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言語化力 言葉に出来れば人生が変わる【書評】

<読書目的>
言語力をアップデートして仕事やプライベートで多くの人に影響を与えられるようになりたい。

<書簡>
言語学者や物書きによる言葉本は多数ありますが、現役の経営者、クリエイターによるものは珍しいと思います。
ビジネスはどうしても数字の方が重要視されますが、もっと言葉を大事にすればビジネスチャンスも増えるのだろうと理解出来たので、会議やメールも含めて言語力のアップデートのきっかけに出来ればと。

<本文メモ>

ここまで、「スタンスを決める」「問題の本質をつかむ」「自分の感情を見つめる」というステップを踏んできた。ここまできたら最後の「言葉を整える」のはとても簡単だ。料理に例えるならば…… 「スタンスを決める」=どんな料理を作るか決める 「問題の本質をつかむ」=食材を決める 「自分の感情を見つめる」=調理加工する 「言葉を整える」=最後にお皿に盛り付ける くらいのイメージ

料理と一緒で言葉を紡ぎ出すには段取りが必要で、どれか一つでもおざなりになってしまうと、相手には上手く伝わらない。

相手の立場になって、どう言われたら動くかを考える。相手の気持ちを考える、というのとは少し違う。  相手がどう言われたら嬉しいか、ではなく、相手がどんなメリットを知ったらその行動が変わるか、という視点が必要だ。もちろん簡単なことではない。相手と対話する中で、相手に対する理解を深めていくのだ。

コミュニケーションによって相手を変えようとするのではなく、相手に対するメリットをプレゼンする。そう考えると伝え方も変わってきますね。

エジソンも「私は失敗したことがない。ただし1万通りのうまくいかない方法を見つけただけだ」 という有名な言葉を残している。
稲盛和夫は「バカな奴は単純なことを複雑に考える。普通の奴は複雑なことを複雑に考える。賢い奴は複雑なことを単純に考える」 と言っている。

本書では所々に偉人の名言やラッパーのリリックが出てきます。三浦さんが言葉とどう向き合っていたか分かる気がして、一層心に残ります。

ぼくは仕事で企画書を書くとき、人に手紙やメッセージ、LINEで長い文章を送るとき、そして何かのメディアの取材に答えるとき、常に、パンチラインを残すことを意識している。  いわゆるネットの記事やツイッターでバズるような内容にするために、ぼくが気をつけている最低限のことは、
 ・「短くシンプル」か
・「意外性」があるか
 ・「学び」があるか
・明日から「すぐにやれる」か
という4つのポイントだ。

パンチラインとは決め台詞や言い回しということですが、三浦さんの言うパンチラインは、割とHIPHOP寄りで、相手にとって深く突き刺さるメッセージのことだと言えます。
一つの会議や商談、企画書やプレゼンの中で1パンチラインを意識していきたいですね。

それは「電博」という言葉だと思う。日本における広告代理店はこの2社が代表である、みたいな印象を与えてしまう。  しかし、実際のビジネス規模は、電通が 10 としたら、博報堂は5、3位のADKは3くらいだろう。普通に考えたら電通の一強体制、あるいは電通・博報堂・ADKを3社並べて御三家と呼んでもいいかもしれない。

電博という言葉を頻繁に使っているうちは、業界構造を理解しきれていないということですね。気をつけよう。。

言葉で人を動かす。難しいように思えるが、そんなことはない。なぜならば、人は言葉でしか動かないからだ。無意識でやっていることもたくさんあるだろう。ちょっと意識を変えるだけで、ガラリと日常が変わるはずだ。その上で、言葉で人を動かすときの重要なポイントについてまとめよう。 ❶ 目的を明確にすること ❷ 目的に向かうプロセスを明確にすること ❸ 主語を複数にすること

最近のライブ配信やトーク番組を見ていると、言葉に重みがなくて、とりあえず楽しくオチをつけるみたいな内容ばかりです。バラエティも言葉のアップデートをしていったら、世の中はもっと良くなる気がします。

広告会社は下からのスタンスで「提案」という言葉を使う。でも、基本的にぼくらはマーケティングやクリエイティブのプロだ。当たり前だが、この分野では圧倒的に優れた知性・実績・経験がある。だから、我々からは「提案」はしないのだ。提案という言葉を使ってしまうと、選ぶ側に主導権が生まれてしまう。その提案を受けるかどうかを相手の判断に委ねることになってしまう。GOの場合は企画書を提出し、説明しながらも、あくまで我々が伝えることが答えであるという意味をこめて「~のアイデア」「~の企画」と表現するようにしている。

確かにと思ったので、これからは提案ではなく企画、アイデアといいかえてみます。修正依頼も更新依頼とした方が良いみたいです。
そしてバズるという言葉は目先しか見ておらず下品だと一刀両断、、

思考に気をつけなさい、それはいつか言葉になるから。
 言葉に気をつけなさい、それはいつか行動になるから。
 行動に気をつけなさい、それはいつか習慣になるから。
 習慣に気をつけなさい、それはいつか性格になるから。
 性格に気をつけなさい、それはいつか運命になるから。

マザー・テレサの名言。言葉が汚い人は思考も下品なので、あまり近づきたくはないですね。

「俺たち、もう終わっちまったのかなぁ」 「まだ始まってもいねえよ」  というものだ。
これは北野武監督の映画「キッズ・リターン」のラストシーンのやりとりだ。2人の高校生が主人公で、1人はボクサーに、1人は極道の道に進む。結局、ボクサーの道も、ヤクザの道も中途半端に終わってしまい、最後には2人ともボロボロになってしまう。自転車に二人乗りしながらこの会話が交わされる。映画において、本当に素晴らしいラストシーンは必ず何かの始まりを描く。
この映画のラストシーンは完璧だった。この何者かになろうとして、何者にもなれなかった2人の若者に、自分たちを重ねていた。物語は終わらない。

ちょっと感動した部分です。「何者かになろうとして、何者にもなれなかった」はまさにパンチラインですね。




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