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【苦手な方必見】本の読み方〈五つのルール〉

 今回は「本の読み方」というざっくりしたテーマでお話ししてみたいと思います。「記憶に残る読書法」というテーマでお話をしている方はよくみますが、「そもそも集中して本を読めない」「一冊も読みきれない」という方、いらっしゃるんじゃないですかね?
 私の後輩にも「何ヶ月も前に本を買ったけど読めてないです」というやつがいるので、そんな「本を読めない人」に向けて、私が意識して使っているいくつかのルールを紹介します。

 私は大学から本格的に本を読むようになり、多い時期には一日2冊くらいのペースで小説を読んでいました。あの頃は半日くらい平気で読み続けていましたが、今はそうはいきません。集中力が持続しません。ややもすれば集中が途切れてしまいます。
 そこで、ある時から集中して本を読める環境づくりが大切だと気が付き、明文化してみました。また、このテクニックは本を読む以外のあらゆる場面で活きてくると思うので、うまいこと活用してみてください。

①スマホを近くに置かない

 一番最初に一番大切なことを言いました。現代人の集中力を奪う最大の敵はスマホです。TwitterやLINEがいかに限りある時間を奪っていることか。時間だけならいいのですが、集中力や持続力まで奪っていることに気がつくと恐ろしいですね。可能ならスマホの電源を切り、自分から遠くに置いてください。同じように、パソコン、テレビ、携帯ゲームなど、気が散るものは一切排除してください。
 もし、言葉の意味を調べたくなったときのために電子辞書を用意しておくとなお良いですが、ない場合はメモとペンを用意し、あとでまとめて調べてください。スマホだけは絶対ダメです。大切なので何度も言います。

②一気に読もうとしない

「今夜は寝るまでに3時間読めるな」とは絶対に思わないでください。私は短時間に集中して読むことを意識しています。「とりあえず30分」とか、時間がなければ「10分だけ」と制限を設けてください(そもそも普段本を読まないのに一気に何時間も集中できるわけないです)。
 また、「キリがよいところまで」という読み方は良くありません。そこで意識が途切れてしまうので、できればページの真ん中とか、中途半端なところで読むのをやめてください。心理学にツァイガルニク効果というものがあり、人は中途半端に終わっていることほど記憶に残りやすいという特性があるからです。
「通勤電車の中」というのは良い判断ですよね。私も、まっとうな勤め人のときは行き帰り40分の間だけ集中して、一週間で一冊読んでいました。通勤中に読みきれなくても、ラストが気になって土日で読み切ってしまいますよね。

③長時間座っても疲れない椅子に座る


 体勢を変えるときに集中力が途切れがちですので、できれば長時間同じ体勢で座れる椅子を用意して読みましょう。寝転がって読むのはやめてほうがいいですね。だいたい寝ます。私もよく寝落ちします。その対策としては「事前によく寝ておくこと」をお勧めします。同じ理由で、トイレも済ませておいてください(ちなみに、難しい本を読むと眠くなるのは、脳に負荷がかかっているので体が脳を休めようとする作用だそうです)。無理のない範囲で同じ姿勢を維持してください。時々立ち上がってストレッチしてもかまいませんが、出歩くのはNGです。
 長時間読むときは飲み物を用意してもいいです。しかし、食べ物はあまり好ましくないです。食べることは案外ノイズになります。

④一行目をすぐに読む

 読み始めなければ読み終えることはありません。大抵の仕事がそうであるように、やり始めてしまえスイスイ進むものです。とりあえず一行読みましょう。「満を持して」読むとか、「環境が完全に整ってから」読むとか、間違ってもしないでください。椅子に座ったら5秒以内に読み始めましょう。一行読んだら次の一行、さらに一行と読んでいけば、いずれ読み終わります(ボルヘスの『砂の本』ではないので)。当たり前に聞こえるかもしれませんが、間違いなく真実です。

⑤孤独に耐える

 本を読むとはとても孤独な作業です。もっと正確に言うなら孤独でなければ意味がありません。誰のためでもなく、自分のためだけに本を読むことを意識しましょう。没頭とか集中というのは、一人ですることです。外界との接触を完全に断ちましょう。誰かと一緒に読むとか、ありえません。自分の楽しみのため、自分の知識を広めるため、自分の脳を満足させるために読みましょう。
 裏を返せば本を読めるようになれば孤独に強くなるということです。コロナ禍で外に出られないからといって発狂することもなく、一人の時間を無限に楽しめる人になれます。なぜなら、本は無限にあるからです。
 ね、なかなか魅力的でしょ?

まとめ

①スマホを遠くに置く(メモとペン、電子辞書以外は徹底的に排除)
②一気読みはしない(時間を決めて読み、中途半端なところでやめる)
③長時間座っても疲れない椅子に座る(寝っ転がる、移動はNG 飲み物OK)
④一行目をすぐ読む(読み始めればあっという間です)
⑤孤独に耐えましょう


 たったこの五つだけ守ってもらえれば格段に本を読みやすくなるはずです。この方法はどちらかといえば、没頭するという意味では、ビジネス書より小説向きかもしれないですね。私はこれに加え、「付箋を用意する」「読む目的を作る」「誰かに説明する」など、より深く読み込むためのテクニックを使っていますが、まあ、この辺りは誰かが解説していると思うので今回は省きます。またニーズがありましたら、私なりの読書法を紹介したいと思います。

補足

 上記の考え方のベースには「33分33秒の法則」があります。これはアメリカのコピーライターである、ユージン・シュワルツが提唱したルールです。仕事を始めようと思ったとき、33分33秒はルールに従わなくてはいけないという法則です。詳しくは以下の通り。

・時間中はコーヒーを飲んでもいい
・時間中は何もしなくてもいい
・時間中は仕事をしてもいい
・時間中は絶対に席を離れてはいけない
・時間が過ぎたら作業中でも席を離れなければいけない

 正確な文言は忘れてしまいましたが、だいたいこんな感じです。
 まとめると、33分33秒の間には、仕事をするかなにもしないか、コーヒーを飲むかしかできません。もちろん席を立つことはできませんが、時間が過ぎたらどんな状況であろうと、作業をやめて休憩しなければいけません。

 人間の心理を非常にうまく使ったルールです。これを読書に応用するわけで、つまり、本を読むか何もしないかしかできない状況に自分を置けば、いやでも本を読み始めてしまうわけですね。

 それでは良い読書ライフを。

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