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油断禁物、蜃気楼事件

 ドラマ『24』 ばりに(実は観ていないのだけど…)緊迫感を味わった数日だった…。先だって「フリーランスにとってPCは相棒」とか書いておいて、逝ってしまいました…。

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 15日の朝はなんともなかったのに、昼にPCを起動したら上部にブラウン管の走査線のようなものが1センチ幅で入っていた。また、縦にも1本のラインが下まで走り、動きには問題がないものの悪い予感しかしない。調べてみると、どうやら液晶が破損しているよう。一次情報で得たこととしては、「放置しているとよくない」という、割と当たり前の話なのに「どうよくないことがある」かは書いていない。ふむ、とにかくよくないんだな。

 その時点では挙動になんの影響もないが、現在のところPCが半日でも使えなかったら仕事に大いに差し支えるので早めに対処を始める。まず、メーカーサイトで「まずこの3つをやってみ?」というアプローチがあったので試すがどうにも変化なし。そこでメーカーに引き取り修理の依頼をすると驚くべき返答が!「最低でも2週間はお預かりします」と。あの日私は、その情報で驚愕し「えっと、、また検討してご連絡します」と打ちひしがれていたが甘かった。次に試したのは即日修理もしてくれるっぽい、まちの修理屋さんに相談してみることだ。なんせ、その時点でしつこいけれどPCは問題なく使えていた。不気味な走査線がチカチカする以外は…。

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 まちの修理やさんAにまずメールで見積もり依頼をしつつ、さらに口コミ件数が倍以上あった修理やさんBに突然持ち込んでみた。すると、やはり最短でも検査に3日、修理に2週間くらいは見てほしいといわれる。このあたりになると私の恐怖心は覚悟へ変わりつつあり、その足で頼れる家電製品店へと赴くことにした。そこはこれまで2回PCを買っていて、いつも情弱人間の私のおかしな質問にもあきれず優しく付き添ってくれるのだ。まずはそこの修理コーナーで相談をしてみた。びっくり仰天、そこにお預けすると1ケ月かかるとのことだ。理由は、結局経由するだけでメーカーに回すらしい。

 修理受付の方は単純にご自身の業務に忠実なだけでまったく悪くないのだが、ここで話し込むことではないな、とふらふらと軽い絶望にめまいなど起こしながら売り場に赴く。かまってアピールをしていたら若いスタッフさんがきてくれた。話しているうちに気付いたが、21年にPCを買ったときに相手をしてくれた人だった!!私の特技なのだが、1度見た顔は忘れないし、さらに会話までしたら忘れないのだった。そこで、彼にロックオンする。

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 「ばかなこと聞いていいですか…」
 「はい、どうぞ」
 「(PCの液晶問題を簡単に説明し実機も見せてから)私はフリーランスなんです。なので一日たりともPCを手放せないという前提があります。ですが、どこで聞いても2週間ほど、こちらにおいては1ケ月ですが、それはまず無理な話なんですね」
 「はいはい」
 「で、今考えているのは2つ。まず、あきらめて買い替える。でも、まだ2年しか使っていなくて…。もうひとつは、修理に出す間の代替機として低スペックのものを購入する。どう思います!?」すると、
「結構そういうケースのご相談はありますよ。私が思うには、低スペックの代替機を用意する案です。なぜなら」と言って本機の後継機種が並ぶ売り場へ移動する。

 「実はもう、こんなことになっているんですよ…」。店員さんが指し示すPC群をみて絶叫しそうになった。なんと、値段が倍近く高騰しているのだ。聞くところによるとWindows11になったことで高騰しているんだそう。そして、
 「こんな状態なので、今お持ちのPCはまだまだ使用できますし、同じスペックで買い替えると当時購入されたときの倍になるんですよね…。それであれば、修理期間をしのぐものをお求めになったほうが私はよいと思います」とおっしゃった。どうやらそれがよさそう。ということになり、10万円ほどで本機より半分以下のスペックのPCを購入することにした。
 その日は初期設定等を依頼し閉店近くになってしまい、心底疲労した。。

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 金曜日、本機はまだ使える。代替機はとりあえず週末に設定や移行をすることにして走査線の入ったデンジャラス本機を持ち出し終日仕事をすることにした。結果、起動するたびに走査線の領域が微妙に増えている。そればかりかいや~な予感を呼び起こすチカ!チカ!状態が目にうるさい。
 しかし、夕方最後の客先での打ち合わせでも問題なく使用ができたので少しばかり安堵しながら帰宅した。

 週末に行うつもりだったが、金曜夜に時間があったのでのろのろと移行などをしていると、どんどん本機の画面が断末魔の叫びになっていく。走査線はもはや線ではなく帯になり、上からも下からも右、左と陣地が略奪されてゆくではないか。とりあえず最低限必要なことはすべて終えてやっと週末に入った。

 土曜日。本機、8割死亡。画面が見えなくなっていく。
 日曜日。本機、9割死亡。蜃気楼のむこうのようになった。

ありがたいことに代替機に移し終えていたので仕事に支障はない。しかし、これ以上の放置はさらなる悪化を予感したので、先ほどまちの修理やさんA(最初にメールで問い合わせたところ)へ持ち込んだ。なんと「早くても1週間はお預かりになってしまいます…」とすまなそうにおっしゃるが、これまででもっとも早いではないか。しかしすでに代替機のある私である。

 「大丈夫です」と穏やかに微笑など交えて泰然としているのであった。

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