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ブランを愛する少年との出会い ー『たびする木馬』ー<2>

冒頭、最初の居場所である花形のメリーゴーランドで悠々と走るブラン。ブランを着飾る装束は鮮やかで、きっと子どもたちの目に憧れの姿に映ったことでしょう。ブランもその眼差しに恥じないよう、背を正して仕事に精をだしているようです。

この街で出会った青いスカーフをした少年は回転木馬のブランをこよなく愛しているのがわかります。そしてこの少年がブランの名付け親です。

実際の原画の色味は少し異なります。

ブランの後ろには黒豚に乗って泣いている少年。人の手を介さずに動く乗り物が怖かったのか、豚の乗り心地がいまいちだったのか、それともブランに乗りたかったのか。

それにしてもこの気になる黒豚。
メリーゴーランドに豚なんていたっけ?と調べると、なんと2020年に閉園したとしまえんのメリーゴーランドにはピンクの豚さんがいたそうです。としまえんのメリーゴーランドも1907年製造のアンティークものだったので、ブランのメリーゴーランドに黒豚がいてもおかしくないですね。



牡丹靖佳『たびする木馬』(アリス館)絵本原画展
|会期| 2023年8月18日(金)-9月3日(日)
*会期中、8月22日(火)・25日(金)・29日(火)はおやすみ
https://yomogibooks.com/news/64b747be0faafe0030ef260b



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