見出し画像

息子が小学校に行くのを嫌がっていた時。

※毎年振り返って少しずつ書き足した内容も含まれてますが、多くは入学後半年ぐらいの不安定な時期に書いています。



少し重いテーマで、結構長くなってしまいました。不登校予備軍の時の話です。
子供が学校に行く、という当たり前そうに言われるテーマで悩んだ人や、来年以降で入学を予定する人に心の内や体験を共有できればと。


上の子は今年7歳になり4月に入学式を迎えました。
妻は二人目出産で入院していて、男2人で迎えた入学式でしたが、

入学式はコロナで短いセレモニー、親も一緒だし、お祝いムードもあり無事参加できたものの、なんだか居心地悪そうにしてました。

翌日学校初日の下校後、次の朝からが行きたくない、行きたくない、で大変でした。
それから2-3ヶ月程、行き渋る息子とぶつかり、行きたくないと悩む子供と共に悩みました。


(はじめに)現在は登校中

現在、不登校ではなく学校に通えているけれど
また何か別のきっかけでなるかは誰にも分からないこと。
こんなこともある、と心づもりしておけると良かったということがいくつかありましたし、今後の自分のためにも書き残しておきます。

(感情)学校を嫌がる子の、親の辛さ

家では明るく、元気な息子が、朝起きて小学校の時間が近づくとつらそうに泣き、寝る前や土日には、何故学校にいかないといけないのか、辞めたい、人生が辛い、とことあるごとに訴えていた。

幼稚園の友達がことごとく学区が分かれていたのも大きかった。
楽しかった幼稚園、先生も優しかった幼稚園と全然違う環境。
うまく喋れない子供達に囲まれ、今日から小学生だからと色々なことを自分でやるのだと突然言われ、居心地の悪い時間が急に増えたのだろう。

入学式から帰った日、
浮かない様子の息子を見て不安な気持ちを抱えつつ、
不親切で要領を得ない登校に向けた準備のプリントに苛立ちながら一人で用意をした。

入学の準備は親の仕事。
忘れ物があったり、準備した荷物や書類に不備があって、子供が学校で不憫な思いをするのではと心細かった。
幼稚園から一緒のママ・パパ友がいれば「ここわかりづらいよね」「うちもプリント来てないし、多分大丈夫だよ」なんて会話もできるのに、とても孤独だった。

もし、行きたくないと泣く息子に何もせず、このまま学校にいかないとなると、どうなってしまうだろう。

行きたくない子供を学校に連れて行こうとするのは逆効果だ、というような記事も見かけたことがある。学校が全てではないのだ。わかっている。
世界中の誰よりも、自分は息子の味方だ。

でも、一人だけ休んでいれば、その間に起こるいろんな出来事を共有できず、どんどんと同級生の皆と馴染む機会を逃してしまうし、話が合わなくなってしまい、余計孤独を深めるのではないか・・・

などと理由をつけてはいたが、振り返って思うのは

漠然と、"自分の子育てが、普通の流れから外れること"がとても怖かった。自分は親からの忠告も聞かず、さんざん道からはずれてきたはずなのに情けない。メジャーな道から外れることは問題ではない。
"自分のために"、息子が学校にいく日常が欲しかっただけだ。

"息子のために"、息子は学校に日々行けた方がいい、という考えと同時に、息子が普通に学校に行けないと、自分も普通に仕事に行くという日常が過ごせない、という事情を混ぜこぜにしてしまっていた。

また、"自立を促す"と"責務としての保護"の葛藤も整理がつかなかった。
こないだまで幼稚園だった小学生1年生の子だ。
どこまでが、乗り越える壁なのか、本人の為なのか悩んだし、
どこまでを手引きし、どこからは自分でさせてバックアップに回るのか、
幼稚園までは親のエゴでやっていてあげていたことが多かったこともあり、
気持ちとは裏腹に、厳しさで突き放し過ぎてしまうことも怖かった。

