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「出産は幸せな瞬間」という思い込み


「女の勘」って、
不確かなのに、だいたい正解。



夫がたぶん絶対
浮気してるとわかっているのに、


家を出る勇気はないし、

産む心の準備も
なかなかできない。



なんの覚悟もできないまま、

満40週きっかりで
息子は泣きながら産まれてきた。


頭が出て早々に
産声をあげたものだから、

病院側の人たちは、

ビックリして
盛り上がっていたけど、


息子は、おなかの中で
何か感じる事があったんだろうか。


産まれたその瞬間、
夫は側で立ち会ってくれた。


私の頭側で、
うちわを仰いだりしながら。



『側にいて欲しい』 

私の中にずっとある寂しさが

出産の日は
ある意味叶ったけれど、


正直に言うと
もう、ストレスでしかなかった。



たぶん、絶対浮気をしてて
私の目を見て話もできない人が

一晩中、側にいる。


「立ち会ってくれるなんて有難い」

そう思い込もうと
頑張っていた事も、

「こどもが生まれる瞬間を見たら
何か変わるかもしれない」

まだ、何か
夫が変わってくれるかもって

期待をしている自分にも、

もういい加減
イライラしてた。


「出産は幸せな瞬間」で、
何かが変わるキッカケになるかもしれない

なんて、

思い込みでしかなかった。



夫は、入院中も毎日来てくれた。

でも二人が、
目を合わす事は無い。


産まれたこども「だけ」を見て、

二人の視線が合う事は
一切無い。



目の前のこどもが可愛くて仕方ない。


…視線が合わないのは、
そうじゃない。




業務的に話をして、
帰っていく。

業務的に話をして、
必要以上に関わらない。



こんな状態が、

退院してからも
3年は続いた。



『家は、いるだけで息が詰まる場所』



母性と息子への愛情は
どんどん増していくのに。


「家族」になれない。

向き合えない。

逃げたい。

本当に、もう嫌い。



離婚したい。

もう嫌だ。

もう寂しい。



それくらい私は夫が好きだった。





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