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「エリザベスの話(4)」 はらまさかず

ある日、大福はエリザベスに最後のお別れをしました。
エリザベスがまだきれいなうち、
だまって行ってしまうのがいいと分かっていたのです。
大福が何も言わなくても、
エリザベスにも、その日が分かりました。

大福が去っていくとき、
「けっきょく、いっしょに外にいけなかった」
と、エリザベスがいいました。
すると、大福はしばらく考えてから
「いけるさ」
といいました。
「ほんとう?」
「ああ」
「たのしみ」
「おれもさ」

(エリザベスの話 おわり)

このお話の続きが「たいせつな夜」です。

ハロウィンは、もともと、ケルト人の一年の終わりである10月31日に、死者の霊が家族を訪ねてくる日をいいます。
ハロウィンは、大福とエリザベスにとって、一年に一回だけ会えるとても大切な日。今年は、ふたりで、どんな話をするのでしょうね。

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