見出し画像

2021.7.8 写真と一瞬

 静岡市文化クリエイティブ産業振興センター(CCC)の職員に混じって写真撮影をしてきました。ぼくはトランプを投げて躍動感を演出する係でした。雨が上がって蒸し暑い中、衣装の羽織りを着て20回ほどトランプを投げて&拾ってを繰り返して汗だくになりました。撮影後、シャツのボタンが外れていたことに気がつきました。詰めの甘さに定評のあるぼくです。完成した写真は静岡商工会議所から出ている雑誌『SING9月号』の表紙になる予定です。どこかで見かけたら手に取ってみてください。

 写真撮影はいつも興奮します。マジシャンになってから良いカメラで写真を撮られる機会が増えましたが、やっぱりプロカメラマンの写真は一味違います。構図や色合いはもとより環境の整え方ひとつとっても、職業を超えて伝わってくるプロ意識があります。撮られていて楽しくなってくる〝何か〟がたしかにあるのです。人生最初の宣材写真はプロカメラマンの友人に撮ってもらいました。撮影当日は何をどうすればいいのかわからず、スーツと手品道具だけ持って行ったのに、目線や体勢を指示されるままに動かしただけでTHE MAGICIANという風体の写真が出来上がりました。送られてきた写真を初めて見た時の感動は忘れられません。また撮ってもらいたいなぁ(※蓬生の写真を撮りたい方はお気軽にお声掛けください)。

 ぼくの好きなカメラマンに林ナツミさんという方がいます。『本日の浮遊』という〝浮遊している感じ〟の写真を集めた写真集が面白く、一目惚れして買いました。日常と非日常が混じり合った幻想的でシュールな世界観が魅力です(下にリンク貼っておきます)。
 林さんがインタビューの中で「同じ瞬間は二度と訪れないことを意識している」と語っていました。デジカメが主流になって何度でも取り直しができる現代においても、人生で一度しか訪れない〝今〟を写真に収めようとする姿勢は輝いて見えました。「今を一生懸命生きましょう」という言葉を、本当の意味で体現しているのはカメラマンだけなのかもしれません。マジリスペクトです。

 夜は他人のお金でしゃぶしゃぶを食べて、おしゃれなインテリアのあふれる不思議なお店に行き、0時を過ぎてから帰宅、昂った心を持て余して大好きなレッチリを聴きながらエアギターならぬエアベースを弾いて、汗だくになった体をシャワーで流して、どの瞬間を写真に撮られても良いように意識しながら眠りにつきました。


この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?