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2021.7.7 ミニマムな魔法

 ミニマリストに憧れています。ミニマリストとは、最小限の物だけで生活をする人たちのことです。もとはアメリカの裕福層から生まれた考え方らしく、物を持つ豊かさではなく心の豊かさを重視する生活スタイルです。
 正直、はじめは物を捨てるだけしか能のない集団(失礼)だと思い込んでいましたが、ひとつひとつの服や道具に愛着を持つのがミニマリストなのだと聞いてから、職人のようなカッコよさを感じるようになりました。
 物が多いと、選んだり整理したりするのに脳のメモリが割かれて仕事効率が低下するといいます。そのよい例がファッションです。外出時に着ていく服を選ぶだけでも気温や色の組み合わなどで時間が奪われますし、服が増えれば整理や保管場所も考えなければいけません。それに気づいていぼくは、スティーブ・ジョブズ式の〝選ばないファッション〟を取り入れ、着る服をモノクロで統一しました。組み合わせを考えなくていいのでかなりの時短になりました。
 しかし、手品道具とは簡単に決別ができないでいました。手品道具は形もサイズも様々で収納に困る上、生産中止になることもあって手放しにくかったのです。会場や観客に合わせて演目を変えるためにも道具は多いにこしたことはないのです。捨てようとするたびに「いつか使うかもしれない」が脳裏をよぎっていました。手品師とミニマリストは合い慣れないのか……と、一年前の自分なら諦めたでしょう。
 ふふふ、ぼくは変わったのです。もう、手品道具はいらない! と決心して、使わない道具を捨てたり譲ったりしています。道具の欠損をどこで補うかと言えば、自分自身の知識とスキルです。魔法使いが魔法を使うときにトランクいっぱいの荷物を必要としますか? 杖一本で、魔導書一冊で度肝を抜くような不思議現象を起こすのが魔法使いでしょう。
 ぼくのもっとも尊敬するパフォーミングアーティスト小林賢太郎(元コントユニット「ラーメンズ」)は、もともとマジックを趣味としていましたが、道具を使わずに人を楽しませたいと思ってお笑いの道を志したそうです(下にラーメンズのコントのリンクを貼ってありますのでよかったら見てください。よくなくても見てください)。ぼくもそろそろ小林賢太郎を目指す時がきたようです。とはいっても、手段は変えたくないのでお笑いの道には進みません。トランプやその場にあるものでどこまで不思議な現象を起こせるか、蓬生の挑戦が始まります。それでは。


 

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