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お正月と言えば!箱根駅伝の話〜三浦しをん『風が強く吹いている』

かおりさんへ

こんにちは。
今年ももう終わりだねえ。年をとるごとに1年が終わるのが早くなる気がします。

さて、わが家はというか私は若いころからずっとお正月と言えば箱根駅伝をひたすら見ています。駅伝もマラソンもほぼ欠かさず見るくらい、なんか好きなんだよね、人が走っている姿を見つめるのが。

というわけで、今回紹介したい本は私の大好きな本。三浦しをんの『風が強く吹いている』です。『舟を編む』もまほろシリーズも好きなんだけど、これが好き。花も好きで、友だちにすすめてたわね。

一言で言えばね、これは夢物語です。こんなことは現実ではほぼ起きません。寄せ集めの10人が半年の練習で、箱根駅伝に出るなんてあり得ないもん。それは重々承知してるけど、でもいい話なんだなあ。

久しぶりに読み返したんですよ、この本を。私の「推し」はありきたりだけどハイジかな。ハイジは本当にできた子で、私が会社の人事部にいたら、間違いなく採用するわね。人のことをよく見てて、メンバーそれぞれの資質や性格を把握して、寄り添うようにその子のよさを引き出して行く姿は、有能としか言いようがない。

箱根駅伝に出た子が全員実業団に入って陸上の道を進み続けるわけではない。陸上で頂点まで行く人はほんのひと握りなのに、それでも必死で努力するのはなぜなのか。走ることを突き詰めることだけが目的ではないんだろうなと思う。

目的に向かって死に物狂いで頑張る!それは大学を卒業したあとの人生において大きな価値になっていくんだろうな、と思います。一生懸命になった経験のある子は「強い」。それは会社の若い子を見ていてもわかる気がする。

そうそう、この話の裏話は同じく三浦しをんの『マナーはいらない 小説の書きかた講座』で読むことができます。裏話を読むと2度美味しいかもしれません。

話を少し元に戻すね。なぜ、箱根駅伝を見るのが好きなのかはきちんと言語化できないのだけど、私は真っ直ぐに目的に向かっていく人の話がたぶんものすごく好きなのです。理屈とかいらない。

ともかく、チームのため、そして自分自身のために努力を続ける姿は美しい。そう思っているようなところがあります。もうね、それはいいとか悪いとかいう次元を超え、ただ嗜好の問題なんだろうな。

そんな嗜好の私も50代になり、何かに夢中になることをすっかり忘れていたんだよね。8月にかおりさんとこのnoteを始めて、久しぶりに「ときめき」を感じた。そして、自分にそんな感情が残っていたことに驚いたの。このnoteは箱根駅伝を目指す若者と方向性は違うけど、自分の好きなことを続けていくための大切な居場所。

年齢に応じて、やれることは変わっていくのだろうけど、いくつになっても前を向いていけるおばちゃん、おばあちゃんになれたらいいなと思う。かおりさんの冷静な意見にはっとすることもたくさんあった。いつまでもそういう気づきをきちんと受け入れられる人間でいたいな、そんな気がします。

来年も、細く長く続けていけるといいな。無理せず、楽しく!50代の私たちにとって、それはちょうどいい距離感でちょうどいい負荷なんだろうと思います。今年1年ありがとう。そして来年もよろしくね!

2023年12月29日
やすこより


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