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『Undertow』

どの作品も楽しんで読むことができたエリザベス・オローク(Elizabeth O’Roark)祭りが終わりました。
『Undertow』は著者の処女作です(出版年によると、多分)。
社会階級が違う生まれの幼馴染二人が、幼い頃からの恋心を成就するお話。Undertowの意味は引き波、逆流、底流erc.。主人公の心の内やヒーローとヒロインの関係、登場人物達の思惑、海のそばというロケーションなど、様々な面において当てはまる単語でぴったりだと思いました。
そして、サスペンス要素が上手く使われていて、angsty期間が長くてもしんどくならずに読めました。文章表現も平易で誤字誤植もなくて読みやすかったです。

さて、近頃「2.5次元」と言う言葉を耳にします。
ん?近頃、と思うのは私だけでしょうか…。近頃という時間の範囲が、私の中で年々長くなっているからかしら。
この「2.5次元」が『Undertow』にも出てきて、面白いって思いました。

I really don’t want to bring this up. Even referencing it in terms of “this-is-something-I-don’t-want” feels too premature with someone I’ve only dated for a month. “Like, I think they’re picking out baby clothes for our 2.5 children and all that.”

自分の表現力の乏しさに歯がゆさを感じつつも、日本語にするとこんな感じかと思います。

こんなこと、本当は口にさえしたくなかった。交際たった一ヶ月で、今の状況を「私が望むのはこういう形じゃないの」みたいな気持ちを言うことさえ時期尚早だもの。でも…、
「今に、(お母さん達が) 2.5次元ベビーに服やグッズを選び始めるわ」

さすがコンテンポラリー小説、使用単語も新しい(?)
新しい言葉に出会うと楽しくなります。
ちなみに、この状況はヒロインのモウラがヒーローの従兄、イーサンと途中で付き合う時期があるのですが、その期間に家族親戚の浮かれて先走る言動に不安を覚えたヒロインの発言です。

Kindle Unlimited期間中に著者の全作品を読みきりたかったと思いつつ…、エリザベス・オローク祭りは一旦休憩といたします。が、この著者さんには今後も注目していきます♡

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