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102. 散歩の楽しさと駅の関係

ヒジュラ暦1442.4.28 (2020.12.13)

一時帰国している間に、よく散歩をした。その中でよくしていたのが、線路沿いを歩くようなコースをとり、行きは歩き、帰りは電車で戻るというようなことだ。

私が一度に通して歩ける距離としては1時間から1時間半、距離にして6,7キロぐらいだったと思う。川崎市のあたりだと、私が一度の散歩で歩ける距離が2つか3つ先の駅だった。当たり前だが、1つとして同じ駅はなく、駅を境に街の雰囲気も変わったりして、それがおもしろかった。

改めて散歩は楽しいなと思い、リヤドに戻ってから季節がいいこの時期に散歩してみようと考えた。いざ、どこまで行けるかなぁと想像したのだが、5年住んでいても、1時間歩いてどのあたりまで行けそうかの見当がつかないの。サウジアラビアは車社会で、リヤドでの生活は車の移動が多く、徒歩としての距離感覚が自分の中に乏しいことに改めて気づかされる。

以前は職場までは徒歩40分歩いていた。これが約3.6キロだ。自転車だと15分くらいだ。

Google Mapで改めて、自分がどのあたりまで歩いて行けそうか調べてみたのだけど、自分が思っていた以上に、どこにも行けないことがわかった。どこにも行けないというのは、目ぼしい目的地が少ないということだ。

おそらく、日本の都会がコンパクトによくまとまっているんだろうと思う。日本の都会は駅を境に町の雰囲気が変わっていく感じがするのだけど、リヤドの、少なくとも私の家の周りでは徒歩圏内で雰囲気が変わる感じがしないのだ。田舎なら、そういうものなのかと思うけど、都会(リヤド)に住んでいて、この変わらない感じが不思議だ。

なんというか、マス目の大きさが違うんだろうなと。1つの区画が日本に比べて大きいように感じられる。サウジアラビアは面積としては日本の5倍以上、人口はざっくり4分の1程度。そう考えると、かなりスペースがありそうな感じがする。もちろん、人が住めないような砂漠もあるので、数字そのままではないだろうが。

それで、ふと思ったのは「駅」の存在だ。現在、リヤド市内は電車が走っていない(2020年12月時点)。目下、リヤド・メトロが建設中で、当初は2019年に開通と聞いていたが、まだ、一般客が乗れる状態にはなっていない。今年になり試験運転の車両を見かけるようになったので、来年には一部、開通しそうだ。

「駅」は少なからず、その地域の雰囲気を作り出すパーツに思える。人は駅に集まり、その集まる人に対して店ができ、その周りに人が住みというような感じで都市計画の肝になる部分だと思う。一つの駅があると一つのマス目ができる。そもそも、駅があるということは、徒歩で移動するのが大変だから作られたわけだろうし。

人が多く住んでいる都市でも、駅がある都市と駅がない都市では、こうも雰囲気が違う。散歩をするのにはマス目が細かい方が楽しそうだ。この先、リヤド・メトロが開通したら、駅を中心とした街の雰囲気が生まれるのだろうか。気候の問題もあるが、リヤドも歩くのが楽しい街に変わるとよいなと思う。

*写真はリヤド上空より撮影

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