【カオリ】ワイルドグース・サインポスト

何処どこかに忘わすれた物語ものがたり
ながいながい物語
うつむきながら
君きみとおんなじタイミング
紡つむぎ出だすその言葉ことば
どこにも
証拠しょうこなんてなくってさ
それでいいんだって
強つよがる僕に
あの子こはなんて言葉
奏かなでるの
扉とびらを開ひらく言葉はきっと
とっくにあの子からもらってて
ちぐはぐだって
矛盾むじゅんだって
戯言ざれごとだって
何度なんどだって
密ひそかに愛あいして穏おだやかになるならさ
そうおもったの
だけど
ごめんね
きっと僕は
ぼくは君らをきっと
ずっとずっと
信しんじちゃ
いなかった
適当てきとうな僕の言葉が
君たちだけに響ひびくなら
それだけで
それだけでいいじゃないって
お願ねがい
笑わらって
その時ときその場ばに染そまるしか生いきかた
知しらなかった僕と
また出会であってさ
ずっとずっと
笑おうよ

ねえ
だけど
ぼくのそんざいおぼえてくれて
ありがとう
そうだ
ずっと
みつけてみつめてくれたから
ぼくはもういちど
あえたんだ
あえるんだ

短みじかすぎる生命線せいめいせん引ひっ掻かいて
脳天貫のうてんつらぬく痛いたみに耐たえた
あの日々ひびは
いつのまにか吸すい込こまれ
もういいんだって
ここはもう自由じゆうなんだって
ごめんね
遅おそくて
ごめん
ごめんね
もっともっと
伝つたえたいものが
あるんだ
受うけ取とってくれると
嬉うれしいな