要するに、息子のため/自分のため、教育と支援、こうしたものがその時々でごちゃ混ぜになってしまった。
言動も、感情もごちゃっと混ざっていて、何より親側が一杯一杯になっているので、息子のサポートに回るのは難しい話だった。

このように、まったくもってうまくやれた訳でもなく、息子本人の生き方や環境のおかげで現在は普通に登校できている訳で、何の教訓もおすすめもできる訳ではない。

しかし、"学校への強い行き渋り"を通して、
学校にいかない選択肢は"メジャーでないだけでいつでもあり得る話"であり、そんな時に親としてどう子供に向き合ってサポートし、
一緒に生活をつくってくか、そんなことを考えるきっかけになった。
学校に行かない選択、の手前の、"学校を嫌がっている時"の悩みに寄り添えたらと思い、色々と書き残しておく。

"登校しない"選択の情報には恵まれた


実際に登校をしないで生活をする方のブログなどの情報を得ることは
発信者様のお陰で、スムーズに出来、それは非常に心強かった。

登校しないパターンの際にどう受け止めて対処しようかというイメージもしやすかった。

一方で、今まさに行き渋り最中の活動について書かれた情報は割と少なく、不登校という結論を出すのもまだ早いように思えて試行錯誤は苦心した。


親として出来ることは限られているのかもしれないけれど
どんな応援、サポートができるか、
についてはあまり情報が無かったので
来年入学の方などに向けても、参考までに書き記しておきたい。

ここに書いたこと、によって状況が好転する、という話ではないけれど
親として出来ることを探すあなたへ。

(前提1)登校を前提とした考えをそっとはずす

子供は親に保護されている性質上、どうしても馴染みづらいような生活する場に放り込まざるを得ない場合は少なからずある。

自分が海外転勤のある仕事であれば、海外に連れていって言語も通じない子供達の中で生活する可能性だってあるのだ。

学校にいかない未来自体を必要以上に恐れないように、子供が学校にいくこと自体を期待しすぎないようする。

学校に行くのは子供であって、学校に行き勉強を学んだり友人を作ったり社会を知り、そうした経験を使って生きていくのは子供自身だ。
重要なのは、子供が生きていくことであって学校に行くことそのものではない。

学校にいくのを期待する、とは変な言葉だが、
どうにも当時の自分は、学校に行かない子供、の親になるのが辛い、という感覚だったように思う。

みんなが学校に行くのは知っていて、でも学校にいくのがいやで、だけど学校にいかないといけない気はしていて、学校にかないと何が困るのかはわからなくて、という子供に対して更に親の願いや期待を背負わせるのは本意ではない。
学校に行く意義は一定あって、行かないなら何らか補完したり、別の経験で社会での自立に向かった成長はしていかなければいけない、だから、嫌だけど行ってみようというチャレンジを後押ししたり気持ちを持ち堪える支援は出来る限りしてみる。

でも、学校に行かせる、という目的を親が持って子供を扱うのは違う気がする。

とはいえ、親といえども人間の心は弱いものなので、
完全に頭からはずすことは難しいと思うけれど、同じ問題で悩んでいる人の情報を集めれば、それなりの規模で同じ境遇の人がいて、とてもめずらしいことでも悲観的なことでもない、というのが分かる。

心をコントロールのするのは難しいけれど、それでも声に出してつぶやいてみる。
「子供が学校にいくこと自体は期待しない。押し付けない」

(前提2)何故学校に行く必要があるのか?の問いに向き合う

なぜ学校にいくのか、なぜ勉強をするのか?など素朴な疑問だけれど
子ども自身が、いつか社会で生きて自分の人生を生きていくために向き合うべき問いへ親なりに考え(≠答え)を持っておく。

これは、一般的なことや大人目線の言葉で伝わることはないと思うので、検索してでてくるような表面的な言葉では厳しい。

子供の好きなこと/もの/ひと、夢、などやる気の源泉や、性格や考え方の癖などの気質性質にあわせて捻る必要があるので、出来ればもっと前から考えておくべきだったと後悔した。

