マーガレット,
月夜に浮かぶ侵入者が少女だと知ったのは
不必要に信仰された私の乙女が
あの人に散らされた直後だった
少女が発した言葉は微々たるもので
私にとっての
「あの子」と
「好きな花」を
問うような文言だったが答えよりも
今、この場に現れてしまった
己の存在意義について
終始自身で討論しているようだ
生憎
あの子も好きな花も検討がつかない
人すらも好きだのなんだのを理解できない
私の
好きな花の名前なんて
“生涯で一等関わったであろう花は
その窓から見えるかも”
名前も知らない白い花
小さな小さな花が一輪
それを育て慈しんだ
信仰と欺瞞と武力の合間に
それを育んだ
明日助けに向かう
あの子に見せようと———
何者か尋ねた私の問いに
少女は「未来」と言った意味が今
腑に落ちた
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