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木の話16 切り時の木

私の住んでいる大阪でも終戦直後はハゲ山ばかりだったという写真が資料として残っています。戦争で日本中の資源を使ってしまったからでしょう、みごとになにも生えていない山々が広がっている写真でした。

戦後復興のため国策としても国や地方が積極的に植栽してきた人工林。そのころ植えられた気が樹齢が50~70年に達し、主伐期と呼ばれる切り時を迎えた木材が日本の森林には豊富にあります。

主伐期にある木

木は毎年成長するので、日本の森林全体で毎年7000万立方メートルの木が増えています。しかし、活用されているのは3000万立法メートル足らず…。

豊富にあり、なおかつ毎年増えていっているのに、使われているのは約4割しかない国産材…。

資源の面だけでなく、国産の木が使われないと森林の手入れが十分に行われず、国土保全など森林の多面的機能の低下が大いに危惧されています。

近年では森林は二酸化炭素の吸収源としても期待されていますが、それも整備されて成長している森林でないと機能しません。

木を使うことにより、森を育て、ゆたかな森林資源を活かさなければもったいないと思います。

国勢調査によると林業の担い手は4万5440人と5年前に比べて約1割減ったそうです。

このまま人材、そして技術が失われていき、いざ森林資源が見直され、森林資源を使おう!という機運になったときに、活かせる人が誰もいない…なんて悲しいことにならなければいいのですが…。



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