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これからの仕事の計画

 最近考えていることを。
 年始にわざわざビジネスホテルにこもったのは、姉妹に会いにいくことが主目的ではあれど、もうひとつには「考える」ことから逃げないためでもあった。日常というものに埋没してしまうと、どうしても深く考えること、またその先に答えを出すことから逃げがちだ。昔から逃げ場を無くす意味でホテルにこもったりする。それで、ホテルステイ用に現地で数冊の本を買ったうちの1冊、「スタンフォード式 人生デザイン講座」が思いのほかよかった。結論として今直近で思っているのは、「私って相当のばかなんだな」ということだった。

 私は自分で手や頭を動かす作業を要するビジネス書を読む場合、大抵一回目は数時間でさらっと読み流すことにしていて、概要というかその本のいわんとしている全体的な主張をなんとなくさらう。その後に手を動かすべくじっくりチャプターに区切って読みなおしていくわけだが、今回さらっと読んでみてなかなか面白いことがわかった。ものすごく端的に言うと、デザイナー発想で物を観ること、行動することでわかってくるものがある、という感じなのだが、今自分が14年にもわたって生業としてきた「A」という領域が、もしかしたら私が本当に好きなことじゃないんじゃないかってこと。いったん「好きとできるは違う論」は置いておきます。

 自分が「A」を生業にしたきっかけは、出資を受けて会社をつくった際に主事業内容でぜんぜんお金を生めなくて苦労した。事業計画当初から10年かけて世論を醸成しないと商売にならないものではあったが、出資者は最初からリターンを望んだので、なんでもいいからお金にする必要があったのだ。出資者は私に商売の真剣さを問うために、「体でも臓器でも、おまえの売れるものはなんでも売れよ!!」と恫喝した。要するに私が、雇われサラリーマンの根性が抜けていなくて、経営者はお金を稼ぐことにコミットしていなかったことに発破をかけたかったのだと思うが、あまりに恐怖したので重い腰を上げた。「私の仕事ですぐお金になるもの…」ということで、現在の「A」につながることを始めた。独立した事業とまったく関係がなかったが、それは実際引き合いが多く、今でいう副業みたいなものではあるが、やっと売り物として成立したのだった。

 その後も経済の影響を受けつつ山あり谷ありではあるが、「A」で多くの仕事をしてきた。ここで私の七めんどくさい人間性が悪く影響するのだが、既に需要と供給があっているのに私はそれをよしとできなかったのだ。
 「A」のプロというには、まだあれもこれも経験が足りていない、としていきなりその不足経験を積むことを優先した。それによって14年の実績よりも未経験者の枠に近い場所に自ら進んでいったのだ。ふりかえると人生で何度かこの、「高い成績を上げて需要の多い仕事」をかなぐり捨ててしまうことがあった。何を目指しているのだか笑、「評価してもらうには足りないものできないことが多すぎる」と感じると、それを求めてしまう癖があった。

 今はやっといろいろ頭を打ったことで学び、かなぐり捨てずキープしながら軸足を移す程度ではあるが、そもそもがなぜいつも、「ここではないどこか」に正解があると感じるのか?答えが分かった気がする。「A」という仕事を分解すると、このなかの1,2個がとても好きで得意なこと、その他大多数の残された業務はとても嫌いで苦しいことなのだった。

 冒頭の書籍では、この分解から「好きで得意なこと」に焦点を充てる考えが示唆されていて(もっと多岐に渡る表現であり、ここだけ抽出すると書籍の言いたいことと変わってしまうので注意が必要)、私はさらにそれを分解・追求してみた。すると、ある企業で試みにリーダーシップ研修を委託され、それが大成功したことに通じる業務、「A」業務との共通点がある内容が見えてきたのだ。たぶんそれは、大きなくくりでは「対話すること」となり、「指導すること」、「エンパワメントすること」などになる。
そうかー、人に会って対話することと、そこからその人が解決策を導くまで伴走することがとても好きなんだな、と分かったのが大きな発見だった。
 そりゃー「A」の過半数のことが嫌いで苦しいはずだ。1割しか好きなことに応じてないのだから。

 おそらく、好きで得意なことを主に据えたら仕事は仕事ですらなくなって、楽しいからずっとやっていられるものになる。スタンフォード式ではそうすべき、と説いている。この辺が昭和にさんざん読まれた「思考は現実化する」系の考え方と大きく異なり、現代的だと感じる。

 今は多くの人が、副業やネット活用によってこのバランスをとることに長じている良い時節であろうと思う。この辺で自分の頭が混乱してきた。

 仕事をする人間として、計画を再度立て直す年齢になってきた。会社員の方であれば固定のインカムがあるので、副業のような挑戦スタイルはとても良いだろうと思う。自分は個人事業主なので、動かなければ収入にならない。そして何よりも重要なのはニーズがあることに報いなければ収入にならない。自分が今回見出した生業「A」ではないが一部クロスオーバーする業務について、考えをめぐらすとワクワクするし好奇心が刺激されることに気がついた。何かしら行動を興そう、興してみたい、と考えつつもこの収入と時間のバランスを設計する必要がある。

 ただ、やってみようと思うと行動を起こすまでに考えすぎてくじけそう。それでちょっと、ここにメモしておくことにする。

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