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アフリカ留学体験記⑤

トビタテ!留学JAPAN9期生として「野生生物保全と地域の発展を繋げる」をテーマに現在南アフリカでボランティア留学をしている、信州大学4年次休学中の米田です。

かなり久しぶりに投稿させて頂きます。

最近の出来事としては、まず計7ヶ月間に渡ったケニアでの活動を全て終えました。

ケニアでの詳しい活動についてはAll About Africaさんに記事を書かせて頂いたので、興味のある方は是非そちらを読んでみて下さい!

無力感や、やるせなさを感じることも多かった7ヶ月間でしたが、今ではケニアが凄く恋しいです。

ケニアでの活動を終えた後、そこから約3週間をかけケニア→南アフリカまでの縦断を敢行しました。

そして本日、南アフリカのGame Reserve(自然保護区)での約1ヶ月半のボランティア活動を終えました。これで今回の留学における全てのプログラムを終了したことになります。

そこで今回は

1. 南アフリカでの活動内容
2. 南アフリカでの活動を通じての発見・気付き


の2つについて簡単に振り返っていこうと思います

1. 南アフリカでの活動の様子


南アフリカではKariegaとAmakhalaというGame Reserveで3週間ずつボランティアをさせてもらっていました。

2つのGame Reserve共に基本的に平日の午前(8:00~13:00)と午後(14:00~17:00)に活動し、夕方以降はフリー、という生活でした。
基本的な活動を軽く挙げると…

①ゲームドライブ
活動の中心となっていたのがゲームドライブでした(車に乗って保護区内を回るサファリのこと。ゲームドライブの他にもウォーキングサファリ、ボートサファリなどがある)

このゲームドライブ中は…

それぞれの野生動物の特徴を学んだり…

ゾウの食性調査をしたり…

テレメトリーを使ってライオンやチーターの追跡作業を行なったり…

保護区内に生息する鳥類の種構成を調査して地元の大學に報告したり(写真はダチョウの卵)

保護区内のAPU(Anti-Poaching Unit)と連携して保護活動に役立てるためにサイのGPSを取ったりしていました。
※サイに関してはSNSに写真を載せるとそこから位置情報等がばれ、密猟者のターゲットとなる可能性があるため、掲載が禁止されています。

②植林活動
気候変動への対策として、二酸化炭素の吸収効率が良いとされている Porkbushといわれる種を保護区内に植えました。

③外来種の駆除
南米原産とされているサボテンの駆除作業を行ないました。毎回の様に作業中は全身棘だらけになります(笑)


④フェンスのメンテナンス
活動させてもらっていた保護区はそちらも周囲をフェンスや電気柵ので囲っていたため、メンテナンスを行ないました。

ワイヤーが絡まっていないか?電気柵の電圧は正常か?などをチェックしました。

⑤地域コミュニティプロジェクト
地域の学校に行って環境教育に関するプレゼンテーションを行なったり、ゴミだらけのタウンシップを変えるべくポイ捨てを禁止するポスターを作成したりしました。

学校の壁のペンキ塗りや民芸品作りなんかもやりました。こんな「ん?」って思うような活動も時々やるのがボランティアだと思います(笑)



⑥講義
環境保全全般に関する知識を深めるため、講義を受けました。

2. 南アフリカでの活動を通じての発見・気付き

南アフリカでの活動を通じての発見は大きく2つあります。

① 保護区の自然は「手つかずの大自然」ではない

1つ目は保護区が「手つかずの大自然」を持つ場所ではない」、ということです。

どういうことかというと…

まず、南アフリカのほぼ全ての保護区ではフェンス(電気柵)が設置されています。

この保護区におけるフェンスには

・土地の区分をはっきりと示すこと
→政府が管理するNational Parkにせよ、私有地であるGame Reserveによ、明確にその保護区の範囲を示す必要があります。

・保護区内に野生動物を留めること
→「野生動物を留める」には①管理者が観光客向けに準備した野生動物を保護区内に留めておくこと②保護区外に野生動物が逃げることで生じるHuman-Wildlife Conflictを防ぐ

という2重の意味が込められています
つまり、保護区は巨費をかけて「設立」され、境界が人為的に「デザイン」されているわけです。

(保護区内のロードメンテナンス作業。保護区のロードも人為的に作成され、メンテナンスされる)

また、観光客を呼ぶために目玉の動物の導入もしばしば行われています。



つまり保護区における生物相は「コントロール」されているわけです。 

ボランティアの活動内容で上げた植林活動や外来種の駆除といった活動も、その1種だと思います。

そして、保護区内には豪華なサファリロッジがあり、海外などから来る富裕な「消費者」が想定されています。

僕が滞在させてもらったサファリロッジはその地域では一番安いサファリロッジとのらしいですが、一泊3~5万円ほどするそうです。(価格は季節によって変動)
  
つまり、保護区=「手つかずの自然」「人の手が加わらない場所」という認識は正しいものではなく、保護区は様々な管理のもと、成り立っているわけです。

(スポーツハンティングの専門誌)


また、アフリカ最大のスポーツハンティング産業国であり、ゲームミートが人気の南アフリカではそれ専用の動物を用意するための保護区が存在しています。


スーパーではスポーツハンティングに関する雑誌が店頭に並び、レストランではゲームミート(シマウマ、ワニ、ダチョウ等野生動物の肉のこと)を楽しむことが出来ます。


② 保護区と地域の関わり
2つ目の学びは「それぞれの保護区が、それぞれの地域に合わせた異なる手段での地域コミュニティへの貢献を目指している」ということです。

滞在させて頂いたKariegaとAmakhala 、2つのGame Reserveは組織の中にそれぞれ地域貢献専用の組織(それぞれKARIEGA FOUNDATIONとAmakhala Foundation)を持ち、環境教育や地域の孤児の支援、職業訓練などの活動を行っていました。

(現地の小学校にて)

7月まで活動していたケニアでは保護区の活動を通じ、地域の貧困の解決や女性のエンパワーメント、地域などをおもに目指していたので、その違いが面白かったです

ケニアでの活動先では保護区内に多くの方が住んでいたのに対し、南アフリカでは明確に保護区と地域住民の居住スペースが区切られていたことが、その違いを生んだのかもしれません。

最後まで読んで頂き、ありがとうございました!

アフリカ留学も早いもので、今日、11か月に渡った全てのプログラムを遂に終了しました。次回のnoteでしっかり振り返って次の自分のアクションに繋げていきます!
    
それでは、また!
  

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