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【図解】 対立構造で表現しない家事育児分担(その1 よくある構造と課題意識)

佐伯(@yonyonsaeki)です。

先日も書きましたが、家庭の家事/育児分担の話は、妻対夫の対立構造で描かれがちだなと思っていてモヤモヤとします。


分担何割してますか?と言われても正直あまり考えたことがなかった。
やればキリがないし、子供もいれば、変化もとても激しい。

何か別の構造で表現したいな、という自己満足による図解企画です。

(背景)対立の前に改めて相互理解ではないだろうか

あれをやってくれたら、
xxをしてくれない、
意識を変えて欲しい、

などの打ち手の実行要求をぶつけ合う前に、
「うちの家庭にとっての課題はどこにあるかを落ち着いて各家庭で考える」
ための前提の共有ができた方がいいんじゃないか?

というのが図をつくってみようと思った背景です。
どうも、分担による円満な家庭構築以前の議論が抜けているのではないかと考えています。

(課題意識)よくみる分担議論

割とよく見かける分担をテーマにした対立構造はこんなイメージかと思う。

スクリーンショット 2021-10-13 23.24.53

割と当てはまることも多いだろうし、
妻の負担を理解してないでやった気になってたりされたら腹も立つだろう。
大変ならそんな細かいことやらなくていいよ、もっとラクしなよ、みたいな配慮風の言葉も火に油だろう。

実際、ダイワハウス工業さんの2018年の調査でもこんなデータがでていた。

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出典:https://www.daiwahouse.co.jp/tryie/column/build/kajishare_enq/

夫には妻に見えていない負担がある、それはあまりに多いから認識を正して共に負担すべきだ、というロジックは正論であるし耳を傾けるべきものだ。

ただ、こういう一般化されたロジックだと、各家庭で話し合うべき論点が漏れる

・タスクと捉える前に家事や子育ての幸せな部分
・各タスクの好き嫌い、得意不得意
・自分/相手個人の人生や、やりたいこと
・今抱えている仕事と育児両方の心の負担


など。
どれも定量化/可視化/証明しづらいので、
なにかを相手から勝ち取る戦いの場(説得材料/論破材料)に持ち出す前にフラットに会話して擦り合せないと

「ゴルフばっかり!」「こっちは仕事でやってるんだ!」の時代から先に進めない。

この棒グラフのメモリを、育児/家事に絞った絶対量ではなく、妻の・夫の生活全体のキャパシティ(%)に切り替えたら
前に書いた通り、

妻が140%稼働で、夫が110%稼働みたいな状況で言い合っても125%125%にしかならないと思う。

みたいなことかもしれないのだ。

よく知りもせず、夫が妻を楽だと思っていて、じゃあ俺も好きにさせてもらうわ、などとやってるようなら論外だが、
仕事で擦り切れてる人に、これだけ残タスクあります、と突き付けても夫婦とはいえ中々歩み寄るのは難しいのではと思う。

僕自身、妻にそんな厳しいことを言われたことはないけれど、
仕事で心底追い込まれてる時に、妻も止むに止まれずどうしてもxxお願いできないか?と相談されたりした時は、踏ん張りどころだな、、とぐぬぬと歯を食いしばった時もあった。

図解の目的

そこで、家庭ごとに異なるはずのバランス、困難さや、
夫、妻の不満、改善箇所や取れる打ち手の方向性などを捉えつつ

先程挙げた以下のような、

・タスクと捉える前に家事や子育ての幸せな部分
・各タスクの好き嫌い、得意不得意
・自分/相手個人の人生や、やりたいこと
・今抱えている仕事と育児両方の心の負担

本来、会話して相互理解を深めるべき論点が、対立構造的な議論によって埋もれてしまわないようにしたい。

初歩的なベン図で表現する

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小難しくしないように、敢えて超絶シンプルなベン図で表現してみる。
仮称:コミュニティ・リング


(見方、捉え方)
・妻側の人生と夫側の人生を円で表現している。
・結婚して人生を共にしてるので、共有する部分がある。
・うまくやれてると青、そうでないと赤くなる部分がでてくる。
・接するそれぞれの領域は互いに影響し合う


結婚前のお付き合いだと、まだ人間関係が幼かったりするので
互いに、自分と、共有部分までしか視野が無かったりする。

そういう間柄だと、束縛とか、自分の不調で喧嘩が絶えない。
一方または両者は、共に生きる人生のビジョンが描けない、みたいなことが発生する。

例えば、彼氏の束縛がきついと、共有部分も半分は赤いだろうし、そのせいで彼女自身のゾーンも赤くなるだろう。

夫がキャリアに強い関心があり、仕事に熱中しているが壁にぶつかってうまくいかない、みたいな時、夫自身の領域も赤くなるし、余裕がなくなって共に過ごす時間もギクシャクしたりする。

育児/家事分担の前に夫婦関係を認識する

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まず、育児前の状態、子供を抜きにして表現してみる。
大きく3段階。

まずは初期状態。付き合ったり、結婚してるぐらいなので、共有部分は青く、一人の時間も楽しいし、愛する相手との生活も楽しくて充実している。

義務的に一緒にいるだけで、
自分が幸せになるためには一緒にいる好きな妻との共有部分を効率化して最小化しよう!という人は少ないだろう。

そして不仲状態。共有範囲の食い違いや相性の問題、共有生活の中でのすれ違いや事件によって、不定期におきる。仲良くいられなければ、それぞれ生活全体が赤くなる。

結果として、互いのために別れることを選択したり、話し合いの末、良い距離感になったら一緒にいられたりする。当事者の人生を思って決めることなので、どうあっても良いし文句言われる筋合いもないのだ。


こう考えてみると、育児前の時点で、
この共有範囲の違いも家庭ごとに多々あれば、初期時点の相性、どれだけ擦り合せや調整が進んで今のバランスになってるのかの背景、
なども様々だと捉えられる。

(前提チェック)育児/家事の分担について考える前に

なので、事前チェックポイントとして3点。

・自分個人の人生の望みは何で、今どうだろうか?
・うちの人生共有感覚はどんなバランスだろうか?(ちなみに僕は妻を愛しているけれど自分だけの時間が一定量ないと辛いタイプ)
・共有する部分だけでなく、相手自身の人生の幸せを願えているのだろうか?

この3点を曖昧だとしても考えておかないことには
子育て家庭の円満な状態を目指す以前の問題で、
きっと議論が平行する。

続く

長くなってしまったので、続きは明日に。。

今回のコミュニティ・リングに"生まれたばかりの子供"という存在が
加わるとどうなるかをプロットしていきます。


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