「こうちゃんのきんぎょ」 木村研

 こうちゃんは、一人でトイレにいけます。
 おひるねのとき、こうちゃんが、パンツをはかないで走ってきて、「きて、きて」と、いいました。
 みんながついていくと、こうちゃんは、トイレのうんちを指さして、
「ほら、きんぎょだよ」
と、いいました。
「ほんとだ。きんぎょのかたちしてる」
「かわいいね」
 みんなでそうだんして、こうちゃんのうんちのきんぎょをかうことにしました。
 先生は、
「こまったなあ」
と、思ったけど、今日は、トイレをつかわないことにしました。
 きんぎょ、大きくなるかなあ……?
                

〈作者のことば〉
 東日本の大震災の時に、声優さんに読んでもらって、FMラジオでずいぶん流してくれた作品です。子どもたちに人気の作品でした。少しでも元気になってくれたら嬉しいですね。

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