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監査法人時代の心残り(日記)

私は2021年に監査法人を退職したのですが、ふと心残り(後悔)があったので今回noteにまとめてみました。

趣旨としてはその時々の感情を文章で残しておくことで、数年後、数十年後に読み返すことで自分自身の分析に活用しようというものです。上記趣旨から、文章は日記調でかつ冗長なものになると思いますので、その点お含みおきください。

自己紹介
・2017年に会計士試験合格
・2018年に監査法人(Big4)入社
・2021年に監査法人を退職

① 木こりのジレンマに陥った

勉強不足に対する反省です。目の前の仕事の忙しさにかまけて勉強を怠っていたことを反省しています。もちろん目の前の仕事に必死に取り組むことも大事ですが、体系的な勉強を怠っていたために、「切れない」斧で業務に向き合っている感がありました。

座学・勉強の重要性を考えてみます。
実務は、知識や経験が体系的に整えられない点が弱点であり、座学・勉強は実務で生じうる抜け漏れを一定水準以上に低減する点で、重要なのだと思います。
私のように経験が少なく、また具体的に生じた実務を抽象化するのが苦手な人間は、勉強なしでは一生かかっても仕事ができない、というあたりまえの現実に今更ながら気づいてしまいました。

気づいたきっかけは転職活動です。ある面接において「ある会計基準の改正によって最も影響を受ける業界はどの業界だと考えるか、またそれはなぜか」という質問をされました。私はその会計基準の改正についてろくに勉強していなかったため、一般的にどの業界に影響があると考えられているかを把握していませんでした。咄嗟に実務で経験のあった業界を回答したことで面接は通過しましたが、自分自身の勉強不足を痛感しました。(おそらく面接官の方は、正解が知りたいわけではなく、実務レベルと説明力を測る趣旨でご質問されたのだと思いますので、私が勝手に勉強不足を痛感しただけかも、と今思った。)
また、他の面接において専門知識に対するこだわりを強く感じたこともきっかけの一つです(「専門家たるもの〜」という精神です。)。

前職の監査法人では、目の前の仕事を何となく一生懸命こなし、何となく成長した気になって、何となくいい機会をもらえて、何となく3年経っていました。ただ、転職活動を通じ、「斧を研がずに、何となくの3年間で得たものは監査法人の外に出ると一切通用しないのでは?もしくは非常に狭い世界でしか通用しないのでは?」と当たり前のことに気づき、反省しているところです。

自身の専門領域以外にも様々勉強していこうと決意しています。ただ私は好奇心に突き動かされているわけではなく、ある種の義務感や焦燥感から勉強しようと考えているのみですので、しばらくは資格という明確にわかりやすいゴールを設定することで勉強の質とモチベーションを確保していこうと考えています。
執筆時点で今日は2021/5/16なのですが、ちょうど事業再生アドバイザー(TAA)なる資格を受けてきました。会計士試験とかぶる部分も多いですが、銀行融資の考え方や破産法、事業再生の歴史等の基礎中の基礎を学んだ感じです。これからもこんな感じで様々な分野の勉強をしていこうと考えています。


② 仕事は長期戦。走りすぎない。

仕事のスタンスに関する反省です。

入社当時から「早く業務に慣れて早く一人前になりたい!」との思いで突っ走っていました。確かにその思いは叶い、1年目から2つのIPO監査チームにコアスタッフとして関与し「閑散期とは?」みたいな状況になったり、2年目には現場責任者を担当し始めたり、3年目には上場会社の現場責任者を担当させてもらったりと非常に充実した3年間だったように思います。

ただ、正直に言って能力もないのに走りすぎた。疲れた(笑)。

確かに色々と早めに経験できたものの、正直入社数年での1年や2年の違いなど、人生の長さを考えるとどうでもよかったのでは?と感じています。(ただ今だからそう思えるけれど、当時は(とは言っても1−2年前)早く色々経験したい思いや、何なら同期の中で誰よりも早く現場責任者をやりたい!!!みたいな思いもあったかもしれない。なんか恥ずかしくなってくる。)

ある期間必死に努力する期間は必要だとは思います。しかし私の場合、自分自身のキャパシティー(体力・能力)を過大評価しすぎたように思います。その結果、気合いで何とかせざるを得ない状況が続き、また「気合いで何とかしよう」と腹をくくってしまいました。

職業人生はこれからも長いし、たった3年で気力・体力が切れるような働き方はすべきではなかったと反省しています。転職先ではもう少し長い目で人生を捉え、働き方をうまくコントロールしようと思います。

若干暗くなった気がしますので一つ良かったことを挙げておくと、自分自身の体力キャパの限界を知ることができた、ということでしょうか(実際の労働時間はここには書きません。)そうした目安をもとに、燃え尽きる可能性を防いでいこうと思います。


③ 後輩へのOJT

これは単純な心残りです。特に私が1年目、2年目にリクルーターを担当して、同じ部署に入ってきてくださった方々と、もう少し一緒に働きたかったなあという思いです。

そのような感情は、私自身の経験からきています。入社して初アサインの現場で右も左もわからず、マネージャーに「来年からあいつは(チームから)外そう」と言わしめるほどのスタートでした(翌年、そう評価されていたことを知った。切ない。)。

ただ、次の現場では、入社前に私のリクルーターを担当してくださった先輩と一緒に働き、そのチームで監査における頭の使い方や考え方を粘り強く指導していただいたことで、結果として監査に対する考え方や思考方法をある程度トレースでき、その後自走できるようになったと考えています。この先輩と一緒に働いていなければ、あまり考えることなく監査に取り組み、現場責任者を担当させてもらえることもなかったであろうことを考えると、非常に感謝すべき出来事でした。

そんな恩人ともいえる先輩の指導・教育に対するスタンスは、「J1やJ2に仕事を教えることは、短期的には教えた人間にリターンがもたらされず、忙しすぎて指導している暇がないことから、重視されていない。しかし全体最適を考えれば短期的なコストを度外視しても、丁寧に一から教えるべきだ」というものでした。

監査法人の教育環境に対する見解は今後のnoteに譲ることにして、とりあえず私はこの先輩の考え方に非常に共感を覚え、その考えを丸パクリすることにしていました。

(ここでようやく話が戻る)
私自身は早めに監査法人を退職してしまったので、リクルートで担当した方々に対して、責任を持って関わりきれなかったことに若干の後悔を抱いている、という次第です(たしか私がリクルーターを担当した方は6名いて、そのうち2名としかガッツリ一緒に働けておらず、かつその2名とも責任を持って最後まで関われたかというとやや疑問が残る)。

「一人の社会人なんだし、そんなことまで気にしなくていいのでは?」という思いや、「後輩を指導・教育するというのはおこがましいのでは?思考の押し付けではないか?」という葛藤はありつつも、結局は気にしてしまい若干の後悔が残っています。まあ気にしてもしょうがないけど。

おわりに

だらだらと冗長で、重複する文章ですみません。

現状の後悔としては、①勉強すれば良かった、②持続可能な労働をすれば良かった、③もっと後輩と働ければ良かったの3点です。ただもう少し時間が経つと、会社の内部統制をもっとしっかり見ておけば良かったとか思うんだろうなあと勝手に想像しています。

そういう意味だと、時の経過につれて後悔が変わるというのは面白そうですね。本noteのような雑記であれば適当にだらだらと書けるし、10年後◯歳になった時に友人と定期的に読み返すのも面白そうです。

おわり。

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