「みどりくん」 はらまさかず


 ともちゃんは、おばあちゃんと野原にきました。
 白いクローバーの花がたくさん咲いています。
 ともちゃんは、はしっていって、よつばのクローバーをさがしました。
 でも、いくらさがしてもみつかりません。
 「ねえ、おばあちゃん、どうしてよつばのクローバーはみつからないの?」
 ともちゃんがいうと、おばあちゃんはわらって、
 「みどりくんがいるからねえ」
といいました。
 「みどりくん?」
 「そう、クローバー野原には、かならず、小さな小さなみどりくんたちがいるの。みどりくんたちがね、よつばのクローバーをみつけると、はっぱをいちまいちぎって、みんな、みつばにしちゃうのよ」
 「どうして?」
 「そうねえ、へんなねがいごとをされちゃあ、こまるからかねえ」
 「ふーん」
 「だからね、どんなおねがいごとしようか、ちゃーんとみつけてから、クローバーをさがしたほうがいいわねえ」
 おばあちゃんは、そういって、
 「ほら」
と、ともちゃんにみせました。
 「わあー」
 おばあちゃんの手には、よつばのクローバーがありました。

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