見出し画像

「おはよう、ぐーぐ」 木村研


 「ねむれないのかい?」
 おかあさんぐまの うでのなかで ねむっていた ぐーぐが、目を さましました。
 「はやく、あそびに いきたいよ」
 「だめだめ。春がくるまでは、外にでられないわ」
 おかあさんは、おおきな あくびをして、また ねむってしまいました。
 ぐーぐは、あなの なかを、いったりきたり。でも、ひとりじゃ たのしくありません。いもうとの すーすを よびました。
 「ねえ、ねえ。あそぼうよ」
 それなのに、すーすは、きもちよさそうに ねむっています。
 しかたがありません。
 ぐーぐは、おもいドアをあけて 外にでてみました。でも、外は、頭のうえまで 雪が つもっていて なんにもみえません。
 「つまんないの」
 ぐーぐは、おかあさんの うでに もぐりこみました。
 うでの なかは あったかくて、ぐーぐは、すぐに ねむってしまいました。
 どのくらねむっていのでしょう? 気がつくと、だれかが ドアを たたいています。
 「おはよう。ぐーぐ。春だよー」
 「春がきたの?」
 ぐーぐが あなの外に でてみると、おはなばたけで、山の どうぶたちが たのしそうに あそんでいました。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?