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アメリカの子どもたち、積極的な発言の背景には幼少期の「読み聞かせ」がある? -教育の最先端カリフォルニアで聞いてみた!

日本とアメリカの読み聞かせの違いから見る、これからの子どもたちに必要な力とは

こんにちは、オンライン読み聞かせYOMY!です。YOMY!は現役慶應生が送る、「いつでもどこでも最高の読み聞かせを」をコンセプトに、たくさんのコミュニケーションを通して絵本の読み聞かせを楽しむ、対話型読み聞かせスクールです。

子どもたちにとって、いつの時代も最高の教材である「絵本の読み聞かせ」。海外ではどんな読み聞かせがおこなわれているか聞いたことはありますか?

日本とどう違うのだろう?と気になったYOMY!代表 安田が教育の最先端であるアメリカの西海岸カリフォルニアで「読み聞かせ」事情について聞いてきました!

アメリカでは、子どもの「言語力」「考える力」「伝える力」といった能力を伸ばすことができる絵本の読み聞かせ手法「ダイアロジック・リーディング」が確立されています。これはアメリカの家庭で実践されてきた、やりとりを多く取り入れた読み聞かせを体系化したものです。

一般的に日本で「読み聞かせ」というと、大人が絵本のストーリーを追って文章を読み上げ、子どもたちはそれを黙って聞いている姿が想像できます。一方、アメリカでは読み聞かせにおいて、子どもたちはわからないことはすかさず質問、じっと聞くというよりとにかく話しながら、読み聞かせに参加することが多いようです。

今回はそんなアメリカの読み聞かせについて、カリフォルニア州UCBerkeleyの近くにある公立図書館、Berkeley Public Libraryの館長にインタビューをしました。そこから見えてきた、日本とアメリカの「絵本の読み聞かせ」の違い、そして読みきかせを通して幼少期の子どもたちに育まれる能力の違い、さらにこれからの子どもたちにどのような環境が必要か、深掘りたいと思います。

【インタビューから見えたアメリカ式の読み聞かせ】

  •  読み聞かせで最も重視するのは対話

  • 「Why?」「What?」を使った子どもたちへの問いかけが鍵

  • 読みきかせは「静かに聞くもの」ではない、子どもたちはとにかくしゃべる

  • 保育施設では少人数のグループを作って絵本を読むことも

  • 絵本の読み聞かせで伸ばせる子どもたちの主体性

絵本を読むときに最も重視しているのは対話すること

絵本の読み聞かせで最も大切にしていることは何ですか?

子どもたちと対話をすることです。ストーリーを追うだけではなく、絵本の世界をただそのまま伝えるのではなく、やりとりを大切にしています。

「何が起こると思う?」「次にどんな姿になるかな?」「なんでそう思う?」と子どもたちが考えるきっかけを与えることは常に意識しているといいます。アメリカの子どもたちは疑問に思ったことはすぐに聞くので、静かに物語を追うだけでは終わらないようです。

一方で、「もちろん絵本によっては、世界観を楽しめるもの、どんどん次に進みたいような絵本もあります。そんな時は、読んだ後に子どもたちと話すようにしています。いつやりとりをするかは、絵本によって上手に使い分けていますね。」と絵本の種類に合わせて、対話のタイミングを調整することの大切さも教えていただきました。

そしてこのやりとりを重視した読み聞かせを大切にしているからこその取り組みがあるようです。

保育施設では小人数のグループを作って絵本を読むことも

地域によっても異なりますが、保育園などでは小人数のグループを作って絵本を読むことも多いです。保護者ボランティアが保育園に来て、先生と協力して、絵本の時間を作ります。

小さなグループを作って読み聞かせをすることで、よりコミュニケーションをとった絵本の読み聞かせができます。また図書館では、週末に近くのマーケットで読み聞かせイベントを行なっているようですが、大人数で読むときも、手を挙げたり、クイズを取り入れたり「参加型の読み聞かせ」となるように、工夫しているようです。

日米の読み聞かせに対する考え方の違い

(アメリカでは)多くの親が読み聞かせを大切な「幼児教育」のひとつだと捉えています。子どもたちが「言葉」や「発音」を学べるだけでなく、コミュニケーションや考える力を育めるようにも熱心に工夫をしています。

ある研究では、絵本の読み聞かせにおいて、
日本では子どもたちの情緒の発達に重点をおき、アメリカではreadingの発達に重点が置かれると示されています。(1)アメリカと日本での読み聞かせに対する考え方にそもそも違いがあるという研究結果です。そして、その考え方の違いから、読み聞かせ方法にも違いが生まれているのかもしれません。

どちらがいい、悪いというわけではなく、子どもたちの成長を伸ばすためにより良い読み聞かせを目指すのは、どの国の親にとっても同じです。新しい読み聞かせ方法から、学ぶことは多くあるように思います。

「主体的に考え自分の意見を言う力」は幼少期からの積み重ね

子どもたちからは『どうしてこうなったの?』『ここに〇〇が見えるよ!』などたくさん質問や言葉が飛んできます。

子どもたち自身が、絵本の読み聞かせのなかでやりとりをすることが当たり前になっており、自然とやりとりを多く取り入れた読み聞かせとなっていることが、わかります。

問いかけながら読み聞かせをすることで、子どもたちは「考える」「伝える」というステップを踏みます。そして幼少期の頃からこの蓄積が、主体的に考えてアウトプット姿勢につながります。この積極性が、すでに話に出てきたアメリカの子どもたちには育まれているように思います。

よく「海外では授業中にみんな手を挙げる」、「欧米人は自己主張が得意」というような言葉を耳にします。これは幼少期から、「自分で考え伝える」という環境があり、実践されているからではないでしょうか。そして、この「自分で考え伝える力」はこれからの時代を生きる日本の子どもたちにも必要不可欠です。

そしてこの「自分で考え伝える力」を幼少期から育む有効な方法として「対話型の読み聞かせ」があります。

ただ静かにお話を聞くだけが読書じゃない。


絵本の読み聞かせを通して、子どもたちの伸ばせる力は、まだまだ眠っています。従来の読み聞かせに加え、子どもたちの力をぐんと伸ばす「対話型読み聞かせ」に今後も注目です。

絵本コーナーは会話OK!読み聞かせをしている親子もいました!

参考文献
(1)Eiko Kato-Otani. "Mothers' Speech during Book Reading : A Pilot Study." 大阪女学院短期大学紀要,31号,2001,pp35-51 


What is YOMY! 


YOMY!は子供の成長にかかせない”人とのコミュニケーション”と、いつの時代も最高の教材である”絵本の読みきかせ”をかけあわせた、子どもたちの”対話力”を育むオンラインスクールです。

「静かに読むだけが読書じゃない」がコンセプト。

ハーバード大学をはじめ、アメリカの大学で長年研究されてきた「ダイアロジック・リーディング」を基に開発された読み聞かせ方法YOMY!メソッドのもと、子どもたちの能力、特に思考力、読解力、そして対話力を最大限に伸ばします。

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