列(創作)
すごい行列ができている。
嫌だなー。
時間かかりそうだなぁ。
この列だけ全然動かないし。
前の方、何やってんだ?
あぁ、ばあさんがもたもたして、受付の人と話し込んじゃってるよ…
こっちは急いでるのに!
違う列に並び直すか…
いや他の列もあんまり変わらなそうだし、並び直してからこの列の流れが良くなったら嫌だしな〜
「おい、もたもたするなよ!後ろ詰まってるだろ!」
つい、大声で怒鳴ってしまった。
まぁきっと、並んでる人たちも同じ様に思ってるだろうし、俺はいいことしたよな。
「すみません、お待たせしましております。お客様、こちらへどうぞ。すぐにお手続き致しますので」
職員の1人と思われる男が、俺に話しかけてきた。
「彼の審査は必要ないから、すぐ手続きを済ませて」
「大丈夫ですか?後で上から何か言われませんかね?」
「大丈夫だろう。彼が自ら選んだのだから」
「せっかくXXXXXチャンスだったのに…」
職員同士で話しているのが聞こえてきた。
お、ラッキー!怒鳴ってみるものだな。
優先的に案内してくれるのか。
やっぱり俺は正しいことをしたんだ。
みんな思ったことは、ハッキリ言った方がいいんだ。
でも途中聞き取れなかったけど、何のチャンスって言ってたのかな?
まぁいいか。
これが終わればすぐ帰れる…
……………………。
遠くの方から声が聞こえてくる…
「意識を取り戻そうとしていたのですが、急に容体が悪化した様で…お力になれず…」
そうか…
生き返るチャンスって言ったのか…
了
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