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3つの言葉を使って創作してみる。選ぶ言葉は適当に思いついたもの。(創作③)


コーヒー 猫 山

大学生の時、先輩に、

「コーヒーが飲めないのは、人生の半分を損してる」

と言われたことに、特に腹が立ったわけではないのだけれど、コーヒーが飲めないだけで人生の半分も損するんだったら、飲めるようになってやろうと思った。

さすがにいきなり、ブラックコーヒーを飲むのはハードルが高かったので、砂糖もミルクもたっぷり入れた、コーヒーとは呼べないような甘い何かを飲むことから始めた。

子どもの時、炭火焼きコーヒー飴というものがあり、初めて食べた時、コーヒーって大人の飲み物だけど、自分も飲めるかもしれないと錯覚させるほどの美味しさだった。

飴でありながら、コーヒーの香ばしい匂いが再現されていた。

飴だからもちろん味は甘い。

それがコーヒーの味だと認識していたのだ。

でも実際のコーヒーはただ、苦いだけの黒い飲み物だった。

コーヒーの香りはずっと好きだった。

猫の可愛さと肉球の香ばしさに匹敵するくらい好きだった。

でも、コーヒーの香りと味とのギャップは、なかなか埋められなかった。

そこで、コーヒーの飲める友人に聞いてみた。

先輩に聞いたら、
「俺は最初から飲めていた」
とふざけたことを言っていたので。

「最初は甘いスイーツを食べながら、甘いコーヒーを飲んでいたんだけど、慣れてきたら、ブラックコーヒーの方が甘いスイーツに合う気がして、自然と飲めるようになったよ」
と教えてくれた。


なるほど、それでいこう。

素直な私はすぐにそれを試し、数年かかったけれど、とうとう砂糖もミルクもなしのブラックコーヒーを飲めるようになった。

先輩はもう卒業してしまっていて、会うこともないけれど、もし偶然会うことがあったら、コーヒー飲めるようになりましたよって、言いたい。

多分、それを言われても何のことか分からないだろうけど。

でも先輩、コーヒーが飲めないだけで、人生の半分損してるっていうのは言い過ぎだと思いますよ。

湖の先に見える山を見ながら、沸かしたてのお湯で入れるコーヒーは最高の贅沢ですけどね。



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さいたづまいろ
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