゆるす」の意味がある。互いの声が響く空間を認め合うこと。自分の声が自身のうちに広がることを認めること。そこから始めるしかないのだろう。よき人に、中庸に、フラットになろうとするのではなく、確かに響いているその声、音に耳を傾けることが私やあなたを励ますことになるのではないか。

        • 5月のうた

          ロバ 王様 ぼく 明日はみんな死ぬ ロバは飢えて 王様は退屈で ぼくは恋のため 5月の空の下 ジャック・プレヴェール「5月のうた」

        今夜雨は冷たい

          嫉妬

          嫉妬がそれを抱くに至った己の不甲斐なさと、そのことを直視しない後ろめたさを隠しつつ、自分の正しさを強調する上で格好の資源となることは薄々気づいていたとしても、それを手放せないのは他者を認められない、己に同化させようとする不可能な試みに挑み続けるからだろう。 これを紐解くには、道徳でも倫理でも足りない。行いの中で消していくことしか、つまりは身体懸けた試み以外にないだろう。

          5月11、12日 神代の湯 下諏訪温泉でリトリート  

          「よき聞き手になるために〜身体と言葉の関わりを知る」 日本最古の神社のひとつである諏訪大社。その膝元の下諏訪と言えば、大社の祭神である妃神、八坂刀売神が開湯した温泉のある地としても知られています。  古い歴史と宿場町の名残を残す下諏訪で、温泉に浸って寛ぎつつのリトリートを行います。  今回のテーマは「よき聞き手になるために〜身体と言葉の関わりを知る」です。「正しい聞き方」とか成功例とか、ノウハウは世の中にいっぱいありますが、それはいったん脇に置いて、自分の身体と心で感じたこ

          5月11、12日 神代の湯 下諏訪温泉でリトリート  

          記述と表現

           何か体験したことを言葉にしたとき、「わかった!」という驚きと感動がやって来る。言葉にすることは大事なことではあるけれど、それは「言葉に置き換えることができた=記述することができた」だけで、わかったことが表現できるわけではない。レシピを正しく理解できたとしても、それで料理ができるわけではない。  だけど、今どきは言葉にすることが理解だと思われている。それは情報に置き換えているだけだ。認識は重んじられても把握は等閑にされている。  わかったこと。それが体現できるのか?と問う真

          記述と表現

          星野概念さんと対談します

          精神科医の星野概念さんと3月31日、下北沢の本屋B&Bで対談します。 オンライン配信もありますよ。ぜひお越しください。 それと4月には桜林直子さんともまたトークします。こちらは後日お知らせします。 https://bb240331a.peatix.com/

          星野概念さんと対談します

          今後のトークイベントの予定

          いろんなところに回ります。ぜひお越しください。うちにも来て欲しいという書店さん、ぜひお声掛けください。 3月16日 京都:恵文社一乗寺店 3月27日 名古屋:ON READING 3月31日下北沢 B&B 星野概念さんと対談 4月4日 福岡:とらきつね 4月5日 荻窪:title 4月14日 高松:ルヌガンガ 4月15日 高知:雨風食堂 4月21日 三鷹:UNITÉ 桜林直子さんと対談

          今後のトークイベントの予定

          4月14日、高松「身体で読む、対話する一日」

           4月14日、北浜プラトーで身体と言葉の関わりを体験していく講座「身体で読む、対話する一日」を開催します。午前と午後の2部制です。 1部:10時〜12時 「身体で対話する-私とあなたの声を尊重するためのレッスン」 2部:13時〜15時 「ミヒャエル・エンデ『モモ』から読みとく身体で聞くこと」 日時:4月14日10時(開場は9時30分) 1部:10時〜12時 2部:13時〜15時 会場:北浜プラトー(高松市北浜町4-10) 料金:1部につき6,000円、1部と2部の連続参加

          4月14日、高松「身体で読む、対話する一日」

          4月13日、尾道「クジラ別館」でイベント開催 

           昨年9月に続き、4月13日に尾道のクジラ別館で身体と言葉の関わりについての講座を開催します。前回と違い2部制です。 1部:13時〜15時 「ミヒャエル・エンデ『モモ』から読みとく身体で聞くこと」 2部:15時15分〜17時15分 「身体で対話する2ー 脆さと弱さを尊重するためのレッスン」 日時:4月13日13時(開場は12時30分) 1部:13時〜15時 2部:15時15分〜17時15分 会場:クジラ別館(広島県尾道市東久保町12-11) 料金:1部につき6,000円

          4月13日、尾道「クジラ別館」でイベント開催 

          3月16日、『句点。に気をつけろ』刊行記念トークイベント

          3月16日、京都の恵文社一乗寺店でイベントやりますよ! https://note.com/keibunshabooks/n/nb9fac22ad36f?sub_rt=share_pw

          3月16日、『句点。に気をつけろ』刊行記念トークイベント

          講座「身体で言葉に触れてみるーよき聞き手になるために」(大阪/全5回)

           2024年の講座を開始します。テーマは「身体で言葉に触れてみるーよき聞き手になるために」です。  これまでなら「よき聞き手になるために」といったストレートな表現はしなかったと思いますが、今年はど真ん中に立ってみたいと思います。 【場所/大阪】 百年長屋(大阪市東成区中道3-2-28) 【日時】 基礎編 1回目:4月7日/13時ー15時30分 2回目:4月28日/13時ー15時30分 3回目:5月19日/13時ー15時30分 実践編 4回目:6月1日/10時30分ー12

          講座「身体で言葉に触れてみるーよき聞き手になるために」(大阪/全5回)

          講座「身体で言葉に触れてみるーよき聞き手になるために」(東京/全5回)

           2024年の講座を開始します。テーマは「身体で言葉に触れてみるーよき聞き手になるために」です。  これまでなら「よき聞き手になるために」といったストレートな表現はしなかったと思いますが、今年はど真ん中を踏み渡っていきたいと思います。 【場所/東京】 浅草公会堂 第3集会室 【日時】 基礎編 1回目:3月24日/13時ー15時30分 2回目:4月6日/13時ー15時30分 3回目:4月20日/13時ー15時30分 実践編 4回目:5月4日/13時ー15時 5回目:5月4

          講座「身体で言葉に触れてみるーよき聞き手になるために」(東京/全5回)

          2月21日、『句点。に気をつけろ』発売

          『句点。に気をつけろ』(光文社)が2月21日に発売されます。 予約注文の受付開始しました。 書き言葉のような滑らかな文言を話すことがコミュニケーション能力だと思われている。 そのことで私たちは何を話すことを見失っているんでしょうね。

          2月21日、『句点。に気をつけろ』発売

          お笑いにうんざり

           神戸に住んでいた頃、藤本義一や上岡龍太郎、やしきたかじんといった“大阪帝国主義者”から笑いの効能についてさんざん聞かされた。  いわく笑いは反権力なのだと。  そうした文化と呼べるかどうかもわからない雰囲気を背景に横山ノックが、橋下徹以下略が府知事になった。  そんな高説とは無縁だろうと思っていた松本人志までが『遺書』以降、お笑いについて自己言及するようになり、あまつさえ論めいた論で政治について言及するようになった。だからツィッターなどはしなければよかったのだ。  そ

          お笑いにうんざり