以下、四苦八苦してやったこと

親が手を出すのは意味がない、と怒られるかもしれないが
本当に悩んだし、アイディアは多い方が前向きにもなれるし
ある程度試行錯誤してからでないと、方向転換する気持ちの切り替えもしづらいと思う。
親として取り組んでみたことを例として残しておく。

0.スクールカウンセラーに相談

割と早い段階で、スクールカウンセリングの
プリントを持って帰ってきたので、これだ、と電話をかけてみた。

が、カウンセラーさんの常なのか、こちらが何か話さない限り声を出してくれない。自分自身も過去に臨床心理士の方にカウンセリングをしてもらったことがあるが、相談者の言葉を引き出すための作法でもあるのだろう、とにかくこちらが何かを口走るのを待たれている感じだった。

今の状況がスクールカウンセラーさんに相談する状況として合ってるのか、みたいなところも分からずノープランでかけてしまったのが悪いけれど、
正直要領を得ない聞き手に喋っている感じだった。

行き渋りが激しくて、親としても不安で、という話しかできず「・・・で?」という感じの会話になってしまった。

ここに相談するのが、間違ってるのかな、、聞いてもらうだけことを僕が言えてないのが問題なのかな、、と言葉に詰まっていたら

最後のほうで、やっと一つ先方からの提案として「カウンセラーの方で学校内で授業中の様子を見てみて、その様子をお伝えすることもできる」といってくれたので、情報はある方が嬉しいので助かりますと、お願いしたところ結局折返しもこなかった。

親としては助けてほしいけど、どうお願いしてよいかわからない、あちらとしてはあくまでコーチングの立場であり期待や依存を生んではいけない、というような絶妙な関係があるのかもしれない。

個人的には感情的に寄り添って、一緒に心配をしてくれるようなコミュニケーションを期待していたのだな・・・と後で認識したが、強く悩んでいる時は、自分以外のかたも人とのコミュニケーションが下手になると思う。初対面の支援者の方を頼る時は、疑心暗鬼になりすぎないようにしたい。
相手に責任はない。

1.登下校の付き添い

登下校はやや遠い道だった。といっても1kmほど。
ただ、この距離を一人で歩くような訓練も事前にあまりしていなかった。
学校の中に入るのも嫌なのだから、学校にいく道を最初から一人でなんて難しくて当然だった。
簡単には出来ない難しいことを、不必要に難しくする必要なない。
徐々にレベルがあがるように設計しなおせばいい。

幸い、他にも送り迎えを必要とする家庭はあるようで、多くの親御さんが正門まで送り届けにきていて孤独感は無かった。
過保護とか外の目は気にせずに、送り迎えはしばらくの間ついていくことにした。

2.通学路での親御さん/子供との会話

通学路を一緒に歩いていると、家の近い子供や、その親御さんと接点ができる。
少し勇気がいるが、挨拶をして2−3言から会話をするようにした。

妻も産後のためなるべく体を動かして欲しくなかったが、
家の前までは送りも迎えも出てきてくれて、
近所の奥さん同士とコミュニケーションの機会を獲得してくれた。

そして、「家近いので、朝待ち合わせて一緒に行きますか?」という仲間を見つけてくれた。
幼稚園時代からだが、保護者は女性比率がとても高く、父親はなかなかうまくコミュニケートすることが難しい。
いつも妻が媒介になってくれて、xxちゃんの旦那さん、というポジションをとってから輪に入ることができていたことを思い出した。

毎日通学路にでていると、他の子供達も僕の顔を覚えてくれるので息子と一緒に帰ったりした。
その結果、入学から何ヶ月かした帰り道、「このあと公園で遊ぼう」と息子を誘ってくれた子がいて、
はじめて小学校の子供同士で公園でボールを投げて遊ぶ姿を見れたりした。
コロナだったからここまでいくだけでとてもハードルが高かった・・・

