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積読家を卒業したい。

自分で言うのもなんだが、かつて僕は読書家であった。ずっと読書家でありたかったが、今は積読家になってしまった。

読書家であった期間はおそらく、中学1年〜大学3年くらいまで。

一番のピークは中高時代だろう。
小学6年の終わり頃にDSを取り上げられ、大好きなゲームが出来なくなってしまった。

そのまま中学生になり、趣味のない僕は、姉の勧めで本を読むことになり、趣味と言えるほどにのめり込んでいった。
中学2年には、ライトノベルにもハマり、厨二病となった。

やがて高校生になり、入学と共に周りの友達はスマホデビューする中、僕は親の許しを得られず、ガラケーデビューを果たす。

スマホゲームやスマホでアニメを見る友達の横で、ガラケーを触ろうにも、電話とメールとワンセグ機能くらいしか面白いものはなかった。

スマホの代わりにiPod touchを持っていたが、ポケットWi-Fiなんてものは持ってなかったので、常にオフラインで本来の音楽プレーヤーとしての役割を全うしていた。

家のインターネット環境も当時は、無線ではなく、有線であったため、Wi-Fiという概念がなかった。

そんな状況下にいたからこそ、さらに読書にのめり込んでいった。

しかしスマホがないことは自分にとってデメリットばかりではなかった。

それは受験勉強においてである。
もちろん読書も勉強中は害になるが、スマホがあったら、大学に行けていたのかも怪しかった。

教育ママであった母と頭の良い姉や親身になってくれた塾の先生方の支えもあって、無事志望大学へ入学することができた。

そしてついにスマホデビューを果たす。
このスマホが自分から読書を少し遠ざける要素となる。

ゲームができなかった6年間を取り戻すように、スマホゲームにはまった。
最初の頃はデータ通信を家族でシェアしていたので、自分のせいで通信速度を遅くしてしまったりした。あれは本当に申し訳なかった。

大学に入ってから、ゲームや読書の他にアニメや漫画、映画、音楽鑑賞など様々な趣味が増えたが、全て両立できた。

それは何よりも学生の中で一番自由で、時間がたくさんある『大学生』という身分のおかげだった。

読書は楽しいが、時間と想像力、集中力を欲する。大学4年になり、実習や就活で忙しくなってくると、自ずと遠のいていった。

ただ読みたい気持ちは常にあったから、今まで通り本屋に行ったし、普通に本も買った。

この頃より、本を読むスピードはカタツムリくらいの速さなのに、本を買う頻度は、息を吸うレベルだった。

もともと一冊読み終わってから、新しい買う本を買う派だったのに、いつのまにか、何十冊も抱える積読家になっていた。

社会人となった今も変わらず、全然読んでいないくせにどんどん増えていく一方。

これからも『なんとかこの状況を打破できないものか』と思いながら、本屋に行き、本を買うのであろうな。



積読家ではあるけれど、ちゃんと好きな作家はいるし、好きな本もあるので2冊程紹介する。


1冊目は、森見登美彦さんの『有頂天家族』

京都が舞台の狸と天狗と人間のお話。
この作品を機に京都が好きになった。


2冊目は、小野寺史宣さんの『ひと』

両親を亡くし、大学をやめた二十歳の青年の話。
人々との繋がりを描くことか多い作家さんで読みやすい。


もし面白そうだと思ったら、是非読んでみてほしい。

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