「かさをあつめて」 はらまさかず


 ひさしぶりの晴れの日。
 「しょうくん、かさ、ほしてきて」
 「ほい」
 しょうくんは、かさをベランダにほすかかり。
 でも、今日は久しぶりの晴れだから、いつもとちがうことをしよう。しょうくんは、マンションの駐車場までおりていって、かさをひらきました。
 「かさ、もっとあつめちゃおう」
 しょうくんは、おとなりで、
 「おばちゃん、ぬれたかさ、かわかしてきてあげる」
と、いいました。
 「あら、しょうくん、たすかるわ。」
 おばちゃんは、かさを三本わたしてくれました。
 しょうくんは、おばちゃん家のかさもひらきます。
 いいぞ。でも、たりないなあ。そうだ、マンションのお部屋、ぜんぶまわっちゃおう。
 しょうくんがチャイムをおして、「ぬれたかさ、かわかしまーす」というと、みんな、かさをわたしてくれます。
 「いいの? ありがとう。」
 スーツをきたおじさんは、黒いかさ。
 「おねがいしまーす」
 おねえさんは、赤いかさ。
 「わしも手伝うよ」
 おじいさんが出てきました。おじいさんは、しょうくんが集めたかさを、ぜんぶ持ってくれました。
 しょうくんは、おじいさんと駐車場にいきました。そして、いっしょにかさをひらきます。
 「おじいさん、上からみてみよう」
 しょうくんは、マンションの階段をのぼり、上から駐車場を見下ろしました。すると、
 「わあー」
 「おおー」
 マンションの駐車場には、かさの花がさき、お花畑のようでした。

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