3.学校グッズのポジティブ化

ランドセルの内側や筆箱の内側に、お気に入りのもののシールを貼って愛着やテンションをあげる仕掛けをいれた。

Youtubeに没頭している時は嫌なことを忘れられるようだったので、
好きなYoutuberさんやキャラの画像を拝借してローソンのシールプリントでオリジナルステッカーを作り、学校にxx日いけた、学校でxxを頑張れた、といった実績解除の獲得ボーナスとしてプレゼントした。

また、学校で休み時間に許されているお絵かき、色塗りの紙や折り紙などは
壁にどんどん貯めていった。

画像1

4.お疲れ様旅行

入学前の息子に聞いた話だが、下の子が生まれる前の家族3人で那須旅行にいったのが、子供にとってこれまでで一番楽しい思い出だったらしい。

僕にとっても最高に愛らしい思い出だ。

少学校入学後の最初の地獄のような1週間を終えて、急遽土曜日に男2人で那須へ旅行に出た。こういう時にお金を使わずにいつ使うのか。

嫌がっているが、学校にはなんとか行っていたので、
本人も自分を誤魔化しながら頑張っていたのだと思う。

自分を誤魔化してやり過ごすことという受け入れ方、は大人でもよくある。
僕自身、会社の仕事が嫌で、休憩中にオフィスのトイレにこもって課金ゲームに没頭していたことだってある。我ながらとてもダサいとは思いつつ、仕事は仕事で続けてこれて今がある。

頑張るための仕方ない理由づけが彼なりに出来るなら、
その手助けはしてもいいのでは、と思った。
与えるものとか金額とかはあまり関係ない。手助けになるなら。

5.前借りプレゼント

誕生日が5月末だったので、2週間通えた時に、小学校いって帰ってくるのが楽しくなるように、誕生日に欲しがっていたゲーム機を前借りで用意した。

月曜日など特に行きたくない日を乗り越えるために一緒に遊ぼう、と誘って使う。

6.お小遣い帳、実績ノート

苦しみながらも、学校に向き合う努力したことを積み上げている実感がほしかったし、苦しいことに向き合ってるのは凄いと思っていたので、そのリスペクトを子供に伝えたかった。

うちの子供にとって、小学校にいくのは、人生のために時間を削っていく"仕事"のようなものみたいに聞こえた。
なので、小学校を楽しもうというのは、少し飛躍があると思っていた。

仕事であれば仕事ということで、登校や課題クリアごとに報酬やスキル獲得がある方がマシだろうと、ポイントが溜まっていくお小遣い帳と、小さなメモ帳で実績帳を作った。
ゲーミフィケーション的なものだが、悲観的な時間が多い中で、精一杯楽しそうな施策にするよう心がけた。

実績帳は、これまでやれなかったこと、学校でやったことや、家でやれたことを聞いたり見つけたりする都度書いて、手書きの実績ロゴをプレゼントしていた。

画像2
画像3

息子の成長を感じたり頑張りを、頭でもきちんと理解する上で、親のためにもなったし、
息子も幼稚園の友人が遊びにきてくれた時に自慢したりしていた。

とにかく自分を肯定してほしい、という親の気持ちを発散する助けにはなった。

あとがき

何らかの判断の前も後も、違う種類の悩みがあるものだと思います。

小学校にこのままいけるか、悩んでまだ何の判断も出来ない頃の悩みと
その時にやったことを書いてみました。

親のやれることは限られているので、
精一杯子供を理解しようと努め(完全には無理ですが)、
応援する行動をとれたら、と思っています。



最後までお読み頂き有難うございます!
育休期間中の平日に記事Upしてます。https://note.com/yonyon_saeki/m/mfb156a4dc9a3


もしよろしければ、スキ(ハート)を押して頂けると励みになります。

----------------------------------------
SNSも宜しくお願いします🙌
Twitter: https://twitter.com/yonyonsaeki

もし記事がお役に立ちましたらサポートを頂けると幸いです。 以下のように使わせて頂きます。 家事/育児系記事→小学校のサークル活動等地域の活動やボランティア活動への寄付へ ビジネスナレッジ系記事→執筆活動のリサーチ費用や、協力者様への謝礼に 自己紹介やエッセイ→自分へのご褒美